「Notion を全社で使い始めたけど、案件管理や受発注の業務 DB として使うには物足りない」「Lark Base が良いと聞くが Notion とどう違うのか分からない」──これは、当社が群馬・前橋を拠点に中小企業の DX 伴走支援をしている中で、ここ 1 年で急増した相談パターンです。Notion はドキュメント・ナレッジ管理に強い一方、Lark Base は業務 DB に最適化されており、設計思想がそもそも異なります。本記事では、Notion 公式料金と Lark 公式料金の比較、自社 EC 事業を Lark に集約して月 240 時間 → 24 時間 (-90%) に到達した実証経験、そして Notion → Lark Base 移行 30 日プランを、中小企業の意思決定に直接効く 5 観点比較とともにまとめます。
結論を先に書きます。中小企業が「業務 DB の中核」として 1 つ選ぶなら Lark Base、「社内ナレッジの中核」として 1 つ選ぶなら Notion──というのが、両方を業務で使ってきた当社の判断です。さらに、中小企業の DX で最も投資対効果が高いのは「Excel に散在する業務データを 1 か所に集約すること」であり、その用途では Notion のドキュメント中心設計はミスマッチが起きやすく、Lark Base の業務 DB 中心設計の方が成果を出しやすい構造があります。お急ぎの方は Lark Base 業務システム構築サービスのページ、またはお問い合わせフォームから 60 分の無料相談で、Notion と Lark Base のどちらを採用すべきかその場で見立てをお返しします。
📍 結論を急ぐ方へ: 「Notion を続けるか、Lark Base に移行するか」を 60 分でその場で見立てます。検討初期段階のお問い合わせも歓迎です。
相談内容の例: 既存 Notion を残したまま業務 DB だけ Lark Base に移したい / Notion で組んだプロジェクト管理を Lark Base に再構築したい / 30 名規模での月額コスト試算が欲しい 等
✅ この記事でわかること
- Notion と Lark Base の設計思想の根本差 (ドキュメント中心 vs 業務 DB 中心) → 設計思想を読む
- 5 観点で徹底比較 (データモデル / 料金 / コラボ / AI / 学習曲線) → 5 観点比較を読む
- 30 名規模での典型コスト試算 (Notion フル運用 vs Lark 集約) → コスト試算を読む
- 自社 EC を Lark に集約して月 240h→24h(-90%)に到達した実証経験 → 自社事例を読む
- Notion を選ぶべきパターン / Lark Base を選ぶべきパターン → 選定基準を読む
- Notion → Lark Base 移行 30 日プラン (CSV エクスポート → Base 設計 → 切替) → 30 日プランを読む
Notion と Lark Base の設計思想の根本差 — ドキュメント中心 vs 業務 DB 中心
結論から書きます。Notion は「ページとブロックの自由な組み合わせ」を中核に据えたドキュメント中心の設計、Lark Base は「テーブルとリレーション」を中核に据えた業務 DB 中心の設計です。この違いは表面的な機能差ではなく、ツールの根本思想の違いであり、中小企業が「自社の業務に合うのはどちらか」を判断する際の最大の分岐点になります。
📖 用語のおさらい (はじめてお読みの方向け)
- 業務 DB (データベース): 受発注・案件・在庫など「業務データを 1 か所に集約してリアルタイムで集計できる仕組み」。Excel の表の進化形と捉えるとわかりやすい。
- リレーション: 「顧客マスタ」と「受注一覧」のような複数のテーブルを関連付け、片方を更新すれば自動で連動する仕組み。Excel の VLOOKUP の常時自動化版。
- ブロック: Notion で文章・画像・表などを並べる最小単位。1 ページに自由に組み合わせる構造。
- ビュー: 同じデータを「表 / カンバン / カレンダー / ガント」など別の見せ方に切り替える機能。Lark Base は 6 種類、Notion DB も 6 種類対応。
Notion の設計思想 — 「ページの中に何でも置ける」自由度
Notion は「すべてはページ、ページはブロックの集合」という思想で作られています。テキスト・見出し・画像・テーブル・データベース・埋め込み Web ページなど、あらゆる要素を 1 ページに自由に並べられます。社内 Wiki・議事録・プロジェクトメモ・個人ノート・採用候補者管理・契約書管理など、「形が決まっていない情報を 1 か所にまとめる」用途に圧倒的に強いツールです。海外のスタートアップやエンジニア組織で爆発的に普及した理由はここにあります。
