【2026年最新】デジタル化・AI導入補助金で Lark を導入する完全ガイド — 中小企業が申請から導入完了まで踏むべき7ステップ

デジタル化・AI導入補助金で Lark を導入する完全ガイド - アイキャッチ

「Lark を導入したいが、社内稟議で『補助金は使えないのか』と必ず聞かれる」──これは、群馬・前橋を拠点に中小企業の DX 伴走支援を行っている当社が、Lark 導入を検討する中小企業の経営者から最も多く受ける質問の 1 つです。2026 年度、中小企業庁は「IT 導入補助金」を「デジタル化・AI 導入補助金」へ名称変更し、AI 活用までを明確に視野に入れた制度へとアップデートしました。本記事では、中小企業庁の公式公募要領中小企業基盤整備機構のポータルを一次情報として、Lark / Lark Base を補助金スキームに乗せて導入するための具体的な段取りを、自社 EC 事業を Lark に集約して月 240 時間 → 24 時間(-90%)に到達した実証経験とあわせて解説します。

結論を先に書きます。2026 年度のデジタル化・AI 導入補助金は、Lark を「業務 OS」として導入したい中小企業にとって、検討価値の高い制度です。最大 450 万円・補助率 1/2(条件次第で 4/5)という規模感は、30 名規模の中小企業が初年度に必要な「設計コンサル + 導入支援 + トレーニング」を実質半額〜2 割負担でカバーできる水準です。一方で、補助金には「事務局に登録された IT ツールしか対象にならない」「申請後に発注すると対象外になる」など、知らないと不採択や対象外判定を招く落とし穴も多数あります。本記事で扱う 5 つの申請枠の違い・申請の典型的な落とし穴・90 日導入ロードマップを把握すれば、補助金を使うべきか否かの判断が 60 分の社内会議で着地できます。お急ぎの方はDX コンサルティングサービスのページ、またはお問い合わせフォームから 60 分の無料相談でその場で見立てをお返しします。

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相談内容の例: 申請枠の選び方を整理したい / Lark 集約のコストインパクト試算が欲しい / 採択率を上げる事業計画書の書き方が知りたい / 90 日の導入スケジュールを試算したい 等

✅ この記事でわかること

目次

「デジタル化・AI 導入補助金 2026」とは — 旧 IT 導入補助金からの 3 つの変更点

結論から書きます。「デジタル化・AI 導入補助金 2026」は、従来の IT 導入補助金を土台にしつつ、AI 活用と業務全体のデジタル化に明確に踏み込んだ補助金制度です。中小企業庁の公式公募要領によれば、令和 7 年度補正予算事業から名称変更され、2026 年 3 月 10 日に公募要領が公開されました。中小企業・小規模事業者等の労働生産性向上を目的としており、補助対象は事務局に登録された IT ツール(ソフトウェア・クラウドサービス・ハードウェア等)とその導入支援費用です。

変更点① 名称変更 — 「IT」から「デジタル化・AI」へ

最大の変更点は名称そのものです。「IT 導入補助金」という名前は 2017 年度の創設以来 9 年間使われてきましたが、2026 年度から「デジタル化・AI 導入補助金」に変わりました。これは単なるリブランディングではなく、補助対象の主軸が「IT ツールの導入」から「業務全体のデジタル化と AI 活用」へ移ったことを示すサインです。実務上のインパクトは、AI 機能を内包したサービス(チャット要約・ドキュメント自動翻訳・データ自動入力・予測分析など)を組み込んだ業務改善計画が、より評価されやすくなったという点にあります。

Lark の文脈で言えば、Lark AI(チャット要約・翻訳・Lark Base への自動入力など)を含む業務設計は、名称変更の趣旨に沿った提案として申請事業計画書に書き込みやすくなりました。たとえば「営業の議事録を Lark AI で自動要約し、Lark Base の顧客 DB に自動転記することで、営業担当 1 人あたり月 12 時間の議事録整理工数を 1.2 時間まで圧縮する」というシナリオは、まさにデジタル化と AI 活用の両方を満たす業務改善設計として表現できます。

変更点② 申請枠の整理 — 5 枠体制の継続と複数者連携枠の強化

2026 年度は、通常枠 / インボイス枠(対応類型) / インボイス枠(電子取引類型) / セキュリティ対策推進枠 / 複数者連携デジタル化・AI 導入枠の 5 枠体制が継続されました。複数者連携枠は、商工会・商工会議所や地域 DX 推進機関などが事務局となり、複数の中小企業がまとめて IT ツールを導入する場合に申請する枠で、地域全体での生産性向上を後押しする設計です。

