「配車は配車マンの頭の中、点呼記録は紙のバインダー、ドライバーの労働時間は手書きの運転日報、荷主とのやり取りは電話と FAX」── 中小運送会社の事務所で当たり前になっているこの分散が、いま限界に達しています。2024 年 4 月からトラックドライバーに適用された年 960 時間の時間外労働上限規制で『今までの長時間労働で吸収していた輸送力』が物理的に取れなくなり、国土交通省の試算では対策なしのままだと 2024 年度に輸送力が約 14%、2030 年度には約 34% 不足するとされています。ドライバー不足と労働時間規制の板挟みの中で、「同じ台数・同じ人数で、どれだけ無駄な事務時間を削って運行に回せるか」が中小運送業の生き残りを分ける時代に入りました。
本記事は、車両数台〜数十台・ドライバー 10〜50 名規模の中小運送・物流会社を念頭に、Lark の勤怠 + Base + Messenger + Docs + Approval を 1 テナントに一元化することで、労働時間管理・配車・点呼記録・荷主/協力会社連携という 4 領域を 90 日で 1 つの動線に集約する具体手順を解説します。当社アウフヘーベンジャパン株式会社が自社 EC 事業で月 240 時間 → 24 時間(-90%)を実証した『Lark 集約』の設計思想を、運送業の「情報の分断」問題に当てはめて、勤怠の見える化から配車 Base テンプレ、点呼記録の電子保存、90 日導入ロードマップまでを順に提示します。お急ぎの方は Lark 導入支援サービス または お問い合わせフォーム から、60 分の無料相談もご利用ください。
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相談内容の例: 配車が特定の担当者に属人化している / 点呼記録が紙で保存・検索が大変 / ドライバーの年 960 時間残枠が見えない / 荷主・傭車先とのやり取りが電話と FAX / 補助金活用と Lark 導入を並行で進めたい 等
📌 この記事でわかること
- 数字で見る 2024 年問題: 年 960 時間規制・拘束時間 3,300 時間・輸送力不足 14%→34% が中小運送業に何を迫るかを公的データで整理
- DX が止まる 3 つの壁: 紙+電話+属人化 / 多重下請けの情報分断 / IT 人材とコストの3点を構造的に分解
- Lark で一元化する 4 領域: 労働時間管理・配車・点呼記録・荷主/協力会社連携を 1 テナントに集約する設計図
- 点呼記録の電子化の正しい位置づけ: 法定の点呼・認定機器と Lark の役割分担、1 年保存義務への対応方法
- 90 日導入ロードマップ: Phase 1 勤怠可視化 / Phase 2 配車・点呼 Base 化 / Phase 3 連携・定着の具体手順
目次
- 【結論】運送・物流の 2024 年問題は「情報の分断」で悪化する
- 数字で見る 2024 年問題 — 中小運送業に今起きている構造変化
- 中小運送業の DX が止まる 3 つの壁
- Lark で一元化する 4 領域 — 労働時間・配車・点呼記録・連携
- Lark と専用運送管理システムの使い分け
- 自社実証 — EC 事業を Lark に集約し月 240h→24h(-90%)
- 導入コストと補助金の考え方
- 90 日で始める運送業 DX ロードマップ
- よくある質問
1.【結論】運送・物流の 2024 年問題は「情報の分断」で悪化する
結論から言えば、運送業の 2024 年問題を悪化させている最大の要因は「輸送そのもの」ではなく、配車・労働時間・点呼記録・請求根拠がバラバラのツールに分散し、事務作業と確認作業に時間が溶けていることです。ドライバーの労働時間に年 960 時間という物理的な上限がかかった今、削れるのは運行時間ではなく、その周辺で発生している「転記・集計・確認・探し物」の事務時間です。ここを圧縮できれば、同じ人員・同じ車両のまま、限られた労働時間を運行に回せるようになります。
