「Microsoft 365 や kintone との比較は色々読んだのですが、Google Workspace と Lark を並べた話があまり出てこなくて……」──ここ 2 週間、群馬・前橋のお客さまから最も増えているのがこの相談です。Google Workspace 公式料金ページ(2026 年 6 月確認) によれば、Business Starter ¥800、Business Standard ¥1,600、Business Plus ¥2,500 (税抜・1 ユーザー月額) で、2024 年の価格改定以降の現行水準が続いています。一方、Lark 公式『プラン一覧』では Starter プランが 20 名まで完全無料、Pro プランが ¥1,420/ユーザー/月 (税抜・年払い)、Enterprise プランが ¥1,820/ユーザー/月。30 名規模で並べると Lark Pro は Workspace Business Standard より月 ¥5,400・年 ¥64,800 安く、Starter プランで済む 20 名以下なら年額の差は ¥384,000 (Business Standard 20 名換算) に達します──これが本記事の出発点です。
本記事では、Google Workspace と Lark の公式料金・機能情報を一次ソースとして、5/10/30 名規模の年間コスト試算、Lark Base / Wiki / 承認の 3 本柱が中小企業の業務基盤になぜ効くか、Workspace 既存ユーザー向け乗り換え判断 5 項目、30/60/90 日移行ロードマップまでを、当社アウフヘーベンジャパン株式会社が自社 EC 事業で月 240h → 24h (-90%) を実証した経験から逆算して解説します。読了後には「自社が Lark に移るべきか、Workspace に留まるべきか」「並走するならどう設計するか」が判断できる状態を目指します。お急ぎの方は Lark 導入支援サービス または お問い合わせフォーム から、60 分の無料相談で『自社の Workspace → Lark 移行設計たたき台』をお受け取りください。
📍 結論を急ぐ方へ: 「自社の Google Workspace → Lark 30/60/90 日移行設計たたき台」を 60 分で受け取れます。検討初期段階のお問い合わせも歓迎です。
相談内容の例: Business Standard 30 名で値上げ負担が重い / 全社 Workspace + 第三者承認ツール + Slack の SaaS 重複を整理したい / Lark Base で業務 DB を内製したい / Gmail だけ Workspace で残す並走構成に興味がある 等
📌 この記事でわかること
- Google Workspace と Lark の 2026 年現在の公式料金: Starter / Standard / Plus / Enterprise 各プランの単価とストレージ・ユーザー上限
- 5/10/30 名規模の年間コスト試算: 同じ業務基盤を担わせた場合の月額・年額・3 年合計の比較表
- 機能比較で見える業務基盤の違い: Lark Base / Wiki / 承認が中小企業の SaaS 集約に効く 3 つの理由
- 乗り換え判断基準 5 項目チェックリスト: 自社が「乗り換えるべき」か「留まるべき」かを判断する具体条件
- 30/60/90 日 移行ロードマップ: 並走準備・メイン切替・Workspace 縮退の 3 ステップ実装手順
目次
- なぜ今、Google Workspace と Lark を比較する事業者が増えているのか
- Google Workspace 2026 年現在のプランと料金 (公式情報)
- Lark 2026 年現在のプランと料金 (公式情報)
- 5/10/30 名規模で年間いくら変わるか — コスト試算
- 機能比較 — Lark Base / Wiki / 承認の 3 本柱が中小企業に効く理由
- ストレージ・セキュリティ・AI (Gemini vs Lark AI) の比較
- 乗り換え判断基準 5 項目チェックリスト
- 自社 EC 事例 — 月 240h → 24h (-90%) を実証した Lark 集約
- 30/60/90 日 移行ロードマップ
- よくある質問
1. なぜ今、Google Workspace と Lark を比較する事業者が増えているのか
結論: 2024 年の Workspace 値上げで年負担が +¥86,400 (Standard 30 名換算) になった一方、社内チャット・業務 DB・承認の用途では Workspace 単体で完結しない構造が浮き彫りになったため。SaaS 整理の文脈から Lark への乗り換え検討が増えています。
1-1. Workspace 値上げの実数 (2024 年価格改定)
| プラン | 旧価格 (〜2024/3) | 新価格 (現行) | 差額/月/席 | 30 名 年額差 |
|---|---|---|---|---|
| Business Starter | ¥680 | ¥800 | +¥120 (+17.6%) | +¥43,200 |
| Business Standard | ¥1,360 | ¥1,600 | +¥240 (+17.6%) | +¥86,400 |