申請枠ごとの細かい補助上限・補助率の違いは次の H2 で表にまとめます。ここでは「自社単独で導入するなら通常枠、インボイス対応で会計・受発注ソフトを入れたいならインボイス枠、サイバーセキュリティを強化したいならセキュリティ対策推進枠、地域の同業他社や系列企業と一緒に DX を進めるなら複数者連携枠」と覚えておけば十分です。多くの中小企業は通常枠かインボイス枠のどちらかが選択肢になります。

変更点③ 申請スケジュール — 春開始の複数次募集

2026 年度の 1 次募集は 2026 年 3 月 30 日 10:00 開始、5 月 12 日 17:00 締切で実施されました。中小企業基盤整備機構の事業スケジュールページによれば、2 次以降の締切も順次公開されており、年間を通じて複数回のチャンスがあります。スケジュール設計の鉄則は「申請の 3 ヶ月前から準備を開始する」ことです。事業計画書・労働生産性向上の数値目標・IT ツールの見積もり・補助対象経費の内訳など、揃えるべき書類は多く、IT ベンダーとの調整も必要なため、思いつきで間に合うスケジュールではありません。

当社が中小企業の DX 伴走支援を行う中で実感するのは、補助金活用に成功する企業ほど「補助金が出るかどうか」を判断材料にしていない、という逆説です。彼らは「Lark / Lark Base で業務をどう変えるか」をまず固め、その施策計画にちょうどフィットする補助金枠を探しに行きます。補助金ありきで業務改善計画を後付けすると、申請書類に説得力が乗らず、結果として採択率が下がります。詳細は中小企業の DX を 90 日で軌道に乗せる実践ロードマップでも触れていますが、補助金は「やりたい施策の資金を補強する手段」であって「やる施策を決める根拠」ではない、というのが当社のスタンスです。

5 つの申請枠で何が最大いくらまで補助されるか — 早見表

結論を先に書きます。30 名規模の中小企業が Lark を業務 OS として導入する場合、通常枠(最大 450 万円)が最有力候補です。会計・受発注・決済をデジタル化したい場合はインボイス枠、サイバーセキュリティ対策が主目的ならセキュリティ対策推進枠が選択肢に入ります。以下に 5 枠を一覧で示します。数値は中小企業庁の制度概要 PDF通常枠 公募要領 PDFを一次情報としています。最新の数値は必ず公式 PDF を確認してください。

申請枠補助上限補助率主な対象
通常枠業務プロセス 1〜3 つ: 5 万〜150 万円
4 つ以上: 150 万〜450 万円
1/2(最低賃金近傍 2/3、小規模事業者は賃上げ要件で 4/5)会計・受発注・決済・人事労務・顧客対応・販売促進など生産性向上に資するソフトウェア
インボイス枠(対応類型)ソフトウェア最大 350 万円
PC/タブレット 最大 10 万円
レジ/券売機 最大 20 万円
50 万円以下 3/4(小規模 4/5)
50 万超〜350 万 2/3
ハード 1/2
インボイス対応の会計・受発注・決済ソフトと付随ハードウェア
インボイス枠(電子取引類型)最大 350 万円大企業 1/2 / 中小企業 2/3受発注システムの商流単位導入
セキュリティ対策推進枠最大 450 万円1/2(賃上げ要件で 4/5)「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」掲載サービス
複数者連携枠連携企業数による(詳細は公募要領)枠ごとに設定商工会・商工会議所等が事務局となる地域連携 DX 案件

通常枠が中小企業 Lark 導入の本命になる理由

30 名規模で Lark を業務 OS として導入する場合、通常枠が本命になる理由は 3 つあります。第一に、Lark の業務カバー範囲が広く、4 つ以上の業務プロセス(社内コミュニケーション・タスク管理・業務 DB・承認ワークフローなど)を一気にデジタル化できるため、150 万〜450 万円の上限が現実的に視野に入ります。第二に、Lark Base による業務 DB 構築は「会計・受発注ソフト」のようなパッケージ製品ではなく業務カスタマイズが本質のため、通常枠の「生産性向上に資するソフトウェア導入」の趣旨に最も親和性が高いです。第三に、インボイス枠は対象がインボイス対応の会計・受発注に絞られるため、業務 OS 構築を主目的にする企業には窓口がやや狭く感じられます。