一方、Notion のデータベース機能 (Notion DB) は「ページの一覧をテーブルとして表示する」という思想で作られているため、本質的にはページ集合のメタデータ管理です。1 行 1 ページであり、複数テーブル間のリレーション (関連付け) も Relation プロパティで実装できますが、業務 DB として大量の数値データを扱う・複雑な集計を多段で計算する・行ごとに細かい権限制御をかける、といった用途では設計思想とのギャップが大きくなります。
Lark Base の設計思想 — 「業務データを 1 か所に集約する」業務 DB 中心
Lark Base は最初から業務 DB (リレーショナル・データベース) として設計されており、Excel の延長線上の操作感を保ちながら、テーブル間のリレーション・数式フィールド・ロールアップ・ルックアップ・ビュー切替 (テーブル/カンバン/カレンダー/ガント/フォーム/ダッシュボード) を 1 つのアプリで完結します。受発注・案件管理・在庫管理・売上集計・進捗管理など、「同じデータを複数の切り口で見たい業務」に最適化されています。
さらに Lark Base は単体のツールではなく、Lark スイート (チャット・ビデオ会議・カレンダー・ドキュメント・承認ワークフロー・タスク管理・Wiki・メール・AI) の一部として組み込まれています。Lark Base のレコードに対してチャットで議論する・承認フローを回す・カレンダーに納期を反映する・ダッシュボードで経営判断する、という業務一連の流れを 1 つのアプリで完結できます。中小企業の業務 DX を「1 か所に集約する」用途では、この一体性が決定的な差を生みます。Lark Base の中小企業活用の詳細は Lark Base が中小企業の業務効率を変える 3 つの理由 で詳しく解説しています。
設計思想の差が中小企業の業務にどう効くか
中小企業の業務 DX で最も投資対効果が高い領域は、「Excel に散在する受発注・在庫・案件・売上データを 1 か所に集約し、リアルタイムで集計できるようにする」ことです。これは業務 DB の典型ユースケースであり、Lark Base の設計思想と完全に合致します。一方、Notion の設計思想は「ナレッジを構造化する」ことに最適化されているため、業務 DB として使うと、テーブル間のリレーション設計・複雑な数式・大量データの処理速度などで摩擦が生じやすくなります。
逆に、社内 Wiki や議事録のような「形が決まっていない情報を蓄積する」用途では、Notion の自由度が圧倒的に有利です。Lark Docs (Lark のドキュメント機能) も近年大幅に進化していますが、ページ階層の柔軟性・埋め込みブロックの豊富さ・テンプレート文化の成熟度では Notion に分があります。「何を中核に据えるか」が両ツールの選定基準であり、用途を見誤ると「便利なはずなのに使い続けられない」という失敗パターンに陥ります (失敗パターンの詳細は Lark 導入の失敗パターン 3 つ も参照)。
Notion vs Lark Base — 5 観点で徹底比較
ここからは中小企業の意思決定に直結する 5 観点で Notion と Lark Base を比較します。機能数の羅列ではなく、「自社の業務にどう効くか」「移行・運用コストはどうか」を軸に整理します。
観点① データモデル — ページ・ブロック vs テーブル・リレーション
Notion のデータモデルは「ページ = 親、ブロック = 子」の階層構造です。データベースはページの一覧表示として実装されており、1 レコード = 1 ページに展開できる仕組みです。これは「商品ページに詳細説明・画像・関連リンクを自由に並べたい」「議事録 1 件にチェックリスト・参考資料・コメントを混在させたい」という用途に強い構造です。
Lark Base のデータモデルは「テーブル = フィールド (列) × レコード (行)」のリレーショナル構造です。テーブル間を Link フィールドで結び、Lookup・Rollup で関連データを引っ張ってきて集計する、という Excel 上級者や SQL 経験者にとって直感的な構造になっています。受発注テーブルと顧客マスタを Link で結べば、受注一覧から顧客名・与信枠・最終取引日を自動表示でき、これを Notion DB で再現しようとすると Relation + Rollup の二段構えで非常に複雑になります。
さらに Notion 公式 (2026 年 5 月時点) による定量的な制約も中小企業にとっては実務上のボトルネックになります。Free プランは複数名利用でブロック上限がかかり、ファイルアップロードが 1 ファイル 5 MB まで、ゲスト共有も 10 名までと限定されます。Plus プラン (1,650 円/ユーザー/月) へ上げてようやくブロック無制限・ファイル 5GB・ページ履歴 30 日に拡張されますが、ページ履歴 90 日や AI エージェントを使うには Business プラン (3,150 円/ユーザー/月) が必要です。Lark Base は Starter プラン (50 名まで無料) の段階でファイル / レコード上限が業務 DB 用途で十分に確保されており、料金プランによる機能制約が中小企業の業務利用で問題になりにくい構造です。
