Microsoft 365 Copilot vs Lark AI – 中小企業の AI ツール選定基準と TCO 比較【2026 年版】

「Microsoft 365 Copilot を導入すべきか、Lark AI に乗り換えるべきか、社内の情シスから判断を求められている」──ここ 1 年、群馬・前橋の経営者と情シス担当から最も多く受けるのがこの相談です。Microsoft 公式によれば Microsoft 365 Copilot Business は年払い ¥3,148/ユーザー/月 (税抜)、2025 年 12 月 1 日〜2026 年 6 月 30 日のキャンペーン期間は新規顧客向けに ¥2,698。一方 Lark Starter は 20 名まで AI 機能込みで無料 (2025 年 3 月のプラン改定後・以前は 50 名)、Pro は ¥1,420/ユーザー/月 (税抜・年払い)。価格構造も AI の埋め込み方も根本的に異なる 2 製品を、中小企業の意思決定者が同じ土俵で比較するための「選定基準と TCO 比較」を本記事にまとめます。

結論を先に言えば、選定は 『既契約環境 × 業務中心領域 × 予算』の 3 軸で決まります。Microsoft 365 全社導入済 + 文書業務中心なら Copilot Business、SaaS バラバラ + 20 名以下なら Lark、業務 DB が中核なら Lark Base + AI──の決定木を、自社 EC 事業で月 240h → 24h(-90%) を実証したアウフヘーベンジャパン株式会社の運用経験から逆算して提示します。お急ぎの方は AI 業務自動化サービス または お問い合わせフォーム から、自社の選定基準を 60 分で見立てる無料相談をご利用ください。

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相談内容の例: Microsoft 365 既契約のままで Copilot を入れるべきか迷っている / Lark の AI 機能で社内の業務がどこまで自動化できるか知りたい / 30 名規模の TCO 試算を社内会議に出したい / 補助金が使える AI ツール構成を知りたい 等

この記事のポイント

  • 料金構造の差: Copilot Business は『Microsoft 365 ライセンス + Copilot 追加課金』の二段構造。Lark は AI が全プランに標準同梱で一段構造
  • 30 名月額: Copilot 構成 ¥121,410/月 vs Lark Pro ¥42,600/月 (年差 ≒ 94 万円)。ただし機能領域が異なるため価格だけで判断しない
  • 強み領域: Copilot は Word・Excel・PowerPoint・Outlook の文書/表計算 AI、Lark は業務 DB (Base)・チャット・会議・Docs の統合 AI
  • 3 軸決定木: 既契約環境 × 業務中心領域 × 予算 で 4 タイプに分類。M365 既契約 + 文書中心 → Copilot、SaaS バラバラ + 20 名以下 → Lark、業務 DB 中核 → Lark Base + AI、並行運用 → 30/60/90 日移行
  • 自社実証: アウフヘーベンジャパンの EC 事業で Lark AI + Base + Workflow を月 240h→24h(-90%) に活用した運用パターンを後半で具体公開
目次

結論:中小企業の AI ツール選定は『3 軸』で 5 分判定できる

Microsoft 365 Copilot と Lark AI の選定は、機能比較表を 100 行眺めるより先に、『既契約環境 × 業務中心領域 × 予算』の 3 軸で粗振り分けすると 5 分で 4 タイプに分類できます。以下が当社の決定木です。

タイプ条件推奨初年度 TCO 目安 (30 名)
A: M365 既契約 + 文書中心Word/Excel/Outlook が業務の主軸Microsoft 365 Copilot Business¥121,410/月 (年 ¥1,456,920)
B: SaaS バラバラ + 20 名以下チャット・カレンダー・DB が分散Lark Starter (無料)¥0/月 (20 名超は Pro)
C: 業務 DB 構築したいkintone/Excel 台帳/Access から脱却したいLark Pro (Base + AI)¥42,600/月 (年 ¥511,200)
D: 並行運用フェーズM365 残しつつ Lark を業務 DB に両者並行 → 90 日で集約¥164,010/月 → 90 日後再判定

本記事ではこの決定木を埋める前提知識として、(1) Copilot の正体、(2) Lark AI の正体、(3) 機能マトリクス徹底比較、(4) TCO シミュレーション、(5) 4 タイプの決定木詳細、(6) 自社 EC 240h→24h 実証ケース、(7) M365 既契約企業の並行運用 90 日、を順に解説します。