もちろん、kintone や Notion のような業務 DB 製品でも同じ通常枠で申請可能です。ツール選定の根本的な比較軸についてはLark vs kintone どっちを選ぶべきか【中小企業向け徹底比較】Lark Base が中小企業の業務効率を変える 3 つの理由をあわせて読むと、補助金スキームに乗せる前段階の「自社にとって本当に必要なツールはどれか」が整理できます。

補助率 4/5 の賃上げ要件 — 取れるなら取りに行く価値あり

小規模事業者が賃上げ等の要件を満たすと、通常枠の補助率が 4/5 まで引き上げられます。これは大きいです。たとえば 250 万円の IT ツール導入費用に対して、補助率 1/2 なら自己負担 125 万円ですが、4/5 なら自己負担 50 万円まで圧縮されます。差額の 75 万円は中小企業にとって「翌年の人件費 1 ヶ月分」「設備投資の追加 1 件分」に相当する規模です。賃上げ要件の詳細は公募要領で年度ごとに微調整されるため、自社が該当しそうな場合は通常枠 公募要領 PDFを必ず確認してください。

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Lark / Lark Base を補助金で導入する 3 つの具体シナリオ

結論から書きます。Lark を補助金で導入する場合、業務プロセスの数とデジタル化の深さで 3 つの典型シナリオに整理できます。自社の業務実態がどのシナリオに近いかを見極めると、申請事業計画書の骨格が一気に固まります。なお、Lark / Lark Base そのものが事務局に登録されているか否かは年度・登録 IT ベンダーの動向によって変動するため、最新の登録 IT ツール一覧は必ず中小企業基盤整備機構 公式ポータルのツール検索で確認してください。本記事のシナリオは、登録されている IT ツールを通じて Lark / Lark Base 相当の業務 OS を構築するときの業務設計の典型例です。

シナリオ① 受発注・案件管理の Excel 脱却(通常枠 / 業務プロセス 2〜3 つ)

業務実態: 受発注管理 / 案件管理 / 在庫管理を Excel ファイルで運用しており、Excel ファイルが部署をまたいで共有フォルダに 50〜200 個散在している状態。事務担当者が品名・数量・金額を 3〜5 回転記しており、月末の集計に 1 人あたり 20〜40 時間が消えている。

補助金スキームへの乗せ方: 通常枠で業務プロセス 2〜3 つを対象に申請し、50〜250 万円規模の補助金を狙う設計が現実的です。事業計画書には「受発注 / 案件管理 / 在庫管理の 3 業務プロセスをデジタル化することで、事務担当の集計工数を月 90 時間から 9 時間(-90%)に圧縮する」のように、業務プロセスの数と削減見込み工数を数値で明示します。Excel 脱却の典型的な置換マップは、別記事のLark Base が中小企業の業務効率を変える 3 つの理由で扱っている群馬の製造業の事例(月 78 時間→27 時間)が参考になります。

シナリオ② 業務 OS 全面刷新(通常枠 / 業務プロセス 4 つ以上)

業務実態: 社内コミュニケーション(Slack や Chatwork) / 業務 DB(Excel や別 SaaS) / タスク管理(個別ツールや手書き) / 承認ワークフロー(紙とハンコ) / ファイル共有(共有フォルダや Google Drive) を別々のツールで運用しており、ツール間の手作業連携と SaaS 月額の積み上がりが経営課題化している企業。

補助金スキームへの乗せ方: 通常枠で業務プロセス 4 つ以上を対象に申請し、150〜450 万円規模の補助金を狙えるシナリオです。Lark をチャット・ビデオ会議・ドキュメント・カレンダー・承認ワークフロー・Lark Base の業務 DB として横断的に使うため、デジタル化の深さと業務カバー範囲の広さの両方が説明しやすくなります。事業計画書には「5 つの業務プロセスを 1 つのプラットフォームに集約することで、ツール間の手作業連携を月 60 時間削減し、SaaS 月額を月 12 万円→月 4 万円に圧縮する」のように、工数とコストの両軸で目標を示します。Lark を Slack や Microsoft Teams から切り替える具体的な判断軸はLark vs Microsoft Teams【M365 既契約でも選ぶべき 3 パターン】を参照してください。