| 観点 | Notion | Lark Base |
|---|---|---|
| 中核データモデル | ページ + ブロック (階層) | テーブル + リレーション |
| 1 レコード ≒ | 1 ページ (自由レイアウト) | 1 行 (構造化フィールド) |
| テーブル間リレーション | Relation プロパティで実装 | Link + Lookup + Rollup で標準対応 |
| 数式 / 関数 | 独自記法 (英語ベース) | Excel に近い記法 (IF / SUMIFS / VLOOKUP 互換) |
| ビュー種類 | テーブル / カンバン / カレンダー / リスト / タイムライン / ギャラリー | テーブル / カンバン / カレンダー / ガント / フォーム / ダッシュボード |
| 得意領域 | ドキュメント・ナレッジ・形が決まっていない情報 | 業務 DB・受発注・案件管理・在庫・売上集計 |
観点② 料金 — Notion Plus 1,650 円 vs Lark Starter 無料 / Pro 1,420 円
料金は中小企業の意思決定で最もシビアな観点です。2026 年 5 月時点の各社公開料金は以下の通りです (料金は変動するため最新は公式をご確認ください)。
| プラン | 月額 (ユーザー単価・税抜) | 主な制限 |
|---|---|---|
| Notion Free | 0 円 | 個人利用は無制限・複数名利用はブロック上限あり / ファイル 5MB / ゲスト 10 名 / 履歴 7 日 |
| Notion Plus | 1,650 円 | ブロック無制限・ファイル 5GB・履歴 30 日・AI 制限あり |
| Notion Business | 3,150 円 | 履歴 90 日・AI エージェント / ミーティングノート対応 |
| Lark Starter (無料) | 0 円 | 50 名まで・Base / チャット / 会議 / Docs / カレンダー / 承認 / タスク等を含む |
| Lark Pro | 1,420 円 | 500 名まで・容量増加・高度な管理機能 |
注意すべきは、Notion の Free プランは複数名でブロック上限がかかるため、業務利用では実質的に Plus (1,650 円) からのスタートになる点です。一方 Lark は50 名まで Starter プランで業務 DB・チャット・会議・ドキュメント・承認まで含めて無料で使えるため、30 名規模の中小企業では「Lark Starter で全社展開し、機能が足りなくなった部分だけ Pro を契約」という段階導入が成立します。料金面の差は次節のコスト試算で具体的に見ます。
観点③ コラボレーション機能 — チャット・会議・カレンダーの有無
Notion はドキュメント中心ツールであり、チャット機能・ビデオ会議機能・カレンダー (個人スケジュール) を持ちません。コラボレーションはページコメント・メンション通知が中心で、リアルタイムの議論や会議は Slack / Microsoft Teams / Zoom / Google Calendar など別ツールとの併用が前提です。Notion AI を使ったミーティングノート機能は登場しましたが、これは会議の文字起こし・要約機能であり、会議そのものを Notion 内で実施するわけではありません。
Lark はチャット・ビデオ会議 (最大 1,000 名)・カレンダー・タスク・承認ワークフロー・Wiki・メール・OKR・AI までを 1 つのアプリに統合しています。Lark Base のレコードを Lark チャットに貼り付けると、レコードのリンクプレビュー + 編集権限付きで共有でき、チャット内で「この受注の納期を今週金曜に変更」とやり取りしてその場で Base 更新まで完結します。Slack / Notion / Google Calendar / Zoom を組み合わせて再現する場合と比べ、コンテキストスイッチが構造的に減ります。Slack と Lark の比較の詳細は Lark と Slack の違いを徹底比較【2026年版】 も参照してください。
📍 ここまで読んで判断しきれない方へ: 自社の業務 (受発注 / 案件管理 / ナレッジ管理 等) を伺った上で、Notion 継続・Lark Base 移行・両方併用 のどれが最適か、その場で具体的に見立てます。