| Business Plus | ¥2,040 | ¥2,500 | +¥460 (+22.5%) | +¥165,600 |
30 名で Business Standard を運用している事業者は、業務内容が変わらないのに 年 ¥86,400 の追加負担が発生しました。同時期に Gemini AI が標準同梱されたものの、「社内チャット・業務 DB の用途で Workspace を使ってきた事業者にとっては、値上げ分のリターンが業務効率に直結しない」という声が増えています。
1-2. Workspace 単体で完結しない 3 つの業務領域
- 業務 DB / 案件管理: Google Sheets だけでは受発注台帳・案件管理が破綻するため、kintone / Salesforce / Airtable / Notion を追加導入しがち
- 社内チャット: Google Chat の機能が限定的なため、Slack や Microsoft Teams を併用する事業者が多い
- 承認ワークフロー: Workspace 標準には申請・承認機能がなく、ジョブカン / マネーフォワード / 別 SaaS を追加
結果として、Workspace 30 名 (¥48,000/月) + Slack Pro 30 名 (¥27,750/月、年払い ¥925/席換算) + kintone スタンダード 10 名 (¥18,000/月) + 承認 SaaS で月 10 万円超の SaaS 重複が発生している事業者は珍しくありません。本記事はこの『SaaS 重複の整理先として Lark を検討する文脈』に答えるものです。
2. Google Workspace 2026 年現在のプランと料金 (公式情報)
結論: Business Starter ¥800・Standard ¥1,600・Plus ¥2,500・Enterprise 要問い合わせ。Business 系は最大 300 ユーザー、Enterprise は上限なし。2026 年 6 月時点の公式料金ページ準拠で整理します。
| プラン | 単価/月/ユーザー | ストレージ/ユーザー | 会議参加人数 | AI | ユーザー上限 |
|---|---|---|---|---|---|
| Business Starter | ¥800 | 30GB | 100 名・60 分 | Gmail のみ | 300 名 |
| Business Standard | ¥1,600 | 2TB | 150 名・24h | Gemini 同梱 | 300 名 |
| Business Plus | ¥2,500 | 5TB | 500 名・24h | Gemini 同梱 | 300 名 |
| Enterprise | 要問い合わせ | 5TB+ (相談) | 1,000 名 | Gemini Enterprise | 無制限 |
中小企業が最も選びがちなのは Business Standard ですが、「業務 DB が必要だから AppSheet を別契約」「社内チャットが Google Chat では不足で Slack を別契約」という二重課金の落とし穴がよく見られます。次節で Lark の同価格帯を整理した上で、第 4 節で実数比較します。
3. Lark 2026 年現在のプランと料金 (公式情報)
結論: Starter 0 円 (20 名まで)・Pro ¥1,420・Enterprise ¥1,820。Pro 以上はストレージが全体で 15TB と豊富で、Lark Base / Wiki / 承認 / Calendar / Docs / Chat / 会議が単一プランに含まれる。2025 年 3 月 1 日改定で Starter の上限が 50 名 → 20 名に変更された点に注意が必要です。
| プラン | 単価/月/ユーザー | ユーザー上限 | ストレージ | Base 行数上限/表 | 自動化/月 |
|---|---|---|---|---|---|
| Starter | ¥0 (無料) | 20 名 | 100GB 全体 | 2,000 行 | 1,000 回 |
| Pro | ¥1,420 | 500 名 | 15TB 全体 | 20,000 行 | 50,000 回 |
| Enterprise | ¥1,820 | 無制限 | 15TB+30GB/ユーザー | 50,000 行 | 500,000 回 |
Workspace と決定的に違うのは、1 プランの中に「チャット + 会議 + Docs + Wiki + 業務 DB (Base) + 承認 + カレンダー + タスク管理」が全部含まれる点です。Workspace で同等機能を揃えようとすると Workspace Business Standard + AppSheet + 第三者承認 SaaS + Slack/Teams が必要になる構造で、ここが次節のコスト試算で大きく効いてきます。
4. 5/10/30 名規模で年間いくら変わるか — コスト試算
結論: 20 名以下なら Lark Starter (¥0) が圧倒的優位、30 名規模でも Lark Pro が Workspace Business Standard より年 ¥64,800 安い。SaaS 重複まで含めて計算するとさらに差が広がります。