シナリオ③ AI 活用での業務再設計(通常枠 + AI 活用の明示)

業務実態: 営業の議事録整理 / 顧客対応メールの一次返信 / レポート資料の作成 / 多言語対応(海外取引や多国籍人材)など、知的労働の繰り返し作業が積み上がっている企業。生成 AI を使ってみたいが、社内に AI 活用の体系がなく、ChatGPT 単体だと業務 DB との連携がしづらく定着しない。

補助金スキームへの乗せ方: 「デジタル化・AI 導入補助金」への名称変更の趣旨を最も活かせるシナリオです。事業計画書には Lark AI(議事録要約・翻訳・Lark Base 自動入力など)を組み込み、AI 活用と業務 DB の連携を一体で設計します。Salesforce の「中堅・中小企業向けトレンドレポート」(第 6 版、2024 年 8〜9 月実施、26 ヶ国 3,350 名対象)によれば、AI を導入した日本の中堅・中小企業の 88% が収益増を回答しており、AI 活用が単なる効率化を超えて売上に貢献し始めていることがデータで示されています。事業計画書にこうした公的調査を引用すると、審査側にも AI 活用の合理性が伝わりやすくなります。

採択率を下げる 5 つの典型的な落とし穴

結論から書きます。補助金申請で不採択 / 対象外になる中小企業のうち、その 8 割は事前に防げる典型的なミスを踏んでいます。5 つの落とし穴を順に解説します。いずれも公式公募要領を読み込めば回避できるものですが、申請に慣れていない経営者ほど見落としがちです。

落とし穴① 交付決定前に発注 / 契約してしまう

これは最も多い致命的なミスです。デジタル化・AI 導入補助金は交付決定後にしか発注 / 契約 / 支払いができません。申請前 / 採択発表前 / 交付決定前にベンダーとの契約を済ませてしまうと、その契約に紐づく経費は補助対象外になります。特に「採択されたら払う」という口約束ベースで先に導入を進めるケースで頻発します。タイムラインは「申請 → 採択 → 交付決定 → 発注 / 契約 → 導入 → 実績報告 → 補助金交付」の順で動かないと、補助金は出ません。

落とし穴② 事業計画書の数値目標が抽象的

「業務効率化を図ります」「DX を推進します」のような抽象表現で事業計画書を書いてしまうケース。審査側は労働生産性向上の具体的な数値目標を見ています。最低限、現状の業務工数 / コストと、IT ツール導入後の工数 / コストを並べた数値表が必要です。たとえば「事務担当 3 名の月次集計工数を 90 時間 → 9 時間に削減」「SaaS 月額を 12 万円 → 4 万円に圧縮」のように、現状値と目標値の差分を明示します。当社の伴走支援でも、事業計画書の数値表を作り直すだけで採択可能性が大きく変わる場面を多く目にしてきました。

落とし穴③ 登録されていない IT ツール / ベンダーを選んでいる

デジタル化・AI 導入補助金は、事務局に登録された IT ツール / IT ベンダーのみが補助対象です。中小企業基盤整備機構 公式ポータルのツール検索で対象を確認せずに、未登録ベンダーと話を進めてしまうと、後から「補助金は使えませんでした」になります。Lark / Lark Base 相当の業務 OS を構築する場合も、登録 IT ベンダー経由で導入支援を受ける形が補助金スキームの前提です。当社のような伴走コンサルが介入する場合も、補助金を使うなら必ず登録 IT ベンダーとの連携前提でスケジュールを組み直します。

落とし穴④ ハードウェア中心の計画になっている

「とりあえずノート PC を全社員に配って Microsoft 365 を入れる」のような、ハードウェア購入が主目的の計画は通常枠の趣旨に合いません。通常枠は業務プロセスのデジタル化に資するソフトウェア / クラウドサービスが主役です。PC / タブレットを含めたいならインボイス枠(対応類型)の上限 10 万円までしか補助されません。Lark を業務 OS として導入するシナリオなら、ソフトウェア / クラウドサービス中心の計画に整理できるため通常枠の親和性が高いです。