既に Notion を 1 年以上使っているケース・社員数 10〜50 名のケース・Excel と Notion を併用しているケースに特に多い相談です。
観点④ AI 連携 — Notion AI vs Lark AI
AI 機能は両社の差別化競争が最も激しい領域です。Notion AI はページ・ドキュメント生成の質に強みがあり、議事録の自動要約・既存ページからの関連情報抽出 (エンタープライズサーチ)・AI エージェントによるタスク実行 (Business プラン以上) が特徴です。Lark AI は Lark Base のデータ要約・自動入力・チャット要約・翻訳・ドキュメント生成に統合され、業務 DB と AI の連携がしやすい設計です。
注意点として、AI ツール選定そのものよりも「自社業務でどんなユースケースを実現するか」の方が成果を決定づけます。Salesforce「中堅・中小企業向けトレンドレポート」第 6 版 (2024 年 8〜9 月実施、26 カ国 3,350 名対象、日本版含む) では、AI を導入した日本の中堅・中小企業の 88% が収益増と回答していますが、同調査では「具体的ユースケースが定まっていない AI 導入」が成果を出していないパターンも報告されています。Notion / Lark どちらを選ぶにせよ、Day 1-30 で業務可視化を完了してから AI ユースケースを定義する順序が中小企業の DX 成功パターンです。
観点⑤ 学習曲線 — Excel ユーザー視点での移行ハードル
中小企業の現場担当者の大半は Excel を中心に業務を組み立てています。新しい業務 DB ツールを導入するときに最大のボトルネックになるのは「数式・関数を覚え直すコスト」です。
Notion DB の数式は独自記法で、Excel と異なる構文・関数名を覚える必要があります。例えば Excel の IF(A1>100,"OK","NG") は Notion DB では if(prop("A") > 100, "OK", "NG") と書きます。プロパティ参照 prop("A") の概念が独特で、英語ベースのドキュメントを読む必要があるため、現場担当者が独力で組むのはハードルが高い構造です。
Lark Base の数式は Excel に近い記法で、IF([A]>100,"OK","NG") のように書けます。SUMIFS・COUNTIFS・VLOOKUP に相当する処理も Excel の感覚で記述でき、現場担当者が新しい関数名をゼロから覚える必要はほぼありません。これは Excel から業務 DB に移行するときの心理的ハードルを大きく下げる差別化要因です。Excel から Lark Base への移行手順の詳細は Lark Base 脱 Excel 30 日チャレンジ で 30 個の主要関数の置き換え方法を含めて解説しています。
30 名規模の典型コスト試算 — Notion フル運用 vs Lark 集約
料金の差は単一プランの差だけでなく、「ツールを集約できるか」によって大きく変わります。中小企業の現実的なコスト試算を、30 名規模で比較してみます。
パターン A: Notion + 周辺 SaaS 構成 (典型的な Notion 全社展開ケース)
Notion は「ナレッジ + 業務 DB」の中核として導入する場合、チャット・会議・カレンダーは別ツールが必須になります。30 名規模の典型構成は以下の通りです。
| ツール | 用途 | 月額 (30 名・税抜) |
|---|---|---|
| Notion Plus | ナレッジ + 業務 DB | 49,500 円 (1,650 円 × 30) |
| Slack Pro | チャット | 31,500 円 (1,050 円 × 30、年払い) |
| Google Workspace Business Standard | メール + カレンダー + ドライブ | 54,000 円 (1,800 円 × 30) |
| Zoom Pro | ビデオ会議 | 61,800 円 (2,060 円 × 30) |
| 合計 | 196,800 円 / 月 (年 236 万円) |
パターン B: Lark に集約 (業務 DB + 全コラボツールを 1 つに)
Lark Base を中核に据えて全社を Lark に集約する場合、30 名規模では Starter プランで全機能をカバーできるため初期費用は実質ゼロです。Pro プランへ移行した場合でも、追加 SaaS が不要なため総額は次のようになります。
| ツール | 用途 | 月額 (30 名・税抜) |
|---|---|---|
| Lark Starter (50 名まで無料) | 業務 DB + チャット + 会議 + カレンダー + Docs + 承認 + タスク | 0 円 |
| あるいは Lark Pro (より大容量・高度な管理機能が必要な場合) | 同上 | 42,600 円 (1,420 円 × 30) |