4-1. 5 名規模 (小規模事業者) の比較
| ツール | プラン | 月額計算 | 月額合計 | 年額合計 |
|---|---|---|---|---|
| Google Workspace | Business Starter | ¥800 × 5 | ¥4,000 | ¥48,000 |
| Google Workspace | Business Standard | ¥1,600 × 5 | ¥8,000 | ¥96,000 |
| Lark Starter | 無料 (20 名まで) | ¥0 | ¥0 | ¥0 |
| Lark Pro | 5 名分 | ¥1,420 × 5 | ¥7,100 | ¥85,200 |
5 名規模では Lark Starter で完全代替可能です。Business Standard 比較で年 ¥96,000 の削減効果。Workspace から Lark Starter に移れば、その分を AI ツール (Claude Pro / ChatGPT Plus) や事業投資に回せます。
4-2. 10 名規模の比較
| ツール | プラン | 月額計算 | 月額合計 | 年額合計 |
|---|---|---|---|---|
| Google Workspace | Business Starter | ¥800 × 10 | ¥8,000 | ¥96,000 |
| Google Workspace | Business Standard | ¥1,600 × 10 | ¥16,000 | ¥192,000 |
| Lark Starter | 無料 (20 名まで) | ¥0 | ¥0 | ¥0 |
| Lark Pro | 10 名分 | ¥1,420 × 10 | ¥14,200 | ¥170,400 |
10 名規模でも Lark Starter プラン内で運用可能なら年 ¥192,000 (Business Standard 比較) の削減効果。Pro プランに上げても Workspace Business Standard より年 ¥21,600 安く済みます。
4-3. 30 名規模 (Starter プラン上限超え) の比較
| ツール | プラン | 月額計算 | 月額合計 | 年額合計 |
|---|---|---|---|---|
| Google Workspace | Business Starter | ¥800 × 30 | ¥24,000 | ¥288,000 |
| Google Workspace | Business Standard | ¥1,600 × 30 | ¥48,000 | ¥576,000 |
| Google Workspace | Business Plus | ¥2,500 × 30 | ¥75,000 | ¥900,000 |
| Lark Pro | 30 名分 | ¥1,420 × 30 | ¥42,600 | ¥511,200 |
| Lark Enterprise | 30 名分 | ¥1,820 × 30 | ¥54,600 | ¥655,200 |
30 名規模では Lark Pro が Workspace Business Standard より月 ¥5,400・年 ¥64,800 安い計算です。さらに重要なのは、Workspace では別契約になる業務 DB (Lark Base)・Wiki・承認・タスク管理が Lark Pro に標準同梱される点で、Slack や kintone との重複コストが削減できます。
4-4. SaaS 重複コストまで含めた『実質負担』比較
実際の中小企業の SaaS 構成は単体ツール契約だけで終わらないため、よくある 30 名規模の重複構成と Lark 一本化を並べます。
| 構成 | 内訳 | 月額 | 年額 |
|---|---|---|---|
| 典型的な Workspace + SaaS 重複構成 | Workspace Standard 30 名 (¥48,000) + Slack Pro 30 名 年払い ¥925/席 (¥27,750) + kintone スタンダード 10 名 (¥18,000) | ¥93,750 | ¥1,125,000 |
| Lark Pro 一本化 | Lark Pro 30 名 (¥42,600) | ¥42,600 | ¥511,200 |
| 差額 | — | -¥51,150/月 | -¥613,800/年 |
同じ業務基盤を担わせた場合、年 ¥613,800 の差になります。これは 30 名規模の中小企業にとって「社員 1 名分の社会保険料相当」に近い金額で、SaaS 集約の経済合理性が明確に出る数字です。詳細は SaaSポカリプス 2026 — 統合型(Lark)移行ガイド も併せてご覧ください。
📍 自社の試算が知りたい方へ: 「現契約 SaaS 一覧 → Lark 一本化試算」を 60 分でお作りします。実数で並べて意思決定したい方向け。
5. 機能比較 — Lark Base / Wiki / 承認の 3 本柱が中小企業に効く理由