典型的な中小運送会社では、配車マンの頭の中とホワイトボードで組んだ配車を、ドライバーには電話やチャットで個別に伝え、点呼はバインダーの紙に記録し、運転日報と労働時間は別の Excel に手入力し、荷主への請求は運行実績を月末にかき集めて作成します。この「同じ情報を何度も別の場所に書き写す」構造こそが、規制強化で削減余地がなくなった事務時間の正体です。Lark は、この分断した情報をチャット・勤怠・業務データベース(Base)・ドキュメント・承認という 5 つのモジュールを 1 つのアプリに統合することで、「一度入力すれば、配車にも労務にも請求にも使える」動線に組み替えます。
本記事では、この「情報の一元化」を運送業の 4 つの現場業務(労働時間・配車・点呼記録・連携)に落とし込み、無料で試せる範囲から 90 日で切り替える具体手順までを解説します。まずは、なぜ今それが急務なのかを、公的データで確認しておきましょう。
2. 数字で見る 2024 年問題 — 中小運送業に今起きている構造変化
2024 年問題は「一度乗り越えれば終わる」一過性の課題ではなく、労働時間規制と担い手不足が重なって年々深刻化する構造的な課題です。まずは中小運送会社の経営判断に直結する 3 つの数字を、一次情報で押さえます。
2-1. 年 960 時間の時間外労働上限(2024 年 4 月〜)と罰則
働き方改革関連法により、これまで適用が猶予されていた自動車運転の業務にも、2024 年 4 月 1 日から年 960 時間の時間外労働の上限規制が適用されました。これは「特別条項付き 36 協定を結んでも、年間の時間外労働を 960 時間以内に収めなければならない」という上限で、違反した場合には 6 か月以下の懲役または 30 万円以下の罰金が科されることがあります。従来のように繁忙期の長時間労働で輸送力を吸収する運用は、法的に成立しなくなったということです。
この規制下では、経営者と運行管理者が「どのドライバーが年間の残枠をあとどれだけ持っているか」を月次どころか週次で把握できていないと、年度末に上限超過が発覚して配車が組めなくなる、という事態が起こります。労働時間の見える化は、コンプライアンスであると同時に、配車計画そのものの前提条件になりました。
2-2. 改善基準告示の改正 — 年間拘束時間が 3,516 → 3,300 時間へ
時間外労働の上限規制と同時に、トラックドライバーの労働時間を定める改善基準告示も 2024 年 4 月から改正されました。1 年間の拘束時間の上限が原則 3,516 時間から 3,300 時間へと短縮され、1 日の休息期間の基準も引き上げられています(継続 9 時間を下回らないなどの見直し)。拘束時間には運転時間だけでなく荷待ち・荷役・点呼・待機なども含まれるため、荷待ち時間の削減や事務作業の圧縮が、そのまま「運転に使える時間の確保」に直結します。
2-3. 対策なしでは輸送力が 2024 年度 14%・2030 年度 34% 不足
国土交通省が示した政府試算では、何も対策を講じなかった場合、2024 年度には輸送能力が約 14%(約 4 億トン相当)不足し、2030 年度には約 34%(約 9 億トン相当)不足するとされています。これは「運びたい荷物があっても運べない」状態が構造的に続くことを意味し、裏を返せば、同じ人員でより多くの運行をこなせる会社が、荷主から選ばれ生き残るということです。効率化投資の意欲が業界全体で高いのはこのためで、その第一歩が「事務時間の圧縮による運行時間の捻出」なのです。
3 つの数字を並べると、中小運送業に迫られている変化は明確です。労働時間には物理的な上限がかかり(960 時間)、拘束時間は短くなり(3,300 時間)、それでも運ぶべき荷物は増える(輸送力 14〜34% 不足)。この方程式を解く唯一の現実解が、事務・確認・転記に溶けている時間を情報の一元化で取り戻すことです。次章では、それを阻んでいる 3 つの壁を分解します。
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3. 中小運送業の DX が止まる 3 つの壁