| 合計 | 0 円 〜 42,600 円 / 月 (年 0 〜 51 万円) |
差額は年間 185 万円〜236 万円に達します。これは中小企業にとって、年に新入社員 1〜2 名分の人件費に相当します。さらに見落とされやすいのが「ツール間の往復によって失われる時間」です。Slack でチャット → Notion で議事録 → Google Calendar で日程 → Zoom で会議、という業務フローでは、ツール切替によるコンテキストスイッチで 1 人あたり毎日 30〜60 分が失われています。30 名なら毎日 15〜30 時間、月 300〜600 時間が「ツール間の往復」だけで消えている計算です。kintone との比較における同様のコスト構造は Lark vs kintone どっちを選ぶべきか【中小企業向け徹底比較】 でも詳しく解説しています。
自社で両方使った経験から見える違い — 240h→24h の実証
当社 (アウフヘーベンジャパン株式会社) は群馬・前橋を拠点に自社 EC 事業を運営しており、業務を Lark に集約した結果、月 240 時間かかっていた業務を 24 時間 (-90%) まで圧縮することに成功しています。集約前は、業務データを Excel で管理し、コミュニケーションを Chatwork で行い、社内ナレッジを Notion でサブ運用し、納期を別のカレンダーアプリで管理する、という典型的な「複数ツール併用」構成でした。これを Lark Base 中心に再設計し、Notion の Wiki コンテンツも Lark Wiki に全移行したことで、以下の構造的な改善が起きました。
- 転記作業の構造的ゼロ化: 受注データを 1 度入力すれば、案件管理ボード・売上ダッシュボード・カレンダー (納期表示)・承認フローまで自動連動。Excel と他ツールへの転記が消滅
- コンテキストスイッチの削減: チャット → 業務 DB → 承認 → 議事録 → 会議 がすべて Lark 内で完結し、アプリ間の切替時間がゼロに
- 意思決定リードタイムの短縮: 経営者がスマホで Lark Base のダッシュボードを開けば当月実績がリアルタイムで見え、月次決算を待たず即時判断が可能に
- 夜間バッチ・週次集計が不要に: 営業時間中のリアルタイム集計で代替できるため、別ツール間のデータ連携バッチを設計する必要がなくなった
この実証経験から言えるのは、「業務 DB を中核に据える」という選択が中小企業の業務改善で最大のレバレッジを持つということです。Notion を中核に据えた場合、ドキュメントとナレッジの整理は進みますが、業務データの集計と意思決定リードタイム短縮の効果は限定的です。中小企業の DX で最初に手を付けるべきは「業務 DB の集約」であり、その用途では Lark Base の設計思想が圧倒的に強いというのが、両方を業務で使ってきた当社の結論です。
当社は ByteDance 社の公式機関ではなく、独立した第三者コンサルティング事業者です。kintone・Microsoft Teams・Google Workspace 等の主要ツールについては公式仕様と顧客現場での運用実態を踏まえつつ、Notion については当社が社内 Wiki として実際にサブ運用していた経験と、その後 Notion の全コンテンツを Lark Wiki に移行完了した実体験から、自社で本気で実証してきた Lark / Lark Base を中心に推奨しています (当社代表は Lark Partner CSM Certificate を 2026 年 6 月に取得予定)。中小企業 DX の進め方全体については 中小企業 DX 進め方 90 日ロードマップ で、Day 1〜Day 90 で何をすべきかを 5 KPI とともに整理しています。
Notion を選ぶべきパターン / Lark Base を選ぶべきパターン
ここまでの比較を踏まえ、Notion と Lark Base のどちらを選ぶべきかを業務パターン別に整理します。重複する判断項目を避け、明確な分岐基準として提示します。
Notion を選ぶべきパターン
- ナレッジマネジメントが業務の中核: 採用面談記録・契約書管理・社内 Wiki・プロジェクト振り返り資料の蓄積が経営の競争力源泉になっている (例: コンサルティング会社、知識集約型サービス業)
- エンジニア組織が中心: 開発者が大半で、Markdown 文化・テンプレート文化が既に定着している
- 業務 DB の必要性が低い: 受発注・在庫・案件管理など Excel 中心の業務が少なく、ナレッジとプロジェクト管理が業務の大半
- 既に Notion を 2 年以上使っている: 蓄積されたページ資産が膨大で、移行コストが導入メリットを上回る
- 外部コラボレーション (取引先・フリーランス) が頻繁: Notion のゲスト共有機能が業務フローに組み込まれている