結論: Workspace は「メール + Drive + Docs + 会議」の基盤として強い一方、Lark は「業務 DB + Wiki + 承認 + チャット + 会議」を 1 プランで揃える業務基盤として優位。中小企業の業務統合の文脈では Lark の 3 本柱が決定打になります。
| 機能 | Google Workspace Business Standard | Lark Pro | 備考 |
|---|---|---|---|
| メール (独自ドメイン) | ○ Gmail | ○ Lark Mail (Pro 以上) | Gmail の方が成熟・SLA明示 |
| ファイル共有 | ○ Drive 2TB/ユーザー | ○ 15TB 全体 | 用途で要検討 (後述) |
| 共同編集 Docs | ○ Docs / Sheets / Slides | ○ Docs / Sheets | どちらも実用十分 |
| 会議 | ○ Meet 150 名・24h | ○ Lark Meeting 500 名・24h | Lark の方が大規模対応 |
| チャット | △ Google Chat (限定) | ◎ Lark Messenger | Slack 代替として Lark が圧倒 |
| 業務 DB | △ AppSheet 別契約 | ◎ Lark Base 標準 | kintone 代替として Base が中核 |
| Wiki / ナレッジ | △ Sites (簡易) | ◎ Lark Wiki 標準 | Notion 代替として Wiki が機能 |
| 承認ワークフロー | × 別 SaaS 必要 | ◎ Lark Approval 標準 | ジョブカン等代替 |
| タスク管理 | △ Tasks (簡易) | ◎ Lark Task | Asana / Backlog 代替 |
| AI | ◎ Gemini 同梱 | ○ Lark AI | Gemini が業界トップ |
5-1. Lark Base — 「Google Sheets + AppSheet + kintone」を 1 つに集約する業務 DB
Workspace ユーザーが Google Sheets で受発注台帳・案件管理を運用していると、200 行を超えたあたりから関数地獄・複数人同時編集の競合・参照リンク切れが発生します。これを解決するために AppSheet を追加契約するか、kintone / Airtable / Notion を別途導入するのが定番ですが、その瞬間に SaaS 重複が始まります。
Lark Base は「Excel の見た目」+「リレーショナル DB の構造」+「自動化 + 承認連携」を 1 つに統合した業務 DB で、Pro プランで 1 表 20,000 行・自動化月 50,000 回まで使えます。当社の自社 EC 事業では受発注 / 在庫 / 顧客 / 経費 / 案件管理を Lark Base 5 表に集約し、月 240 時間の業務工数を 24 時間 (-90%) に圧縮しました。詳細は Lark Base が中小企業の業務効率を変える 3 つの理由 および Lark Base 30 日で Excel を卒業する移行ガイド をご参照ください。
5-2. Lark Wiki — Notion / Confluence の代替として中小企業のナレッジを蓄積
Workspace の Google Sites は社内ポータルとしては機能限定で、Notion や Confluence を追加導入する事業者が多い領域です。Lark Wiki は階層構造・全文検索・権限管理・Docs リンク埋め込みが標準提供され、Pro プランで容量制限なく蓄積できます。「議事録」「業務マニュアル」「規程」「顧客対応 FAQ」を Wiki に集約することで、属人化解消の中核ツールになります。Notion からの移行も Markdown エクスポート/インポートで対応可能で、詳細は Lark vs Notion 中小企業の選定ガイド をご参照ください。
5-3. Lark Approval — ジョブカン等の承認 SaaS を不要にする
Workspace 単体には申請・承認ワークフローが標準で含まれず、ジョブカンや楽楽精算などの第三者 SaaS を別契約するのが一般的です。Lark Approval は稟議・経費精算・有給申請・購買申請を業務カテゴリ別にテンプレ化でき、Base や Calendar との連携でデータ起点の自動承認も組めます。Lark Pro 30 名 (¥42,600/月) に承認機能が含まれることで、ジョブカン Lite やマネーフォワード クラウド経費などの承認系 SaaS を別契約せずに業務基盤内に統合できます (各承認 SaaS の現行料金は各社公式ページをご確認ください)。詳細は Lark Approval × Base 承認フロー実装ガイド をご参照ください。
6. ストレージ・セキュリティ・AI (Gemini vs Lark AI) の比較
結論: ストレージは『ユーザー数次第』で逆転する、セキュリティは両者とも中小企業の要件は満たす、AI は Gemini が汎用性能でリード・Lark AI が業務基盤統合でリード。用途別に整理します。
6-1. ストレージ容量の実数比較
| 規模 | Google Workspace Business Standard (2TB/ユーザー) | Lark Pro (15TB 全体) | 1 ユーザー換算 |
