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卸売業 32 名 B 社 Lark Base 受注管理事例 — 月 92h→38h・誤発注 -71%

本記事は、当社が支援した 北関東の中小卸売業 B 社(従業員 32 名)の Lark Base 導入事例です。FAX と Excel に散らばっていた受注情報を 90 日のロードマップで再設計し、受注処理工数 月 92h→38h(58% 減)、誤発注クレーム率 -71%(月 90〜120 件の受注処理を母数とする集計)に到達しました。同社の許諾範囲内で一般化した事例として公開しています。中小企業 DX の進め方の全体像は中小企業 DX 進め方 90 日ロードマップを参照してください。

📊 Before / After — 数字で見る変化(導入 6 ヶ月時点)

KPI導入前導入 6 ヶ月後変化
受注処理 月次工数92 時間/月38 時間/月-58%
誤発注クレーム率月 90〜120 件中 11〜14 件月 90〜120 件中 3〜4 件-71%
受注情報共有スピード営業 → 倉庫 平均 4 時間同 平均 1.5 時間-63%
経営判断リードタイム売上集計 5 営業日2 営業日-60%
現場満足度(NPS)-12 pt+15 pt+27 pt
※ 全数値は同社の社内集計値、同社の許諾範囲内で一般化。NPS は 0〜10 の 11 段階推奨度を無記名で計測 (関与メンバー 14 名)。

導入前 — FAX と Excel に散らばる受注情報

B 社は北関東で 30 年以上続く中小卸売業者で、取り扱い品目は 1,200 SKU 超、月間受注件数は 90〜120 件、得意先数は約 80 社。受注経路は FAX が 60%、メールが 25%、電話が 15% という構成で、ここ 5 年でメール比率が上がってきたものの依然として FAX が主流でした。

受注情報の管理は Excel ファイルで、得意先別の月次シート + 全体集計シートを担当者が手入力。問題は 「同じ情報を 3 回入力する」二重三重入力でした。FAX 受信 → Excel 入力 → 倉庫への指示書印刷 → 出荷後の納品書作成 → 月末請求書発行と、同じ品名・数量・単価を 3〜5 回入力し直す業務フローが慢性化。事務員 2 名が受注処理だけで 月 92 時間を投じる状態でした。

さらに深刻だったのは 誤発注クレーム率で、月 90〜120 件の受注のうち 11〜14 件(約 10〜13%)で「数量違い」「品違い」「納期遅延」などのクレームが発生。原因はほぼ全て「Excel 入力時のヒューマンエラー」「営業-倉庫の口頭連絡の聞き間違い」「月次シートと全体集計シートの数値乖離」の 3 つに集約されました。社長は『業務を回すだけで限界、改善の時間が取れない』状態で、DX の必要性は感じつつも何から手を付けるか分からない、というのが初回相談時の状況でした。

Day 1-30 業務可視化 — 棚卸し 8 営業日で見えた 3 つのボトルネック

初動の 30 日は「ツールを 1 つも追加しない」と最初に宣言し、現状業務の棚卸しに専念しました。受注情報が紙・Excel・メール・電話・倉庫の出荷指示書と 5 媒体に分散しているため、棚卸しは予定の 4〜6 営業日では終わらず延べ 8 営業日を要しました。経営者(社長)の関与は週 1 回 30 分のレビュー、改革責任者として営業課長をアサイン、現場メンバー 3 名(事務 2 名・倉庫主任 1 名)を巻き込んでヒアリングを実施しました。

見える化の結果、3 つの構造的ボトルネックが浮かび上がりました。

  • ボトルネック ① 同じ情報を 3〜5 回入力 — FAX 受信 → 月次シート入力 → 倉庫指示書印刷 → 納品書作成 → 請求書発行の各工程で品名・数量・単価を再入力。1 件あたり実測で平均 8 分。
  • ボトルネック ② 営業-倉庫の情報共有が口頭中心 — Excel ファイルが事務所 PC にロックされており、倉庫サイドからは見られない。営業が口頭で倉庫に伝える際の聞き間違いがクレーム原因の約 40%。
  • ボトルネック ③ 月末まで売上が見えない — 集計が月次シートに依存し、月末締めまで社長が当月売上を把握できない。経営判断のリードタイムが構造的に 1 ヶ月遅れる。