Microsoft 365 Copilot の正体 — 2 プランで考える

Microsoft 365 Copilot は実は『Copilot Business』と『Copilot Chat』の 2 プランに分かれます (Microsoft 公式 / 2026 年 5 月時点)。中小企業の意思決定で混乱するのはこの 2 プランの境界線が公式ページで明確に区別されていない点です。以下で機能と料金の差を整理します。

Copilot Business — 年払い ¥3,148 (キャンペーン中 ¥2,698)

Microsoft 365 Copilot Business は、Word・Excel・PowerPoint・Outlook・Teams・Loop・OneNote の各アプリ内で動く有償エディションです。年払い ¥3,148/ユーザー/月 (税抜)、月払いは ¥3,778/ユーザー/月。2025 年 12 月 1 日〜2026 年 6 月 30 日は新規顧客向けキャンペーン価格 ¥2,698/ユーザー/月で提供されています (Microsoft 公式)。利用には対象の Microsoft 365 サブスクリプション (Business Basic ¥899/月、Business Standard ¥1,874/月 等) が別途必要で、Copilot 単体では契約できません。

機能の本丸は 『各アプリ内ペインに常駐する AI アシスタント』。Word では文書下書き・要約・推敲・引用挿入、Excel では数式生成・データ分析・グラフ作成提案、PowerPoint ではスライド自動生成・デザイン提案、Outlook ではメール下書き・要約・会議準備、Teams では会議中の議事録・要約・タスク抽出、を担います。SharePoint・OneDrive 上のテナント内データを『グラウンディングデータ』として参照できるため、社内文書を根拠にしたアウトプットが得られる点が他の汎用 AI との大きな違いです。

Copilot Chat — 無料 (対象 M365 契約者向け)

Copilot Chat は対象の Microsoft 365 サブスクリプション保有者向けに追加料金なしで提供される簡易エディションです。Web データ参照とアップロードファイル参照ができ、Outlook と一部の M365 アプリで基本的な AI チャットを実行できます。各アプリ内に埋め込まれた『編集アシスタント』のような深い機能は Copilot Business 側にあるため、『無料で試したい』『個人の検索用途のみ』であれば Chat、『業務文書の自動化を本気でやる』なら Business、と用途で分かれます。

Copilot Studio — カスタム AI エージェント作成

Copilot Studio は Microsoft 365 Copilot 契約者が利用できる AI エージェント作成プラットフォーム。SharePoint・OneDrive・Teams 上のデータを参照するエージェントをローコードで構築できます。社内の問い合わせ対応・契約書ドラフト生成・営業日報集計など、定型業務を自動化するエージェントを作って Teams や Outlook 上で呼び出せます。利用には別途 Copilot Studio のメッセージパック (有償) または Microsoft 365 Copilot 契約の包含枠が必要で、運用規模に応じた追加課金が発生する構造です。

Lark AI の正体 — 全プランに AI が標準同梱

Lark AI の最大の特徴は、Starter (無料) を含む全プランに AI 機能が標準同梱されている点です。Microsoft 365 + Copilot のように『M365 ライセンス + Copilot 追加課金』の二段構造ではなく、Lark 1 つの月額に AI 機能が組み込まれています。以下が主要 AI 機能と中小企業の活用パターンです。

メッセージ・ドキュメント翻訳 (24 言語対応)

Lark のチャット (メッセンジャー) と Lark Docs では、メッセージ・ドキュメントを 24 言語以上 (Lark 公式) に自動翻訳できます (Lark 公式ヘルプ: メッセージの翻訳機能Lark 公式ヘルプ: ドキュメントの翻訳機能)。海外取引先とのチャットや英語 PDF の要点把握など、グローバル業務がある中小企業で日常的に使える機能です。Microsoft 365 Copilot 単体では翻訳に特化した機能は提供されておらず、外部の翻訳ツールや DeepL 等との併用が必要になります。

会議リアルタイム字幕・翻訳 (日英中 3 言語)

Lark Meetings (会議) では、日本語・英語・中国語の同時音声認識とリアルタイム字幕翻訳をネイティブ機能として提供します (Lark 公式ヘルプ: 同時通訳機能)。海外パートナーとのオンライン会議が頻繁な中小企業で、外部の通訳ツールを使わずに済む点で実用性が高い機能です。Microsoft Teams にもリアルタイム字幕は搭載されていますが、Lark の日英中 3 言語同時運用は中華圏取引のある企業で差別化要因になります。

Base AI クイックフィールド (業務 DB の自動入力)