|---|---|---|---|
| 5 名 | 10TB | 15TB | Workspace: 2TB/人 / Lark: 3TB/人 |
| 10 名 | 20TB | 15TB | Workspace: 2TB/人 / Lark: 1.5TB/人 |
| 30 名 | 60TB | 15TB | Workspace: 2TB/人 / Lark: 0.5TB/人 |
| 100 名 | 200TB | 15TB | Workspace: 2TB/人 / Lark: 0.15TB/人 |
ストレージで Workspace が逆転するのは 「動画・大量画像・CAD 図面・3D データ」を業務で扱う場合です。1 名あたり 2TB が業務要件に直結する事業者 (建築設計事務所・映像制作・写真スタジオなど) は Workspace を継続するか、Lark Enterprise + 追加ストレージで設計し直す必要があります。逆に「メール本文・Docs・スプレッドシート・PDF・スマホ画像」が中心の事業者は 15TB 全体で 30 名 5 年運用しても 5TB 未満しか使わないため、Lark Pro で十分です。
6-2. セキュリティ・コンプライアンス
- Google Workspace: ISO 27001 / SOC 2 / GDPR 準拠、Cloud Identity による高度なアイデンティティ管理、Vault による法的開示対応 (Business Plus 以上)
- Lark: ISO 27001 / SOC 2 / SOC 3 / GDPR 準拠、データセンターは シンガポール / 日本など複数リージョン、SSO (Enterprise プラン)、データ保持ポリシー設定
中小企業の通常業務での要件 (10-100 名規模・ISMS 取得もしくは事業継続レベル) は両者とも満たします。Vault による法的 e-discovery が必須な事業者は Workspace Business Plus 以上、SSO + データ保持ポリシーが必須なら Lark Enterprise が現実解です。詳細は将来公開予定の Lark 導入支援サービス 内のセキュリティ設計ガイドをご参照ください。
6-3. AI 機能 — Gemini vs Lark AI
- Gemini (Workspace Business Standard 以上): 汎用 AI モデルの推論性能で業界トップクラス、Gmail / Docs / Sheets / Meet に統合され文章生成・要約・翻訳・データ分析を実行
- Lark AI: 会議の自動議事録 + ToDo 抽出 + Lark Task 自動登録、Lark Docs / Base からの要約生成、多言語チャット翻訳が業務基盤に組み込まれている
「最強の汎用 AI を使いたい」なら Gemini、「業務フローに自然に AI が混ざる」のが必要なら Lark AI、という棲み分けが現実的です。なお Microsoft 365 Copilot との比較は Microsoft 365 Copilot vs Lark AI 中小企業の AI 業務統合 徹底比較 でも詳しく扱っています。
7. 乗り換え判断基準 5 項目チェックリスト
結論: 以下 5 項目のうち 3 つ以上が当てはまる事業者は Lark への乗り換え検討を強く推奨。逆に該当が 2 つ以下なら Workspace 継続が合理的です。
- ① 20 名以下で運用している — Lark Starter (¥0) で完全代替可能。年間 ¥96,000〜¥192,000 のコスト削減
- ② SaaS 重複が 3 つ以上ある — Workspace + Slack/Teams + kintone/Notion/Airtable + 承認 SaaS のいずれかに該当。Lark 一本化で年 ¥40〜100 万円規模の削減
- ③ 業務 DB を内製したい (脱 Excel が次フェーズ) — Lark Base で受発注・案件管理・顧客台帳を集約。AppSheet や kintone の追加契約不要
- ④ ナレッジ蓄積を本気で取り組みたい — Lark Wiki で議事録・マニュアル・FAQ を全社共有。Notion の代替として機能
- ⑤ 申請・承認ワークフローを電子化したい — Lark Approval で稟議・経費・有給を標準テンプレで運用。ジョブカン等の別契約不要
逆に Gmail/Drive を全社業務の生命線として深く使い込んでいる・Gemini を社員全員が日常的に使う計画がある・1 名あたり 2TB 以上のストレージが業務要件に直結する・AppSheet / Cloud Identity に投資済のいずれかに該当する場合は Workspace 継続が合理的です。ハイブリッド構成 (Gmail だけ Workspace に残し、業務基盤は Lark に移す) も有効な選択肢で、次節以降で 30/60/90 日ロードマップとして扱います。
8. 自社 EC 事例 — 月 240h → 24h (-90%) を実証した Lark 集約
結論: アウフヘーベンジャパン株式会社 (運営: lark-dx.jp) の自社 EC 事業で、Workspace + 複数 SaaS の業務構成を Lark に集約し、業務工数を月 240 時間 → 24 時間 (-90%) に圧縮した実例。当社が中小企業の Lark 導入を伴走する根拠データです。