同時に KPI 仮説 5 本を設定: ①受注処理工数 -30% / ②誤発注クレーム率 -50% / ③情報共有スピード -50% / ④経営判断リードタイム 5 営業日→2 営業日 / ⑤現場 NPS +20 pt。これが 90 日後の効果検証の物差しになります。

Day 31-60 業務改善 — As-Is / To-Be 整理表で書き直した受注フロー

31〜60 日目は 「あるべき受注フロー」の設計に集中しました。当社が現場で使う As-Is / To-Be 整理表を 1 枚にまとめ、横軸に受注プロセスの 7 工程(受注受付→入力→在庫確認→倉庫指示→出荷→納品書→請求)、縦軸に「現状(誰が・何分・どのツール)」「あるべき姿(誰が・自動化レベル・所要分)」「ギャップ要因」「Day 61-90 で検証する仮説」を並べました。

この 1 枚を、社長・営業課長・事務 2 名・倉庫主任の 合計 5 名で 90 分の合意形成会議 1 回 + 1 週間の個別追記で合意に持ち込みました。会議で決まった核心ルールは以下の 3 つです。

  • ① 受注情報の入力は「1 回だけ」に統一 — Lark Base の受注マスタテーブルに 1 度入力すれば、倉庫指示書・納品書・請求書はそこから生成する設計に切り替える
  • ② 営業-倉庫の情報共有は「Base のステータス列」で完結 — 口頭連絡を廃止し、ステータス(受注済 / 出荷準備中 / 出荷済 / 納品済 / 請求済)の更新を共有手段にする
  • ③ 売上集計は「Base の日次集計ビュー」で即時可視化 — 月末まで待たず日次で社長が確認できる構造にする

同時に Lark Base 業務システム構築サービスの要件定義に着手。「機能スペック」ではなく「業務プロセス上の要件」を書き出すことを徹底し、受注マスタテーブルが進行ステータス 5 段階を持つこと・営業と倉庫が同じ画面から書き込めること・モバイル(倉庫主任のスマホ)から在庫確認できること、を主要要件としました。

Day 61-90 PoC — Lark Base で受注管理テーブルを構築

61〜90 日目で初めて Lark を導入しました。Lark 50 名無料プランで全社展開ではなく、関与メンバー 5 名(社長・営業課長・事務 2 名・倉庫主任)・対象業務は受注処理のみに限定した PoC として動かしました。Lark Base 上に「受注マスタ」「得意先マスタ」「商品マスタ」「出荷ステータス管理」の 4 テーブルを構築し、テーブル間を双方向リンクで接続。受注マスタへの 1 回の入力で倉庫指示書相当のビュー、納品書相当のビュー、請求書集計ビューが自動生成される設計にしました。

30 日かけて受注 PoC を回した結果、Day 1-30 で立てた KPI 仮説 5 本の前後比較を実施。受注処理工数は PoC 期間中の月換算で 92h→52h(43% 減)、誤発注クレーム率は 11〜14 件 → 5〜6 件に減少。3 KPI 以上達成のため事前ルール通り全社展開へ進む判断ができました。

PoC で得られた最大の発見は「倉庫主任がスマホで在庫確認できるようになった効果が想定以上に大きかった」こと。営業が客先で「在庫ありますか?」と聞かれて電話確認していた業務が、Lark のスマホアプリで Base 閲覧に置き換わり、客先での即答率が大きく向上。これは Day 1-30 の棚卸しでは見えていなかった副次効果でした。

導入 6 ヶ月後の成果 — KPI 5 本の前後比較

PoC を経て全社展開に進み、導入から 6 ヶ月時点の社内集計で 5 KPI すべてが目標水準を超えました。本記事冒頭の Before/After テーブルに示した通り、受注処理工数 -58%、誤発注クレーム率 -71%、情報共有スピード -63%、経営判断リードタイム -60%、現場 NPS +27 pt です。特に誤発注クレーム率 -71% は B 社の顧客満足度と新規受注の安定性に直結する効果で、想定を上回る成果になりました。