Lark Base (業務 DB) の 『AI クイックフィールド』は、レコードの他フィールドを入力として AI に渡し、分類・要約・抽出・翻訳の結果を自動でフィールドに書き込む機能です (Lark 公式ヘルプ: Base の AI クイックフィールド)。たとえば問い合わせ内容を入力にカテゴリを自動付与する、議事録から ToDo を自動抽出する、長文の英文契約書を日本語要約する──といった業務を、Lark Base 上で『フィールドを追加するだけ』で実装できます。Microsoft Power Automate + Copilot Studio で同等のことをやろうとすると複数のコンポーネントを跨ぐ設計が必要で、中小企業の情シスにとって構築コストが大きく異なります。

Base オートメーション × AI テキスト生成

Lark Base のオートメーション (ワークフロー) には、『AI を使用してテキストを生成する』アクションが用意されています (Lark 公式ヘルプ: オートメーションで AI を使用してテキストを生成する)。レコードが追加されたタイミングで AI に文章を生成させて Lark Chat に通知する、特定の条件を満たすレコードのみ要約してメール送信する、といった『業務 DB → AI → 通知/メール』の連動が標準機能だけで完結します。Lark Base × Workflow の実装パターンは Lark Base × Workflow で承認フローを自動化する実装ガイド で詳述しています。

Docs AI 編集支援・スマート入力

Lark Docs の編集画面では、続きを書く・要約する・推敲する・箇条書きに変換するといった AI 編集支援が利用できます。さらに『スマート入力』機能で、入力中の文章コンテキストから AI が候補を提案します。文書作成業務が中心の企業でも、Word + Copilot に近い体験が Lark Docs 単体で得られる構造です。

機能マトリクス徹底比較 — 12 項目で対比

機能領域別に Microsoft 365 Copilot Business と Lark AI を 12 項目で対比したのが以下のマトリクスです。◎=ネイティブ機能で強い、○=利用可能、△=部分的・連携要、×=非対応で評価しています。

機能領域Microsoft 365 Copilot BusinessLark AI (Pro 以上)差の影響
Word/Docs 文書作成 AI◎ Word に深く埋め込み◎ Docs AI 編集・スマート入力同等・好みで選ぶ
Excel/表計算 AI◎ 数式生成・データ分析・グラフ提案○ Lark Sheets で関数提案表計算重視なら Copilot
PowerPoint/スライド AI◎ スライド自動生成△ Docs から派生は可能提案資料多用なら Copilot
メール AI 下書き◎ Outlook 統合○ Lark メール下書き支援Outlook 既存運用なら Copilot
チャット AI 要約○ Teams 統合◎ Lark Chat AI 要約・翻訳多言語チャット運用なら Lark
会議リアルタイム字幕・翻訳○ Teams 字幕◎ 日英中 3 言語同時中華圏取引なら Lark 優位
業務 DB の AI 自動入力△ Lists + Power Automate + Copilot Studio 連携要◎ Base AI クイックフィールド業務 DB 中核なら Lark 圧勝
ワークフロー × AI ノード○ Power Automate + Copilot Studio◎ Base オートメーション AI ノードローコード派なら Lark
カスタム AI エージェント◎ Copilot Studio (M365 連携)○ Base + Anycross + WebhookM365 内データ参照なら Copilot
翻訳 (文書/メッセージ)△ 外部ツール併用◎ 24 言語ネイティブグローバル運用なら Lark
テナントデータ参照◎ SharePoint/OneDrive グラウンディング◎ Lark Drive/Base/Wiki既存格納先で選ぶ
料金構造M365 + Copilot の二段AI 込み一段料金20 名以下は Lark Starter 無料

このマトリクスから読み取れる戦略は明確です。Word/Excel/PowerPoint/Outlook の文書業務 AIを最大化したいなら Copilot Business、業務 DB + チャット + 多言語運用 + ローコード AI ワークフローを最大化したいなら Lark AI。両者は同じ AI ツールではなく『異なる業務領域の AI 製品』として捉えるのが正しい判断軸です。

TCO シミュレーション — 10/30/100 名で月額はどう変わるか

機能比較だけでは社内会議で予算決裁を取れないため、3 つの規模で TCO (Total Cost of Ownership) を試算します。前提条件は『年払い・税抜・2026 年 5 月時点の Microsoft 公式と Lark 公式の料金』。Copilot Business は通常価格 ¥3,148 を採用 (キャンペーン期間限定の ¥2,698 は新規顧客の初年度のみのため除外)。Microsoft 365 側は実用最低限の Business Basic (¥899/ユーザー/月) で計算します。