8-1. Before — Workspace + Excel + 個別 SaaS 構成
- 受発注台帳: Google Sheets (1,200 行・5 シート、複数人で同時編集すると競合)
- 在庫管理: Excel (担当者 PC ローカル、毎週手動コピー)
- 顧客管理: Google Sheets + メモ帳
- 経費精算: 紙領収書 + Excel 集計
- 社内チャット: Slack 無料プラン (90 日履歴消失問題)
- 会議録: Google Docs 手動入力
- 承認: メール + 押印
各システムがバラバラで、受注 1 件あたりの処理に「Sheets 入力 → Slack で在庫担当に確認 → Excel 在庫更新 → メールで上長承認 → 出荷指示」と平均 18 分かかっていました。月 800 件の受注で約 240 時間 (= 約 1.5 人月) の業務工数が固定費化していた状態です。
8-2. After — Lark Pro に集約
- 受発注台帳: Lark Base (1 表 1,200 行、複数人同時編集で競合ゼロ)
- 在庫管理: Lark Base 連携テーブル (受注時に自動減算)
- 顧客管理: Lark Base + Lark Docs ナレッジ
- 経費精算: Lark Approval (スマホ写真添付 + 自動仕訳)
- 社内チャット: Lark Messenger (履歴永続)
- 会議録: Lark AI 自動議事録 + ToDo 抽出
- 承認: Lark Approval (Base レコードから自動起票)
同じ受注 1 件の処理が、Base への入力で自動連携が全て発火する設計に変わり、平均 1.8 分に圧縮されました。月 800 件 × 1.8 分 = 約 24 時間 (= 約 0.15 人月)。業務工数 -90%、年間で約 16 人月の余力が生まれ、その時間を Lark 導入支援事業 (本サイト) と新規企画に再投下しています。
8-3. 中小企業に再現可能な要点
- 全社 SaaS を一度に切り替えない: Gmail とメイン Drive ファイルだけ Workspace に残し、業務基盤は Lark に集約するハイブリッドが安全
- 上位 80% の業務を担う 5-10 業務に絞る: 「受発注 / 在庫 / 顧客 / 経費 / 議事録」の 5 つだけ Lark 化すれば 80% の業務効率改善が実現
- Base + Approval の連携設計を最初に決める: Base の単一選択フィールド → Approval 起票という設計が、承認フローを 1 つの台帳に統一する近道
「自社にも再現できるか」を検証するため、次節の 30/60/90 日ロードマップを当社の実装手順から逆算して整理しています。
9. 30/60/90 日 移行ロードマップ
結論: 90 日を 30 日 × 3 フェーズに分け、並走 → メイン切替 → Workspace 縮退の順で進めるのが最も失敗が少ない。当社の伴走支援でも採用している標準設計です。
9-1. Day 1-30 — 並走準備とテナント構築
- Lark テナント作成・独自ドメイン認証 (Lark Mail を使う場合は MX 設定はまだ切り替えない)
- Workspace 既存ユーザーリストを CSV エクスポートし、Lark に CSV インポートで登録
- Drive 共有ドライブの直近 90 日アクセスファイルを Lark Drive にミラーリング (Google Takeout または rclone)
- Lark Calendar を Google Calendar と双方向同期 (移行期間中の予定見え漏れ防止)
- 社内チャットの「メイン場所」を Slack/Teams → Lark Messenger に告知
30 日でチーム全員が 「朝出社したらまず Lark を開く」という運用習慣に到達することが目標です。並走中に発見した不足機能 / 業務移植が必要な領域をリスト化し、次フェーズの設計インプットにします。
9-2. Day 31-60 — メイン業務の切替と Lark Base 構築
- Day 31 を基準日として、チャット・社内 Docs・Calendar を Lark に正式切替 (Slack/Teams は読み取り専用に降格)
- Google Sheets で動いていた業務台帳のうち上位 80% を担う 5-10 シートを Lark Base に移植
- Lark Base に自動化を設定 (新規レコード → 承認起票 → 完了通知)
- Lark Approval テンプレを業務カテゴリ別に作成 (稟議・経費・有給・購買)
- Lark Wiki に社内マニュアル・議事録・FAQ を集約開始
このフェーズで業務基盤の主役が Lark に移り、Workspace は「Gmail と過去 Drive アーカイブ」に役割が縮小します。社内合意形成の難所はこのフェーズで、現場の不安に応える Q&A セッションを週 1 回設けるのが推奨です。
9-3. Day 61-90 — Workspace 縮退と最適化