中小運送業の DX が止まる原因は「やる気」ではなく、紙・電話・属人化、多重下請けの情報分断、IT 人材とコストという 3 つの構造的な壁にあります。それぞれを分解して、Lark がどこを解くのかを明確にします。
3-1. 紙・電話・属人化 — 配車が「特定の人の頭」に依存している
多くの中小運送会社では、配車がベテラン配車マンの経験と勘、ホワイトボード、電話でのやり取りに支えられています。これは強みでもありますが、その人が休むと配車が回らない、労働時間の残枠と配車が連動していない、荷主からの問い合わせに「担当者に聞かないと分からない」という属人化のリスクを抱えます。点呼記録は紙のバインダー、運転日報も紙か Excel、という「書いて終わり・後から探せない」記録が積み上がり、監査対応や労務集計のたびに膨大な確認時間が発生します。
3-2. 多重下請けの情報分断 — 荷主・元請・傭車先で情報が寸断される
運送業は多重下請け構造になりやすく、荷主 → 元請 → 一次下請 → 傭車先とチェーンが伸びるほど、配車依頼・運賃・請書・運行実績の情報が電話・FAX・個人 LINE に寸断されます。「言った言わない」の運賃トラブル、依頼の行き違いによる誤配・空車、実績集計の遅れによる請求漏れが、この分断から生まれます。ここは 1 社の内部改善だけでは解けず、社外の関係者を巻き込める共有基盤が必要です。
3-3. IT 人材とコスト — 専任者がいない・多機能 SaaS は単価が高い
中小運送会社には情報システム専任者がいないことがほとんどで、「何を入れればいいか分からない」「入れても使いこなせない」という不安が投資の足を止めます。かといって専用の運送管理システムやクラウド配車システムは、機能が豊富な反面、初期費用やユーザー単価が高く、ドライバー全員に配ると月額負担が重くなりがちです。「現場が LINE 感覚で使えて、事務も配車も労務も 1 つで回り、無料から始められる」という条件を満たすツールが求められています。Lark 導入失敗パターンでも解説しているとおり、多機能ツールを一気に全部入れようとして現場が使わなくなるのが最大の失敗要因です。
4. Lark で一元化する 4 領域 — 労働時間・配車・点呼記録・連携
運送業の DX は「4 つの現場業務(労働時間管理・配車・点呼記録・荷主/協力会社連携)を Lark の 1 テナントに集約する」ことで、一度の入力を全業務で使い回す動線に組み替えられます。それぞれの実装パターンを見ていきます。Lark Base が中小企業の業務効率を変える 3 つの理由で解説した「業務データベースを自社で組める」強みが、運送業の現場でどう効くかを具体化します。
4-1. 労働時間管理 — Lark 勤怠で年 960 時間をリアルタイムに可視化
最優先で着手すべきは労働時間の可視化です。Lark の勤怠管理は無料機能として、GPS 打刻・Wi-Fi 打刻・シフト管理・打刻通知に対応しています。ドライバーは乗務前後にスマホで「出勤/退勤」を押すだけで、営業所を離れた場所でも GPS で打刻でき、打刻忘れは通知で防げます。シフト制勤務にも対応しているため、日勤・夜勤・変則勤務が混在する運送業の勤務形態にも合わせられます。
打刻データを Lark Base に集計すれば、ドライバー別の月間・年間の時間外労働を積み上げ、年 960 時間の残枠をリアルタイムで一覧化できます。残枠が少ないドライバーに赤フラグを立てる、拘束時間 3,300 時間の年間ペースを可視化する、といった配車前提の情報を運行管理者と共有できるようになります。まずこの「押すだけ」の勤怠打刻から始めることが、現場の抵抗を最小化しつつ規制対応の土台を作る最短ルートです。
4-2. 配車管理 — Lark Base で配車表・車両・稼働を一元 DB 化
配車は Lark Base(業務データベース)で「車両マスタ」「ドライバーマスタ」「運行案件」の 3 テーブルを関連付けて再構築します。運行案件テーブルに荷主・積地・卸地・集荷時間・使用車両・担当ドライバーを登録すると、車両とドライバーのマスタに自動でひも付き、以下がリアルタイムに見えるようになります。