10 名規模: Lark は完全無料、Copilot は月 4 万円

構成内訳月額年額
Microsoft 365 + Copilot Business(¥899 + ¥3,148) × 10 名¥40,470¥485,640
Lark Starter (AI 込み)20 名まで無料¥0¥0
年差¥485,640

10 名以下ならLark Starter (20 名まで全機能無料) で AI 込みのコストはゼロから始められます。20 名未満の小規模スタートアップ・士業事務所・小売店舗にとっては、Copilot との TCO 差は年間 50 万円弱。PoC コストを意識する中小企業にとって、Lark Starter は『失敗しても痛くない選択肢』として圧倒的に優位です。

30 名規模: 年差 ≒ 94 万円、最も判断が分かれる

構成内訳月額年額
Microsoft 365 + Copilot Business(¥899 + ¥3,148) × 30 名¥121,410¥1,456,920
Lark Pro (AI 込み)¥1,420 × 30 名¥42,600¥511,200
年差¥945,720

30 名規模だと年間 TCO の差は 約 94 万円。これは中小企業の経営者にとって『AI 1 製品の費用差』としては大きい数字です。ただし Copilot 側は Word/Excel/PowerPoint/Outlook の文書業務 AI が圧倒的に強いため、文書業務の比重が高い企業 (士業・コンサル・営業中心の組織) では Copilot の方が ROI が高いケースもあります。逆に業務 DB を中核に据えたい・チャットと AI を統合したい企業では Lark の方が ROI が高く、価格差以上のメリットがあります。

100 名規模: 年差 ≒ 315 万円、決裁インパクト最大

構成内訳月額年額
Microsoft 365 + Copilot Business(¥899 + ¥3,148) × 100 名¥404,700¥4,856,400
Lark Pro (AI 込み)¥1,420 × 100 名¥142,000¥1,704,000
年差¥3,152,400

100 名規模では年間 TCO の差は 315 万円超。この金額は中小企業の経営者にとって 1 名分の人件費に相当します。一方で 100 名規模になると Microsoft 365 のメール・カレンダー・SharePoint が業務基盤として深く根付いていることが多く、全社一斉切替の移行コストが現実的でないケースも少なくありません。100 名規模では『並行運用 → 集約』の段階移行が合理的で、後述する 90 日移行プランで実例を解説します。

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試算シートの内容: M365 + Copilot 構成 / Lark Pro 構成 / 並行運用構成 の 3 シナリオ、初年度・3 年累計・補助金適用後の TCO 一覧

中小企業の選定基準 — 4 タイプ決定木の詳細

結論セクションで提示した 4 タイプの決定木を、各タイプの企業特性と落とし穴に踏み込んで解説します。

タイプ A: Microsoft 365 既契約 + 文書業務中心 → Copilot Business

該当する企業: 全社で Microsoft 365 (Business Basic/Standard/Premium) が稼働しており、Word・Excel・PowerPoint・Outlook での文書業務が業務時間の 6 割以上を占める企業。士業・コンサル・大手取引のある営業会社・行政連携の事務職中心組織が典型です。このタイプは Lark への切替コストを払う必要が薄く、Copilot Business で AI を立ち上げるのが移行コスト最小です。落とし穴は『Copilot Chat (無料) で十分かどうかの見極めを省略する』こと。本気で文書業務を AI 化するなら Business、検索代替で十分なら Chat、と用途で切り分けてください。

タイプ B: SaaS バラバラ + 20 名以下 → Lark Starter (無料)

該当する企業: チャットが Slack/LINE WORKS、カレンダーが Google、業務 DB が Excel/スプレッドシート、ファイル共有が Dropbox/Google Drive──のように主要 SaaS が分散している 20 名以下の中小企業。スタートアップ・士業事務所・小売 EC・地域系の卸売など。このタイプは Lark Starter (20 名まで無料・AI 含む) で全業務を 1 つに集約するのが圧倒的に経済合理的です。Lark への業務集約パターンは 中小企業の DX を 90 日で軌道に乗せる実践ロードマップ で解説しています。落とし穴は『21 名を超えた瞬間に Pro プラン (¥1,420/月) が必要になる点を予算計画に入れ忘れる』こと。21 名以降を想定するなら最初から Pro での運用を前提に設計してください。

タイプ C: 業務 DB 構築したい → Lark Pro (Base + AI)