Lark Base を選ぶべきパターン
- 業務 DB が業務の中核: 受発注・案件管理・在庫管理・売上集計・進捗管理など Excel に散在する業務データの集約が DX の中心課題 (例: 製造業・卸売業・サービス業・EC 事業)
- SaaS が乱立している: Slack + Notion + Google Workspace + Zoom + Asana など複数 SaaS を併用し、月額が肥大化している
- 30 名前後の規模: Lark Starter (50 名まで無料) で全機能をカバーでき、コスト面で圧倒的に有利
- 経営者がリアルタイム経営判断を求めている: 月次決算を待たず、当日・当週単位で売上・粗利を把握したい
- Excel ユーザーが大半: 現場担当者の大半が Excel で業務を組み立てており、関数記法を覚え直す学習コストを最小化したい
- チャット・会議・カレンダー・ドキュメントも 1 つに集約したい: Slack や Zoom などとの併用ではなく業務 OS 1 本化を目指したい
両方併用するパターン (現実的な選択肢)
「どちらかに統一せず、両方の長所を活かす」選択もあります。例えば、業務 DB は Lark Base、社内 Wiki は Notionという棲み分けは、両ツールの設計思想を踏まえた合理的な構成です。ただし、注意点として、2 ツールに分散させるとユーザー認証・通知・検索が二重化し、現場の認知負荷が上がります。中小企業の規模 (10〜50 名) では、片方に集約した方が運用負荷の総和は下がるケースの方が多いというのが当社の経験則です。両方併用が成立しやすいのは、エンジニア組織と業務部門が明確に分かれている 100 名超の中堅企業以降です。
Notion → Lark Base 移行 30 日プラン
Notion を既に使っていて Lark Base への移行を検討する場合、30 日で業務 DB を移し、ドキュメントは段階移行するのが現実的な進め方です。Notion を急に全廃するのではなく、「業務 DB は Lark Base へ即時移行 → Notion はドキュメントとして残し、徐々に Lark Docs / Lark Wiki に置き換える」というハイブリッドプランです。
Day 1-7: 業務 DB の棚卸し + Lark テナント開設
- Notion 内のデータベースをすべて列挙し、「業務 DB として使っているもの」「ナレッジページとして使っているもの」を分類
- 業務 DB に該当するもの (受発注・案件・在庫・売上・タスク管理など) をリストアップ → 移行優先順位を設定
- Lark Starter プラン (50 名まで無料) でテナント開設 → 経営層 + 情シス + 移行対象部署 (5〜10 名) を先行登録
- Lark Base に「移行プロジェクト」用の Base を作成 → 移行対象テーブルの設計を着手
Day 8-14: CSV エクスポート → Lark Base インポート + フィールド再設計
- Notion DB を 1 つずつ CSV エクスポート (Notion 公式の Export 機能で対応)
- Lark Base に CSV インポート (Lark Base 公式の Import 機能で 1 クリック)
- インポート後、Notion 独自のフィールドタイプ (Relation・Rollup・Formula) を Lark Base の Link・Lookup・Rollup・数式フィールドに置き換え
- テーブル間のリレーション (顧客マスタ ↔ 受注・案件 ↔ タスク など) を Link フィールドで再構築
- 業務フローに合わせてビュー (テーブル / カンバン / カレンダー / ガント / フォーム / ダッシュボード) を設定
Day 15-21: 並行運用 + 現場フィードバック反映
- Notion と Lark Base の両方に同じデータを入力する並行運用を開始 (1 週間程度)
- 現場担当者が Lark Base を使うときの違和感・ボトルネックを洗い出し → ビュー設計・フィールド名・自動化フローを調整
- 承認ワークフロー (見積承認・発注承認など) を Lark の標準承認機能に再構築
- カレンダー (納期・案件スケジュール) を Lark カレンダーに連携 → Lark Base レコードから直接イベント化
Day 22-30: Notion 業務 DB の読み取り専用化 + ドキュメント段階移行
- 並行運用で Lark Base 側に問題がないことを確認 → Notion DB を読み取り専用化し、業務利用を停止
- Notion 内の純粋なドキュメント (社内 Wiki・議事録・プロジェクトメモ) は段階的に Lark Docs / Lark Wiki に移行。急がず 3〜6 ヶ月かけて移していく