- カレンダー/ガントビュー: どの車両がいつ埋まっているか、空車と重複を一目で把握(Lark Base のビュー切替で同じデータを配車表・一覧・カレンダーに切り替え)
- ドライバー別の拘束・稼働: 4-1 の勤怠データと突き合わせ、労働時間の残枠を見ながら配車を組む
- 荷主別の運行実績: 月末の請求根拠を都度集計せず、運行案件テーブルからそのまま集計・エクスポート
ホワイトボードと配車マンの頭の中にあった情報が Base 上に構造化されることで、配車の属人化が緩和され、担当者の急な休みにも代替が効くようになります。製造業の工程管理や建設業の工事・原価管理と同じ「現場のスケジュールを Base に集約する」設計思想を、運送業の配車に当てはめた形です。
4-3. 点呼記録のデジタル化 — Base/フォームで記録簿を電子保存(1 年保存義務対応)
ここは誤解が多いので、最初に役割分担を明確にします。点呼そのもの(対面点呼・IT 点呼・遠隔点呼・業務後自動点呼)の実施方法や、アルコール検知器による酒気帯び確認、国土交通省が認定する自動点呼機器の要件は、法令と告示で定められています。Lark はそれらの認定機器や点呼の実施を代替するものではありません。Lark が担うのは、点呼の「結果を記録・保存・検索・共有する記録簿のレイヤー」です。
貨物自動車運送事業輸送安全規則では、点呼の内容を記録し 1 年間保存する義務があります。従来はこれを紙のバインダーで運用し、「後から特定のドライバー・日付の記録を探すのに時間がかかる」「保管場所を取る」「集計できない」といった課題がありました。Lark Base やフォームで点呼記録簿を電子化すると、次のような運用になります。
- フォームで入力: 点呼日時・点呼方法(対面/IT/遠隔など)・アルコール測定結果の有無・酒気帯びの有無・指示事項・運行管理者名を、スマホのフォームから選択式で入力
- Base に自動蓄積: 入力内容が点呼記録テーブルに時系列で蓄積され、ドライバー別・日付別・営業所別に瞬時に検索・絞り込み
- 1 年保存とバックアップ: クラウド上に保存されるため紛失リスクが下がり、保存義務期間の管理も一覧で把握
繰り返しになりますが、これは「認定自動点呼機器の代わりに Lark で点呼を済ませる」ものではありません。点呼の実施自体はアルコール検知器と運行管理者(または認定機器)で法令どおりに行い、その結果を Lark に記録・保存して、監査対応や労務管理と串刺しにできるようにする——という位置づけで設計してください。この線引きを守ることが、コンプライアンスと効率化を両立させる前提です。
4-4. 荷主・協力会社連携 — Messenger/承認/ゲストで多重下請けの分断を解く
社内の一元化に加えて、Lark は社外の荷主・元請・傭車先をゲストとして招待し、運行案件ごとのグループチャットや特定の Base/Docs を共有できます。配車依頼・請書・運賃の合意を Lark の承認機能で回せば、多重下請けで曖昧になりがちな「言った言わない」を証跡として残せます。案件終了後は権限をワンクリックで切れるため、個人 LINE グループにありがちな「取引終了先が残り続ける」「過去案件のやり取りが混ざる」問題も構造的に回避できます。
チャットの操作感は LINE に近く、写真・通話・既読確認まで LINE 感覚で使えるため、ドライバーや協力会社にも受け入れられやすいのが実務上の利点です。現場スタッフ中心の運用については Lark Frontline(現場スタッフ向けプラン) や 多店舗オペレーション統合の記事も、シフト・現場連絡の設計として参考になります。
5. Lark と専用運送管理システムの使い分け
Lark は「情報の一元化・流通・蓄積」を担い、動態管理やデジタコ連携などの専門機能は専用システムに任せる——という役割分担が、中小運送業の最もコスト効率の良い選び方です。両者は競合ではなく、レイヤーが違います。