該当する企業: kintone・Excel 台帳・Access・FileMaker などで業務 DB を運用しており、業務 DB を中核に据えた DX を進めたい企業。受発注・案件管理・顧客管理・在庫管理・経費精算などの台帳業務を一元化したい中小企業が典型です。このタイプは Lark Base + AI クイックフィールドの組み合わせが圧倒的に強い。Lark Base は kintone との比較で『Lark Base が中小企業の業務効率を変える 3 つの理由』『Lark vs kintone どっちを選ぶべきか』で詳述しています。落とし穴は『Base の設計を後回しにして AI フィールドを乱用する』こと。Base のテーブル構造とリレーションを先に整えてから AI フィールドを追加するのが正しい順序です。Base 構築の実践は Lark Base のガントチャートで案件・工程管理を一元化する完全手順Lark Base 脱 Excel 30 日チャレンジ を参考にしてください。

タイプ D: 並行運用フェーズ → 30/60/90 日で集約判断

該当する企業: Microsoft 365 を全社契約しているが、Teams が一部部署でしか使われていない・業務 DB が機能していない・チャットが Slack/LINE WORKS と分散している企業。50 名〜200 名規模の卸売・製造・サービス業に多いパターン。このタイプは M365 を残しつつ Lark を『業務 DB + チャット + AI』のレイヤーとして並行運用するのが現実解です。Day 1-30 で Lark を業務 DB と社内チャットに導入、Day 31-60 で重要業務 (受発注・経費精算・案件進捗) を Lark に集約、Day 61-90 で TCO とユーザー満足度を測定して『Lark に寄せるか、M365 に戻すか、両者並行を継続するか』を判断するのが当社のおすすめする 90 日移行プランです。

自社事例 — Lark AI を使った月 240h→24h(-90%) の運用パターン

アウフヘーベンジャパン株式会社 (群馬・前橋拠点) は自社 EC 事業の運営を Lark に集約し、運営工数を月 240 時間 → 24 時間 (-90%) に圧縮しました。AI 部分の貢献を中心に、具体的な運用パターンを開示します。

パターン 1: 問い合わせ自動分類 (Base AI クイックフィールド)

EC の顧客問い合わせを Lark Base の『問い合わせ管理テーブル』に集約し、内容フィールドに対してAI クイックフィールドで『カテゴリ自動分類』『緊急度判定』『要約』を 3 列同時に走らせています。担当者は内容を全文読まずに『カテゴリ + 緊急度 + 要約』だけで初動を判断でき、初動時間が 1 件平均 5 分 → 30 秒に短縮。月 200 件の問い合わせで約 15 時間の工数削減を実現しました。

パターン 2: 仕入承認の AI 要約 + 通知連動 (Base オートメーション)

仕入承認のフローでは、申請内容 (仕入先・金額・納期・商品仕様) を Lark Base のレコードとして登録し、オートメーションの『AI を使用してテキストを生成する』ノードで承認者向けの要約文を自動生成。生成された要約を Lark Chat に通知することで、承認者がモバイルから 30 秒で意思決定できる体制を作りました。Lark Base × Workflow の実装パターンは Lark Base × Workflow で承認フローを自動化する実装ガイド で詳述しています。

パターン 3: 経費精算の AI 抽出 + 自動仕訳 (Base AI クイックフィールド)

経費精算では領収書の写真と用途メモを Lark Base に登録すると、AI クイックフィールドが『勘定科目候補』『摘要文』『按分計算の必要性』を自動推定。経理担当者は AI 推定値をレビューするだけで仕訳が完了する仕組みです。月 80 件の経費精算で約 8 時間の工数削減になっています。

パターン 4: 海外仕入の翻訳・要約 (Docs AI + メッセージ翻訳)

EC の海外仕入で発生する英文メール・契約書ドラフト・商品仕様書は、Lark のメッセージ翻訳と Docs AI 編集支援で要点把握と日本語要約を完結。外部の翻訳ツール (DeepL 等) を併用せずに Lark 1 アプリで処理できるため、業務切替コストが発生しません。AI 業務自動化の全体像は AI 業務自動化で中小企業の収益増 88% を再現する 90 日プラン でも解説しています。

4 パターン合計で月約 35 時間の AI 由来の工数削減を実現しており、これが月 240h → 24h の 90% 削減の中で約 15% を占めています (残りは業務 DB・チャット集約・モバイル運用の効果)。中小企業が『AI で何が変わるのか』を経営判断レベルで定量化するための参考にしてください。

M365 既契約企業の並行運用 90 日プラン

タイプ D『並行運用』に該当する 50〜200 名規模の中小企業向けに、具体的な 90 日移行プランを提示します。当社が M365 既契約のクライアントに推奨している段階移行パターンです。