落とし穴⑤ 導入後の運用 / 定着フェーズが書かれていない

事業計画書が「ツールを導入する」までで終わっており、「導入後にどう定着させ、どう数値目標を達成するか」が書かれていないケース。審査側は「導入後の運用設計まで踏み込めているか」を見ています。具体的には、管理者 / 推進担当者の役割定義、社内トレーニングの計画(誰が・いつ・何を)、定着度の測定指標(ログイン率 / 業務 DB の入力件数など)を事業計画書に組み込みます。IPA(情報処理推進機構)の DX 動向調査でも、DX が成功した企業ほど導入後の定着フェーズに人的リソースを割いていることが繰り返し指摘されています。

当社が Lark の伴走支援を行う場合は、導入後の定着フェーズを最初の 90 日のロードマップに織り込んで提示します。詳細は次の H2 で扱いますが、補助金申請の事業計画書を書く時点でこの 90 日ロードマップを並走させると、採択側にも「導入で終わらない計画」だと伝わります。

補助金 + Lark の 90 日導入ロードマップ — 自社 EC 事業で月 240h→24h を実証

結論から書きます。補助金活用と Lark 導入は、90 日のロードマップで設計すると最大の費用対効果が出ます。当社は自社 EC 事業を Lark に集約することで、月 240 時間 → 月 24 時間(-90%)の工数削減を実証しました。この経験から逆算した 90 日ロードマップを、補助金申請のタイミングと組み合わせて以下に整理します。中小企業全般の 90 日 DX ロードマップそのものは中小企業の DX を 90 日で軌道に乗せる実践ロードマップを参照してください。本記事では補助金スキームと連動した版を解説します。

Day -90 〜 -60: 業務可視化と申請準備(申請の 3 ヶ月前)

補助金申請の 3 ヶ月前から動き始めます。やるべきことは 3 つです。① 現状業務工数の棚卸し(部署別 / 業務別の月間工数を最低 2 週間ログを取って把握)、② 業務改善の目標数値設定(削減見込み工数 / コストを業務プロセス単位で算出)、③ 登録 IT ベンダーの選定と概算見積もり取得。この 3 つが固まると、事業計画書の骨格が自動的に決まります。

当社の自社 EC 事業の場合、Lark 導入前の業務工数は月 240 時間でした。その内訳は、注文管理(Excel + メール)月 60 時間、在庫管理(Excel)月 50 時間、顧客対応(チャット + メール)月 70 時間、社内連絡 / 進捗共有(Slack + Excel)月 40 時間、月次レポート(手作業集計)月 20 時間。これを業務ごとに「Excel + 別ツール」から「Lark + Lark Base」へ集約する設計を 90 日かけて実装しました。

Day -60 〜 0: 事業計画書執筆と申請

申請の 2 ヶ月前から事業計画書を執筆します。先述の落とし穴②③⑤を踏まえて、現状値 / 目標値の数値表 / 登録 IT ベンダー名 / 導入後の定着計画を盛り込みます。事業計画書の品質は、社内で 1 人だけで書くより、登録 IT ベンダー + 業務 DX のコンサルが並走するほうが採択可能性が上がります。当社が補助金申請の伴走支援に入る場合は、事業計画書のドラフトを 3 回往復してブラッシュアップする標準フローを取っています。

Day 0 〜 30: 採択 / 交付決定 / Lark 環境構築

採択発表 → 交付決定通知 → Lark テナント開設 → 管理者トレーニング、までを最初の 30 日で進めます。交付決定通知を受け取る前に IT ベンダーとの正式契約 / 発注を済ませてしまうと補助対象外になるため、契約締結のタイミングは慎重に管理します。Lark の場合、最初の 30 日で「組織構造の設定」「権限グループの設計」「主要 5 業務の Lark Base テーブル設計(雛形)」までを完了させると、後続の業務移行がスムーズに進みます。

Day 30 〜 60: 業務 DB 移行と部署横断トレーニング

受発注 / 案件管理 / 顧客 DB / タスク管理 / 承認ワークフローを順次 Lark / Lark Base に移行します。並行して全社員向けの操作トレーニングを実施します(チャット → ドキュメント → Lark Base → 承認の順で 4 セッション)。当社の自社 EC では、この 30 日で受発注業務の Excel ファイル 32 個を Lark Base の 6 テーブルに統合し、注文管理工数を月 60 時間 → 月 8 時間に圧縮しました。