| 領域 | Lark が得意 | 専用運送管理システムが得意 |
|---|---|---|
| 労働時間・勤怠 | ◎ 打刻・シフト・960h 残枠の可視化 | △ 製品による |
| 配車表・車両稼働 | ◎ 中小規模の配車 DB・カレンダー | ◎ 大規模・求貨求車マッチング |
| 点呼記録の保存・検索 | ◎ 電子記録簿・1 年保存・串刺し検索 | ○ 認定自動点呼機器と連携 |
| 動態管理(GPS 位置追跡) | △ 対象外 | ◎ リアルタイム車両位置 |
| デジタコ(運行記録計)連携 | △ データ取り込みはハブ運用 | ◎ 専用領域 |
| チャット・荷主/協力会社連携 | ◎ ゲスト招待・承認・証跡化 | △ 製品による |
| コスト | ◎ 無料〜月 1,420 円/人 | △ 単価・初期費用が高め |
結論として、動態管理やデジタコが必須の会社は専用システムを継続しつつ、その出力データ(運行実績・位置ログ)を Lark Base に集約して労務・請求・配車と串刺しにするハブ運用が実用解です。汎用業務 DB としての比較は Lark vs kintone や Lark vs Microsoft Teams、複数ツールの使い分けは SaaS 使い分け 判断基準 2026 も参考にしてください。
6. 自社実証 — EC 事業を Lark に集約し月 240h→24h(-90%)
当社アウフヘーベンジャパンは、自社の EC 事業で受発注・在庫・経費・案件管理を Lark Base に集約し、月 240 時間かかっていた業務工数を 24 時間(-90%)まで圧縮しました。この削減の中身は「劇的な新技術」ではなく、まさに本記事で述べてきた「情報の一元化による転記・集計・確認・探し物の消滅」です。同じ設計思想は、業種が変わっても再現します。
運送業に当てはめると、削減余地が大きいのは次のような時間です。
- 労働時間集計の転記: 運転日報 → Excel への手入力 → 月次集計、という多重入力を勤怠打刻の自動集計に置き換え
- 配車確認の電話: 「今どの車が空いているか」「あのドライバーの残枠は」を都度電話で確認する時間を、Base の一覧で自己解決
- 点呼記録・請求根拠の探し物: 紙のバインダーや複数 Excel を横断して探す時間を、Base の検索・絞り込みで数秒に短縮
ここで正直にお伝えすると、運送業には運行という「圧縮できないコア時間」があるため、EC 事業のような -90% がそのまま当てはまるわけではありません。しかし、事務・確認・転記に溶けている「運行外の時間」に限れば、一元化による削減余地は十分に大きく、その分を運行や休息に振り向けられます。業種別の導入成果と失敗は Lark 導入事例まとめ(業種別) と 自社 EC 240h→24h の実証記事 で詳しく解説しています。
7. 導入コストと補助金の考え方
Lark は無料の Starter プラン(20 名まで)から始められ、全社導入でも 1 ユーザー月 1,420 円(税抜・年払い)と、専用システムを複数契約するより負担を抑えやすい価格帯です。まずは事務所・管理者だけの少人数で無料枠を使って配車 Base と点呼記録フォームを試作し、手応えを確認してから全社に広げる進め方が安全です。
- Starter(無料 / 20 名まで): 事務所と管理者で配車 DB・点呼記録・勤怠を試験導入(Base は 1 テーブル 2,000 行が目安)
- Pro(1,420 円/人・月、税抜・年払い): ドライバーを含め全社導入。Base は 1 テーブル 2 万行、承認・自動化の実行回数も大幅拡大。30 名なら月 42,600 円
- Enterprise(要問い合わせ): 複数営業所・大規模。公式プランページ上は個別見積もり
料金・プランは改定されるため、導入前に必ず Lark 公式プラン一覧 で最新を確認してください。コストの詳細比較は SaaS コスト見直しガイド と 料金プランページも参考になります。