Day 1-30: Lark を業務 DB と社内チャットに導入

最初の 30 日はLark を『業務 DB レイヤー』として導入します。Microsoft 365 のメール・カレンダー・SharePoint は触らず、Excel 台帳の中で最も負荷が高い 2-3 個を Lark Base に移行し、社内チャットを Lark に切替えます。20 名以下なら Starter (無料) で開始、21 名以上は Pro (¥1,420/月) で年契約。Microsoft 365 全社解約はこの段階では検討しません

Day 31-60: 重要業務 (受発注・経費・案件) を Lark に集約

30 日の運用で Lark Base の操作感に慣れたら、受発注・経費精算・案件進捗の 3 つの基幹業務を Lark Base + Workflow + AI に集約します。AI クイックフィールドで分類・要約・抽出を自動化し、オートメーションで通知・承認連動を組みます。この時点で『従業員 1 人あたり Lark で完結する業務の割合』を測定 (例: 60% が目標)。

Day 61-90: TCO 測定 + 集約判断

Day 60 時点での KPI を測定し、Day 90 で集約判断を行います。判断基準は (1) Lark で完結する業務割合が 70% を超えたか、(2) 従業員満足度が 70% を超えたか、(3) Microsoft 365 を解約した場合の TCO 削減効果が年間 300 万円を超えるか──の 3 つ。3 つすべて満たせば Microsoft 365 ライセンスのダウングレード (Business Premium → Basic、または部分解約) を実行し、Lark に重心を移します。1 つでも未達なら並行運用を 90 日延長して再評価する 3 ヶ月サイクルが現実的です。

価格だけで判断しない — ROI と隠れコスト

機能マトリクスと TCO だけで判断すると見落とすのが『隠れコスト』と『ROI 領域差』です。中小企業の意思決定では以下 4 項目を必ず加味してください。

  • 切替コスト: 既存 Microsoft 365 全社運用からの切替は、教育・業務再設計・データ移行で従業員 1 人あたり 5-20 時間の初期投資が発生します。30 名なら 150-600 時間。新規導入 (まだ M365 が浅い企業) なら少なく済みます。
  • セキュリティ統制コスト: Microsoft 365 既存の Active Directory/Entra ID 統合・Microsoft Purview による情報保護を Lark に再設計する場合、情シスに大きな負荷が発生します。Lark 側にも SSO/SAML・テナント保護機能はありますが、既存の統制基盤を活かせるかどうかが TCO に大きく効きます。
  • 運用定着コスト: AI ツールは『契約しただけ』では効果が出ません。社内ガイドライン策定・利用研修・ユースケース展開で導入 6 ヶ月で社内 100-300 時間の運用投資が必要です。中小企業ではこの工数を社内で確保するか外部委託するかで TCO が大きく変動します。
  • ROI 領域差: Word/Excel/PowerPoint の文書業務が業務時間の 6 割以上を占める企業では Copilot の ROI が高く、業務 DB と業務通知の自動化で工数削減を狙う企業では Lark の ROI が高い。『業務時間がどこに溶けているか』の現状把握を着手前に必ず実施してください。

業務時間の現状把握ができていない状態で AI ツール導入を決めると、『AI を入れたのに工数が減らない』失敗パターンに直結します。これは中小企業の DX 失敗率 64% の構造的原因にも繋がる話で、詳細は 中小企業 DX 失敗率 64% を回避する 5 ステップLark 導入失敗パターン 3 つ で解説しています。

補助金活用 — Lark と Microsoft 365 + Copilot の対応状況

2026 年度は中小企業の AI 導入を支援する補助制度が複数存在します。IT 導入補助金 (通常枠・インボイス枠) や中小企業省力化投資補助金 (デジタル枠) などで、Lark や Microsoft 365 + Copilot の構成が対象になり得ます。

  • Lark は IT 導入補助金の対象 IT ツールとして登録されている類型に含まれることがあり、申請可能ツール条件・申請プロセスは公募要領で要確認
  • Microsoft 365 + Copilot 構成は IT 導入補助金通常枠で対象になり得るが、申請には『IT 導入支援事業者経由』のパートナー要件がある
  • 補助金は申請から採択まで 2-3 ヶ月を要するため、PoC 計画と並行して申請準備を進めるのが効率的

補助金の詳細・申請ステップ・採択後の運用ルールは 2026 年度 デジタル化・AI 導入補助金 完全ガイド で詳述しています。当社は補助金そのものの申請代行は行いませんが、補助金活用を前提とした AI ツール選定とロードマップ設計を伴走しています。

よくある質問 (FAQ)

Q1. Microsoft 365 Copilot と Lark AI、結局どちらが中小企業向けですか?