Day 60 〜 90: AI 活用と定着測定

最後の 30 日で、Lark AI を使った業務効率化(議事録要約 / 翻訳 / Lark Base 自動入力)を組み込みます。当社の自社 EC では、海外取引先とのチャット翻訳と Lark Base への自動入力を導入した結果、顧客対応工数を月 70 時間 → 月 7 時間に圧縮できました。定着測定は「全社員のログイン率 95% 以上」「Lark Base への入力件数月 200 件以上」「Slack / Chatwork の使用停止」を指標にしています。

90 日の最終結果は、当社の自社 EC 事業全体で月 240 時間 → 月 24 時間(-90%)。残った 24 時間は「人が判断すべき業務」に集中するための時間です。Gron の 2026 年調査(推計値)では、中小企業の DX 実施率は 4.6%、DX 失敗率は 64% とされており、補助金を使ったとしても、業務改善ロードマップなしに「とりあえずツールを入れる」だけだと失敗するパターンに分類される現実があります。補助金は手段、ロードマップが本体、というスタンスで設計するのが当社の方針です。

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申請を見送るべき 4 つの判断条件と無料枠での PoC 戦略

結論から書きます。補助金を使わずに Lark を導入する判断のほうが合理的な中小企業も実在します。当社は「補助金は手段、ロードマップが本体」というスタンスを取っているため、必要のない申請を勧めることはしません。次の 4 つのいずれかに当てはまるなら、まずは Lark Starter プラン(50 名まで無料)で PoC を回し、効果が出てから本格導入する流れのほうが ROI が出ます。

  • 条件① 従業員 10 名以下で業務プロセスが少ない: 業務プロセスが 1〜2 つしかない場合、通常枠の補助上限の下限(5 万円)に届きにくく、申請書類の準備工数のほうが補助額を上回る可能性があります。
  • 条件② 経営者が補助金申請に専念できる時間がない: 事業計画書の執筆 / 数値根拠の整理 / IT ベンダーとの調整は最低 30〜50 時間を要します。経営者の時間が逼迫しているなら、無料枠で先に効果検証するほうが時間対効果が高いです。
  • 条件③ 業務改善目標が定量化できない: 「業務効率化」「DX 推進」が抽象的な状態で、現状工数すら把握していない場合、まず無料枠で 30 日間使ってみて、削減効果を実測してから補助金申請に進むほうが採択率が上がります。
  • 条件④ 急ぎで 1 ヶ月以内に導入したい: 補助金は申請 → 採択 → 交付決定 → 発注 / 契約の順を踏むため、最短でも 3〜6 ヶ月のリードタイムが必要です。「来月から使い始めたい」場合は、無料枠で立ち上げるしか選択肢はありません。

当社の自社 EC 事業も、最初の 90 日は Lark Starter プラン(無料)で PoC を回しました。効果が確認できた段階で本格運用フェーズに入り、Pro プランへ移行しています。Lark 公式料金ページ(2026 年 5 月時点)によれば、Starter プランは 50 名までチャット・ビデオ会議・Lark Base・ドキュメント・カレンダー・承認ワークフローを含む主要機能が無料で利用できるため、業務改善効果を実測してから補助金活用 + 本格運用に進む流れが現実的です。Lark の各プランの料金体系は料金プランページでも整理しています。

逆に言うと、業務プロセスが 4 つ以上 / 工数の現状値が把握済 / 経営者が DX に専念する時間と意思を持っている、という 3 条件を満たす中小企業は、補助金を活用する経済合理性が高いです。30 名規模で 4 つ以上の業務プロセスをまとめて Lark に集約する場合、補助率 1/2 でも年間 150〜250 万円の自己負担軽減になります。

よくある質問

Q1. 「デジタル化・AI 導入補助金」と従来の「IT 導入補助金」は何が違いますか?

A. 中小企業庁の公式発表(2026 年公募要領)によれば、令和 7 年度補正予算事業から「IT 導入補助金」は「デジタル化・AI 導入補助金」へと名称変更されました。制度の土台は IT 導入補助金を継承しつつ、DX や AI 活用までを明確に打ち出したのが大きな変更点です。申請枠は通常枠 / インボイス枠(対応類型・電子取引類型) / セキュリティ対策推進枠 / 複数者連携デジタル化・AI 導入枠の 5 種類に整理されています。詳細は中小企業庁 公募要領ページを参照してください。

Q2. Lark や Lark Base は補助金の対象になりますか?