- 移行完了後、Notion の契約を Free に戻すか、ドキュメント参照用として最小プラン (Plus 数ライセンスのみ) に縮小
- 30 日終了時点で、Lark Base + Lark スイートが業務の中核として動いている状態を達成
このプランの肝は、「業務 DB を先に移し、ドキュメントは後でゆっくり移す」順序です。逆順 (ドキュメントから移す) で進めると、Notion の蓄積資産の大きさに圧倒されて移行が頓挫しやすくなります。中小企業 DX 全般の失敗パターン (失敗率 64% の落とし穴回避) については 中小企業 DX 進め方 90 日ロードマップ を併読してください。
中小企業 DX の現実 — 数字で見る Notion / Lark Base 選定の重要性
結論を支える公的データを引用しておきます。第一に、中小企業庁「2024 年版中小企業白書」では、デジタル化を経営に組み込めている中小企業の割合が依然として限定的であり、「業務 DB の整備」が DX の最初の関門と整理されています。同白書のデジタル化進度に関するデータでは、中小企業全体での本格的な DX 実施率は 1 桁台にとどまる水準で、ツールを入れても業務改善まで届かない企業が大半という構造が確認されています。第二に、株式会社 Gron が経済産業省・中小企業庁の公開資料と支援現場データを組み合わせて推計した 2026 年版レポートでは、中小企業の DX 失敗率は約 64%とされ、失敗パターンの上位に「ツール選定の誤り」と「業務 DB を整備せず可視化ツールから入る」が挙げられています (Gron 推計値は二次推計のため、絶対値ではなく「失敗パターンの構造」として捉えてください)。
これらのデータが示すのは、Notion と Lark Base のような業務ツール選定の精度が、その後の DX 成否を大きく左右するという事実です。「とりあえず流行っているから Notion」「営業に勧められたから Lark」という選び方ではなく、自社の業務構造を棚卸しした上で「業務 DB を中核に据えるか、ドキュメントを中核に据えるか」を見極めることが、失敗率 64% の中に入らないための最初の防衛線になります。さらに Salesforce「中堅・中小企業向けトレンドレポート」第 6 版 (2024 年 8〜9 月実施、26 カ国 3,350 名対象) が示すように、AI を導入した日本の中堅・中小企業の 88% は収益増を実現しています。Notion / Lark どちらを選ぶにせよ、AI を載せる土台となる業務 DB の選定を間違えないことが、AI 時代の中小企業 DX の出発点です。
よくある質問 (Notion vs Lark Base)
Q1. Notion と Lark Base はどちらが中小企業向けですか?
用途で答えが分かれます。業務 DB (受発注・案件・在庫など) を中核に据えるなら Lark Base、ナレッジマネジメント (社内 Wiki・議事録) を中核に据えるなら Notionが向いています。中小企業の多くは業務 DB の必要性が圧倒的に高いため、ツールを 1 つだけ選ぶなら Lark Base + Lark (チャット・会議・カレンダー込み) を推奨することが多いです。
Q2. Notion の月額料金はいくらですか?
Notion 公式 (2026 年 5 月時点) によれば、Free プランは 0 円 (個人利用は無制限、複数名利用ではブロック上限あり)、Plus プランは 1 ユーザーあたり月 1,650 円、Business プランは 3,150 円、Enterprise はカスタム料金です。Plus 以上は年払い前提の表示価格となります。詳細は Notion 公式料金ページでご確認ください。
Q3. Lark Base は本当に 50 名まで無料で使えますか?
はい、Lark 公式料金ページ (2026 年 5 月時点) によれば、Lark Starter プランは 50 名まで Lark Base・チャット・ビデオ会議・ドキュメント・カレンダー・承認ワークフローを含む主要機能が無料で利用できます。51 名以上または高度な管理機能・大容量ストレージが必要になった段階で Pro プラン (1 ユーザー月 1,420 円・税抜) へ移行します。
Q4. Notion から Lark Base にデータ移行できますか?
Notion のデータベースは CSV エクスポートに対応しているため、Lark Base に CSV インポートで持ち込めます。ページ階層 (ドキュメント) の移行は Lark Docs への手動コピペが現実的です。本記事の「Notion → Lark Base 移行 30 日プラン」で、業務 DB を先に移し、ドキュメントは段階移行する順序を解説しています。
Q5. Notion AI と Lark AI はどちらが優れていますか?