既に Microsoft 365 を全社導入済で文書業務 (Word・Excel・PowerPoint) が中心なら Microsoft 365 Copilot Business が現実解です。一方、SaaS がバラバラに散らばっている 20 名以下の中小企業や、業務 DB を中心に据えたい企業は Lark AI が圧倒的に向きます。Lark Starter は 20 名まで全機能 (AI 含む) が無料 (2025 年 3 月のプラン改定後・以前は 50 名) で、PoC コストは事実上ゼロから始められます。意思決定の 3 軸は『既契約環境・業務中心領域・予算』で、本記事の決定木を使えば 5 分で判定できます。

Q2. Copilot Business と Copilot Chat の違いは何ですか?

Copilot Business は Word・Excel・PowerPoint・Outlook・Teams・Loop・OneNote の各アプリ内で動く有償エディションで、年払い ¥3,148/ユーザー/月 (税抜・2026 年 5 月時点 Microsoft 公式)、2025 年 12 月 1 日〜2026 年 6 月 30 日の期間は新規顧客向けキャンペーン価格 ¥2,698/ユーザー/月で提供されています。一方 Copilot Chat は対象の Microsoft 365 サブスクリプション保有者向けに追加料金なしで提供され、Web データ参照とアップロードファイル参照の基本機能を持ちますが、各アプリへの深い埋め込みは Copilot Business 側の機能です。

Q3. Lark AI は Starter プランでも使えますか?

はい。Lark Starter (20 名まで無料・2025 年 3 月のプラン改定後・以前は 50 名) でも、メッセージ翻訳・ドキュメント翻訳・会議リアルタイム字幕・Base AI クイックフィールド・Docs AI 編集支援などの主要 AI 機能が利用できます。21 名以上は Pro プラン (¥1,420/ユーザー/月・年払い・税抜・Lark 公式料金ページ) が必要です。Lark の料金には基本的に AI 機能が組み込まれているため、Microsoft 365 Copilot のように『Microsoft 365 ライセンス + Copilot 追加課金』のような二段構造にはなりません。

Q4. 30 名規模で Microsoft 365 Copilot と Lark AI を比較した月額は?

30 名でフル運用した場合、Microsoft 365 Copilot Business は『Microsoft 365 Business Basic ¥899/ユーザー/月 + Copilot Business ¥3,148/ユーザー/月 = ¥4,047/ユーザー/月 × 30 名 = 月 121,410 円』、Lark Pro プラン (AI 機能込み) は『¥1,420/ユーザー/月 × 30 名 = 月 42,600 円』が試算の出発点です。年額差は約 94 万円。ただし Copilot は Word・Excel・PowerPoint への AI 埋め込みが強く、Lark は業務 DB・チャット・会議・Docs の AI 統合が強いため、価格だけで判断せず本記事の機能マトリクスを必ず参照してください。

Q5. Microsoft 365 既契約企業は Lark に切り替えるべきですか?

全社一斉切替は推奨しません。Microsoft 365 全社導入済で Word・Excel・PowerPoint の文書業務が中心の企業は、Copilot Business で AI を立ち上げるのが移行コスト最小です。一方、業務 DB (kintone・Excel 台帳・Access など) と Teams が機能していない・チャットが Slack/LINE WORKS と分散している企業は、Lark を『業務 DB + チャット + AI』のレイヤーとして並行運用するのが現実解です。30 日並行 → 60 日重要業務集約 → 90 日 TCO 確定の 3 フェーズ移行を本記事で詳述しています。

Q6. Copilot Studio と Lark の AI 機能、カスタム AI エージェントはどちらが作りやすいですか?

Copilot Studio は Microsoft 365 Copilot 契約者が利用できる AI エージェント作成プラットフォームで、SharePoint・OneDrive・Outlook・Teams 上のデータを参照するエージェントをローコードで構築できます。Lark 側は Lark Base のオートメーション内『AI を使用してテキストを生成する』ノード・Base AI クイックフィールド・Anycross 連携で同等の業務 AI を組み立てられます。Microsoft 中心の文書・メール業務をエージェント化するなら Copilot Studio、業務 DB を起点に分類・要約・自動入力・通知連動の AI を組むなら Lark Base + AI ノードが作りやすい構造です。

Q7. 日本語の処理精度はどちらが優れていますか?