A. デジタル化・AI 導入補助金 2026 は、事務局に登録された IT ツール(登録 IT ツール)のみを補助対象としています。Lark / Lark Base 単体ではなく、登録された IT ツールベンダーを経由して導入することが条件です。最新の登録 IT ツール一覧と詳細は中小企業基盤整備機構 公式ポータルのツール検索で確認できます。本記事では Lark を業務 OS として設計するときに補助金スキームに乗せるための実務上の段取りを解説しています。

Q3. 通常枠の補助上限と補助率はいくらですか?

A. 2026 年度通常枠の補助上限は、IT ツールが業務プロセス 1〜3 つの場合は 5 万円〜150 万円、4 つ以上の場合は 150 万円〜450 万円です(最大 450 万円)。補助率は 1/2 が基本で、最低賃金近傍の事業者は 2/3、小規模事業者が賃上げ等の要件を満たすと 4/5 まで引き上げられます。インボイス枠やセキュリティ対策推進枠、複数者連携枠はそれぞれ別の上限・補助率が設定されています。最新の数値は通常枠 公募要領 PDFで必ず確認してください。

Q4. 申請から入金までどれくらいかかりますか?

A. 中小企業基盤整備機構の事業スケジュールページによれば、2026 年度は複数次の締切が設定されています。一般的な流れは「申請 → 採択 → 交付決定 → IT ツール導入 → 事業実績報告 → 補助金交付」で、入金までは交付決定から半年前後を見込んでおくのが現実的です。導入そのものは交付決定後に着手する必要があるため、申請から最初の業務改善効果が出るまでのリードタイムを事前に試算しておくと社内の意思決定がスムーズになります。

Q5. 補助金を使わずに Lark を導入する選択肢もありますか?

A. はい、補助金は手段の 1 つであり、目的ではありません。Lark の Starter プランは 50 名までチャット・ビデオ会議・Lark Base・ドキュメント・カレンダー・承認ワークフローを含む主要機能が無料で使えるため(Lark 公式料金ページ、2026 年 5 月時点)、まずは無料枠で PoC を回し、効果が出てから補助金で本格導入する流れも実務的に成立します。当社の自社 EC 事業も最初は無料枠で月 240 時間を 24 時間(-90%)まで圧縮した後、本格運用フェーズで Pro プランへ移行しました。

次の 60 分で何ができるか

2026 年度のデジタル化・AI 導入補助金は、Lark を業務 OS として導入したい中小企業にとって、検討価値の高い制度です。最大 450 万円の補助上限と、業務プロセス 4 つ以上を一気にデジタル化できる Lark の業務カバー範囲は、相性として良い組み合わせです。一方で、補助金は「申請して採択されたら自動で出る」制度ではなく、業務可視化 → 事業計画書執筆 → 申請 → 採択 → 交付決定 → 導入 → 定着 → 実績報告 → 交付、と一連のロードマップを動かす必要がある中長期プロジェクトです。

当社は群馬・前橋を拠点に、中小企業の Lark 導入と DX 推進の伴走支援を行っているコンサルティング会社です。アウフヘーベンジャパン株式会社という社名は、ヘーゲルの弁証法における Aufheben(止揚)の概念から取っています。対立する要素(既存業務 / 新しいデジタルツール)を、より高次の業務 OS へと統合していく、という意味合いです。本日の 60 分の無料相談でできることは 3 つあります。① 自社の業務工数と申請枠のフィット度を整理する、② Lark / Lark Base での業務 OS 化の見立てを共有する、③ 補助金を使うべきか無料枠で始めるべきかの判断材料を提示する。検討初期段階のお問い合わせも歓迎です。

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関連ページ: Lark 導入支援 / DX コンサルティング / Lark Base 業務システム構築 / 料金プラン / 会社案内

※ 本サイトは アウフヘーベンジャパン株式会社 が運営しています。Lark は ByteDance Ltd. の登録商標です。Microsoft、Microsoft 365、Microsoft Teams、Copilot は Microsoft Corporation の登録商標です。Slack は Slack Technologies, LLC の登録商標です。kintone はサイボウズ株式会社の登録商標です。当社は Lark の導入を支援する独立した第三者コンサルティング事業者であり、ByteDance 社の公式機関ではありません。本記事に記載した補助金制度の数値・スケジュールは執筆時点(2026 年 5 月)の公開情報に基づいています。最新の正確な情報は必ず中小企業庁の公募要領ページ中小企業基盤整備機構の公式ポータルでご確認ください。

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