- Day 61 から Workspace の契約席数を実利用に合わせて縮退 (例: 30 席 Business Standard → 3-5 席 Business Starter)
- Lark Pro の運用が安定したら、Lark Mail の独自ドメイン MX 切替を検討 (Gmail 完全卒業を選ぶ場合)
- Lark Base の構造を見直し、運用 1 ヶ月で見えた『使われない列』『冗長な自動化』を削除
- Day 90 で Lark Pro 単独運用 (Hybrid 不要) に着地するか、Workspace ハイブリッドを継続するか最終判断
- Workspace アーカイブデータの読み取り権限を 6-12 ヶ月残す合意を取る (eDiscovery 対応)
90 日プランで完走すると、30 名規模で年 ¥60〜100 万円 (SaaS 重複削減含む) のコスト削減と、業務工数 30-50% 削減 (自社 EC 事例ベース) が現実的に視野に入ります。一気に切替えず段階移行することで、現場の納得感を保ちながら定着率を高められます。
関連記事として、Lark Base への移植テンプレは Lark Base 30 日で Excel を卒業する移行ガイド、承認ワークフローの実装は Lark Approval × Base 承認フロー実装ガイド、中小企業 DX の全体ロードマップは 中小企業 DX 90 日ロードマップ をご参照ください。
10. よくある質問 (FAQ)
Q1. Lark と Google Workspace、中小企業にはどちらが向いていますか?
20 名以下なら Lark Starter (無料) が最有力候補です。チャット・Docs・Calendar・Wiki・Base・承認・60 分会議までフル機能を無料で利用でき、Google Workspace Business Starter 30 名分 (月 ¥24,000) を上回る業務基盤を 0 円で構築できます。30 名前後の規模では Lark Pro (¥1,420/ユーザー/月) と Google Workspace Business Standard (¥1,600/ユーザー/月) の比較となり、月額で Lark が ¥5,400 安く、年間で ¥64,800 の差が出ます。一方、Gmail と Google Drive の安定運用・Gemini の AI 機能・Cloud Identity による高度なアイデンティティ管理が業務継続に必須な場合は Google Workspace の継続が合理的です。
Q2. Google Workspace の値上げは具体的にどう影響しますか?
Google Workspace は 2024 年に月額・年額プランの価格改定を実施し、Business Starter は ¥680→¥800、Business Standard は ¥1,360→¥1,600、Business Plus は ¥2,040→¥2,500 (税抜・1 ユーザー月額・公式料金ページの現行価格) となっています。30 名規模で Business Standard を運用する事業者は、年額で ¥86,400 (¥240 × 30 × 12) の負担増が発生しました。同時期に Gemini AI が標準同梱されたものの、社内チャット・業務 DB の用途で Workspace を使ってきた事業者からは「値上げ分のリターンが業務効率に直結しない」という声も多く、本記事はその受け皿として書いています。
Q3. Lark Starter プランは本当に無料で Google Workspace を代替できますか?
20 名以下なら Yes と言えます。Lark 公式『プラン一覧』(2025 年 3 月改定後) によれば、Starter プランは 20 名まで・ストレージ 100GB・Lark Base 1 表あたり 2,000 行・自動化月 1,000 回・60 分 100 名以下の会議が標準で含まれ、Google Workspace で言えば Gmail 以外の Docs / Drive / Meet / Sheets / Slides に相当する機能が揃います。ただし Gmail と同等の独自ドメインメールサーバ機能は Lark Mail (Pro プラン以上) が必要で、Starter ではメール受信用に Workspace Business Starter を 1-3 席だけ並走するハイブリッド構成が現実解です。
Q4. Google Drive のデータを Lark Drive に移行できますか?
はい、3 つの手段があります。①Google Takeout で全ファイル ZIP をエクスポートし Lark Drive へ手動アップロード (10-100GB 規模に有効)、②rclone などのファイル同期ツールで Google Drive と Lark Drive を双方向同期 (大規模・並走運用向け)、③社内合意の上で重要ファイルのみ手動移行 (1-10GB 規模・実用主義派向け)。移行にあたっては「直近 12 ヶ月でアクセスのあったファイル」「5 年以上アクセスのない眠ったファイル」を仕分けし、後者は Google Drive を縮退アーカイブとして 6-12 ヶ月残す設計が安全です。
Q5. Gemini と Lark AI、AI 機能の比較ではどちらが優位ですか?