定量効果以外で社長から共有いただいた最大の変化は「月末まで売上を待たなくてよくなった」こと。Lark Base の日次集計ビューを社長が朝のコーヒータイムに眺める習慣が定着し、月中で異常値があれば営業に確認するアクションが取れるようになりました。これは経営者の意思決定のリードタイムが構造的に 1 ヶ月から数日に短縮されたことを意味します。

事務員 2 名の業務時間が月 54 時間空いたことで、新規得意先開拓のための提案資料作成や、社長から指示されていたが手付かずだった顧客満足度アンケートの設計などに時間を回せるようになりました。「DX で人が減るのではなく、人が新しい仕事に回れる」という効果は、中小企業の経営者に最も伝わる定性的価値の一つです。

経営者へのインパクト + 同業他社への示唆

B 社の事例から、卸売業を中心とした中小企業の経営者に伝えたい 3 つの示唆があります。

  • ① 二重三重入力業務がある会社は 90 日 DX の効果が最も出やすい — 卸売・小売・製造業の事務系業務には共通して二重三重入力が潜んでおり、Lark Base で「1 回の入力で複数ビューを生成する」設計に置き換えるだけで月数十時間の工数が空く
  • ② 倉庫・現場のスマホ活用は副次効果が大きい — Lark のスマホアプリで Base を見られる環境を作るだけで、客先での即答力・倉庫の在庫精度・営業-倉庫の情報伝達精度が同時に向上する。「業務 PC を持っていない現場メンバーが意思決定の輪に入る」効果は数値化しにくいが現場満足度を大きく押し上げる
  • ③ 経営者の朝の習慣に「日次売上ビュー閲覧」を組み込むと意思決定が変わる — 月次決算を待たない経営は、業績変動に対する反応スピードを根本的に変える。Lark Base の日次集計ビューはこの習慣化のハードルを大きく下げる

類似の卸売業・小売業の経営者向けの参考水準として、当社の中小企業 50 社超の支援前後比較中央値帯では、卸売・小売の受発注・在庫・売上管理業務で 工数削減率 30〜45%、本格導入後 6 ヶ月での到達が目安です(業種別 KPI 参考水準テーブルを参照)。B 社の -58% は同業の中でも上位水準で、これは「Lark Base 受注マスタを 1 回入力に統一する」設計の効果が特に大きかった結果と分析しています。

この事例を自社に当てはめるには

B 社の事例は、「卸売業 30 名前後」「FAX/Excel での受注管理」「事務員の二重三重入力」「営業-倉庫の口頭連絡」のいずれかに当てはまる中小企業に最も近い形で参考になります。ただし数値は業種・規模・既存業務の散らばり具合により上下しますので、自社の Day 1-30 で現状値を測ったうえで個別に校正することを強くお勧めします。

「自社の場合に Day 1-30 で何から始めるか」「自社の業種で B 社並みの効果が出る可能性はあるか」「PoC のコストはいくらかかるか」を 60 分の無料相談でその場でお返しします。検討初期段階のお問い合わせも歓迎です。

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※ 本事例の数値はすべて B 社の社内集計値であり、同社の許諾範囲内で一般化しています。月間受注件数 90〜120 件・誤発注クレーム件数の集計母数は同社の業務記録に基づきます。導入時期は 2025 年 11 月、本記事の効果数値は導入 6 ヶ月時点(2026 年 5 月初旬集計)のものです。NPS は 0〜10 の 11 段階推奨度を無記名で計測(関与メンバー 14 名)。同業他社で同水準の効果を保証するものではなく、業種・規模・既存業務の散らばり具合により上下します。Lark は ByteDance Ltd. の登録商標です。当社(アウフヘーベンジャパン株式会社)は Lark の導入を支援する独立した第三者コンサルティング事業者であり、ByteDance 社の公式機関ではありません。