両者とも 2026 年時点で実務に耐える日本語精度を持っています。Microsoft 365 Copilot は OpenAI GPT-4 系を中核に据え、Word・Excel・Outlook 等の文脈で日本語の文書作成・要約・関数生成に強みがあります。Lark AI は中国語・日本語・英語のマルチ言語処理に強く、会議リアルタイム字幕は日英中 3 言語の同時認識・相互翻訳に対応し、メッセージ・ドキュメントは 24 言語以上の自動翻訳をサポートします (Lark 公式ヘルプセンター)。日本語『単言語』のドキュメント作成精度なら Copilot、グローバルチーム運用や多言語混在のチャット・会議運用なら Lark に分があります。

Q8. セキュリティ・データ保護の観点ではどう違いますか?

Microsoft 365 Copilot は Microsoft 365 のテナント境界内で動作し、Microsoft Purview による情報保護ラベル・DLP (情報漏洩防止)・eDiscovery が標準連携します。Lark Pro・Enterprise はテナント内データ保護・監査ログ・SSO/SAML・データ保管リージョン選択 (Lark 公式) などのエンタープライズ機能を備えます。両者ともテナントデータが学習データとして他社利用されない方針を公式に掲示しています。実務的には『どちらが安全か』ではなく『社内の情報統治ポリシーに合うのはどちらか』で選定し、特に既存のセキュリティ基盤 (Active Directory・Entra ID・SIEM 等) との連携要件を起点に判断するのが正解です。

Q9. 中小企業の AI ツール導入に補助金は使えますか?

2026 年度の中小企業省力化投資補助金 (デジタル枠) や IT 導入補助金など、AI ツール導入を対象に含む補助制度が複数存在します。詳細は 2026 年度 デジタル化・AI 導入補助金 完全ガイド をご参照ください。Lark は補助金対象 IT ツールとして登録されている類型に含まれることがあり、Microsoft 365 + Copilot 構成も IT 導入補助金の通常枠で対象になり得ます。補助金活用は申請可能ツール条件・申請プロセス・採択後の運用ルールが複雑なため、申請前に必ず最新の公募要領を確認してください。

Q10. 60 分の無料相談では何を相談できますか?

『自社の AI ツール選定基準のたたき台』を 60 分で受け取れます。検討初期段階のお問い合わせも歓迎で、相談だけで導入を強制することはありません。当社アウフヘーベンジャパン株式会社は群馬・前橋を拠点に、自社 EC 事業で月 240 時間 → 24 時間 (-90%) を実証した実体験から、Lark 導入と AI 業務自動化を伴走しています。お問い合わせフォームまたは AI 業務自動化サービスLark 導入支援サービス ページからご相談ください。

まとめ — 5 分で決まる『3 軸決定木』を社内会議で使う

Microsoft 365 Copilot と Lark AI の選定は、機能比較表を 100 行眺めるより、『既契約環境 × 業務中心領域 × 予算』の 3 軸決定木で 5 分判定するのが現実的です。Microsoft 365 全社契約 + 文書業務中心なら Copilot Business、SaaS バラバラ + 20 名以下なら Lark Starter、業務 DB 中核なら Lark Pro、並行運用フェーズなら 90 日移行プラン──の 4 タイプに分類すれば、社内会議の議論が 『機能の優劣論争』から『自社タイプの判定』に切り替わり、意思決定までの時間が大幅に短縮します。

本記事の決定木と TCO 試算をベースに、自社の従業員数・既契約状況・業務中心領域を当てはめてみてください。30/100 名 TCO 試算シート (Excel 形式) と『自社タイプ判定ワークシート』のご提供も含めて、60 分の無料相談で具体的な選定基準を一緒に作れます。お問い合わせフォームまたは AI 業務自動化サービスページ からご相談ください。

🎯 最後までお読みいただきありがとうございました。自社の AI ツール選定基準を 60 分で固めたい方は、無料相談をご利用ください。
提供物: (1) 自社タイプ判定ワークシート、(2) 30/100 名 TCO 試算シート (Excel)、(3) M365 既契約企業の 90 日並行運用プラン雛形、の 3 点をオンラインでご提供します。

本サイトは アウフヘーベンジャパン株式会社 が運営しています。Lark は ByteDance Ltd. の登録商標です。当社は Lark の導入を支援する独立した第三者コンサルティング事業者であり、ByteDance 社の公式機関ではありません。Microsoft、Microsoft 365、Copilot は Microsoft Corporation の米国およびその他の国における登録商標または商標です。本記事の料金・機能情報は 2026 年 5 月時点の Microsoft 公式・Lark 公式の公開情報に基づいています。最新情報は各社公式サイトでご確認ください。

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