用途次第です。Notion AI はページ・ドキュメント生成の質に強み、Lark AI は Lark Base のデータ要約・自動入力・チャット要約に強みがあります。Salesforce の調査では AI を導入した日本の中堅・中小企業の 88% が収益増と回答しており、AI ツール選定そのものよりも「自社業務でどのユースケースに使うか」を先に定義することが成果の決定要因と示されています。
Q6. Notion と Lark Base を併用してもよいですか?
併用は可能で、「業務 DB は Lark Base、ナレッジは Notion」という棲み分けは合理的な構成です。ただし、2 ツールに分散すると認証・通知・検索が二重化し、中小企業 (10〜50 名) では運用負荷が増えるケースが多いです。100 名超の中堅企業で部署が明確に分かれている場合は併用が成立しやすくなります。
まとめ — Notion か Lark Base かは「中核に何を据えるか」で決まる
Notion と Lark Base は、表面的には「ページにテーブルを置ける」「テーブルに数式が書ける」など似た機能を持ちますが、根本の設計思想は「ドキュメント中心 vs 業務 DB 中心」という大きな差があります。中小企業の DX において、業務改善で最もレバレッジが効くのは「業務 DB の集約」であり、その用途では Lark Base の設計思想が圧倒的に強いというのが、両ツールを業務で使ってきた当社の結論です。
逆に、社内 Wiki・ナレッジマネジメントが業務の中核であるコンサルティング会社・知識集約型サービス業では、Notion の自由度が引き続き最適解です。両方を併用するハイブリッド構成も成立しますが、中小企業の規模 (10〜50 名) では片方に集約した方が運用負荷の総和は下がります。本記事で示した 5 観点比較・コスト試算・30 日移行プランを、自社の業務構造と照らし合わせる材料として使ってください。
📞 「Notion 継続 vs Lark Base 移行」を 60 分でその場で判断します
「自社の業務構造をどう棚卸しすべきか」「Notion で組んだ業務 DB を Lark Base に移すコスト感」「30 名規模での総額試算」など、本記事を読んだ後で出てくる疑問にその場でお答えします。検討初期段階のお問い合わせも歓迎です。
自社 EC 事業を Lark に集約して月 240h→24h(-90%) を実証した経験から、業種・規模に応じた現実的な進め方をお伝えします。準備物なし・画面共有のみで OK・ご相談内容は秘密保持。
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※ 本サイトは アウフヘーベンジャパン株式会社 が運営しています。Lark は ByteDance Ltd. の登録商標です。Notion は Notion Labs, Inc. の登録商標です。Microsoft、Microsoft Teams、Microsoft 365、Microsoft Excel は Microsoft Corporation の登録商標です。Slack は Slack Technologies, LLC の登録商標です。Google Workspace は Google LLC の登録商標です。Zoom は Zoom Video Communications, Inc. の登録商標です。kintone はサイボウズ株式会社、Asana は Asana, Inc.、Salesforce はセールスフォース・ジャパン株式会社の登録商標です。当社 (アウフヘーベンジャパン株式会社) は、Lark の導入を支援する独立した第三者コンサルティング事業者であり、ByteDance 社・Notion Labs 社の公式機関ではありません。各社とも資本関係・代理店契約はなく、本記事の比較は各社公開情報および当社の自社運用経験に基づく独自の分析です。本記事に記載した数値・プラン情報は執筆時点 (2026 年 5 月) の公開情報に基づいています。最新の正確な情報は必ず Notion 公式料金ページと Lark 公式料金ページでご確認ください。AI 導入による収益増 88% は Salesforce「中堅・中小企業向けトレンドレポート」第 6 版日本語版 (2024 年 8 月 3 日〜9 月 16 日、26 カ国 3,350 名対象)、中小企業 DX の現状については 中小企業庁 2024 年版中小企業白書を一次情報として参照しました。30 名規模の典型コスト試算は当社試算で、各社の公開料金とよくある中小企業の SaaS 構成パターンに基づきますが、プラン・契約条件・キャンペーン適用・既存ライセンス保有状況により実際の月額は変動します。当社自社 EC 事業の月 240h→24h(-90%)は自社運営業務の社内集計値であり、業種・対象業務・既存業務の散らばり具合により再現性は変動します。当社代表は Lark Partner CSM Certificate を 2026 年 6 月に取得予定です。