汎用 AI モデルの推論性能では Gemini が業界トップクラスで、Workspace Business Standard 以上で標準同梱されている点も強みです。一方 Lark AI は会議の自動議事録・多言語翻訳・Docs / Base からの要約生成といった「業務基盤に組み込まれた AI」として設計されており、議事録から ToDo を自動抽出して Lark Task に登録する、といったワークフロー連携が標準機能で完結します。「最強の AI が必要」なら Gemini、「業務フローに自然に AI が混ざる」のが必要なら Lark AI、という棲み分けが現実的です。
Q6. 30 名規模で Lark Pro と Google Workspace Standard、年間でいくら違いますか?
Lark Pro: ¥1,420 × 30 名 × 12 ヶ月 = ¥511,200/年 (年払い・税抜、Lark 公式プラン一覧)。Google Workspace Business Standard: ¥1,600 × 30 名 × 12 ヶ月 = ¥576,000/年 (年払い・税抜、Google 公式料金ページ)。差額は年 ¥64,800 で、Lark が約 11% 安い計算です。さらに Lark には業務 DB (Base)・Wiki・承認・タスク管理が標準で含まれ、Workspace で同等機能を実現するために Google Sheets + AppSheet + 第三者承認ツール等を組み合わせる手間とコストが省けます。
Q7. Workspace に留まるべきケースはどんな場合ですか?
以下のいずれかに該当する場合は Google Workspace の継続が合理的です。①Gmail と Google Drive を全社業務の生命線として深く使い込んでいる、②Google Cloud Platform と統合した社内システムを既に運用している、③Gemini を社員全員が日常的に使う計画がある、④独自ドメインメールの SLA が業務継続条件として明示されている (例: 顧客との SLA に明記)、⑤AppSheet などの Workspace ネイティブ統合で構築済みの業務システムがある。①〜⑤に該当しない事業者は、Lark Pro への乗り換え経済合理性が出てきます。
Q8. Workspace と Lark を並走させるのは現実的ですか?
はい、本記事の HowTo セクションでも推奨している現実解です。最初の 30-60 日は Workspace と Lark を並走させ、チャット・Docs・Calendar・会議は Lark、メール (Gmail) と一部 Drive ファイルは Workspace、という分担で運用します。並走期間中に Lark Base / Wiki / 承認の業務移植を進めることで、Day 90 時点で「Workspace は 3-5 席のメール受信専用、メイン業務基盤は Lark」という構成に着地できます。完全切替よりリスクが低く、社内合意も取りやすい設計です。
Q9. 乗り換えを伴走支援してもらえますか?
はい、60 分の無料相談で「自社の Google Workspace → Lark 30/60/90 日移行設計たたき台」を作成しています。検討初期段階のお問い合わせも歓迎で、相談だけで契約を強制することはありません。当社アウフヘーベンジャパン株式会社は群馬・前橋を拠点に、自社 EC 事業で月 240 時間 → 24 時間 (-90%) を実証した実体験から、中小企業の Lark 導入と業務基盤移行を伴走しています。お問い合わせフォームまたは Lark 導入支援サービス ページからご相談ください。
📍 Lark vs Google Workspace の意思決定を 60 分で進めたい方へ: 「自社の現契約 → Lark 移行設計たたき台」と「90 日ロードマップ」を 60 分の無料相談でお作りします。
相談内容の例: Business Standard 30 名で値上げ負担を整理したい / SaaS 重複コストの試算が欲しい / Lark Base / Wiki / 承認の業務設計を見立ててほしい / Gmail 並走構成での移行プランを聞きたい 等
関連記事: Lark vs kintone 中小企業徹底比較 / Lark vs Notion 選定ガイド / Lark vs Microsoft Teams 中小企業比較 / Lark vs Slack 比較 / SaaSポカリプス 2026 — 統合型 Lark 移行ガイド
※ 本記事は アウフヘーベンジャパン株式会社 が運営する lark-dx.jp の公開記事です。Lark は ByteDance Ltd. の登録商標、Google Workspace は Google LLC の商標です。当社は Lark の導入を支援する独立した第三者コンサルティング事業者であり、ByteDance 社・Google 社の公式機関ではありません。掲載の料金・プラン仕様は 2026 年 6 月 4 日時点で公式ページから確認した内容で、最新情報は各社公式サイトをご確認ください。