補助金については、2026 年度『デジタル化・AI 導入補助金』(旧 IT 導入補助金)が SaaS 導入を含む業務効率化の対象になり得るほか、物流効率化・2024 年問題対応を目的とした国・自治体・業界団体のスキームも候補です。いずれも公募要領・補助対象・採択条件・補助率が年度ごとに更新されるため、必ず事務局の公募要領を一次情報として確認してください。詳しくは デジタル化・AI 導入補助金 完全ガイド にまとめています。
8. 90 日で始める運送業 DX ロードマップ
労働時間・配車・点呼記録の 3 領域に絞り、Phase 1 勤怠可視化 → Phase 2 配車/点呼 Base 化 → Phase 3 連携/定着の順で進めれば、中小運送会社でも 90 日で中核業務を Lark に切り替えられます。いきなり全部を移そうとせず、最も時間を奪う領域から段階的に乗せるのが、現場が離脱しない設計の鉄則です。全体設計の考え方は 中小企業の DX を 90 日で軌道に乗せる実践ロードマップ も合わせてご覧ください。
Phase 1(Day 1-30): 業務棚卸しと勤怠の可視化
配車表・点呼記録簿・運転日報・労働時間・請求根拠が今どこにあるか(紙・Excel・LINE・電話)を 1 枚にリスト化し、最も時間を奪う上位 3 領域を特定します。並行して、まず Lark 勤怠でドライバーの打刻を開始し、年 960 時間の残枠を見える化します。代表ユーザーとして事務 2 名・ドライバー 3 名を選び、30 日間の伴走責任者を決めます。
Phase 2(Day 31-60): 配車・点呼記録の Base 化と並走
配車表を Lark Base の車両マスタ・ドライバーマスタ・運行案件の 3 テーブルで再構築し、過去 1〜2 週間分の運行を投入します。点呼記録は選択式フォームで電子入力・1 年保存できる状態にします。この 30 日は既存の Excel・紙と並走させ、「この項目が足りない」「この自動化が欲しい」を全て拾って反映します。
Phase 3(Day 61-90): 荷主・協力会社連携と定着
荷主・傭車先・協力会社を Lark のゲスト招待やグループで接続し、配車依頼・請書・運賃合意を承認機能に一本化します。Day 61 を Excel 新規入力の停止日と定めて Lark を単独運用に切り替え、月次の稼働・粗利・労働時間集計を Base のロールアップで回します。運用が安定したら、動態管理やデジタコのデータ取り込みなど周辺連携を追加していきます。
🚚 中小運送業の Lark 集約 90 日設計: 自社 EC 事業で月 240h→24h(-90%)を実証したアウフヘーベンジャパンが、貴社の労働時間管理・配車・点呼記録の一元化を 60 分で具体化します。
『配車の属人化をどう解くか』『点呼記録の電子化と法令の線引き』『補助金活用と並行設計』 — どんな段階のご相談でも歓迎です。
9. よくある質問
Q1. 中小運送会社が Lark で最初に着手すべき業務はどれですか?
ドライバーの労働時間管理(勤怠打刻)から着手するのが最短です。2024 年 4 月から自動車運転の業務に年 960 時間の時間外労働上限が適用され、違反には罰則があるため、まず「誰が年間の残枠をどれだけ使っているか」をリアルタイムに見える化することが最優先です。Lark 勤怠は GPS 打刻・シフト管理・打刻通知を無料機能として備えており、スマホ 1 台で乗務前後の打刻を回せます。配車・点呼記録・請求はその後 Phase 2 以降で順に Lark Base に乗せていく順序が、現場の習熟を保ちながら定着させる設計上のセオリーです。
Q2. 点呼記録簿を Lark でデジタル化できますか? 法令上問題ありませんか?
点呼記録簿(実施日時・点呼方法・アルコール測定結果の有無・指示事項など)の作成・保存・検索を Lark Base やフォームで電子的に一元管理することは可能です。貨物自動車運送事業輸送安全規則では点呼の内容を記録し 1 年間保存する義務があり、Lark はこの「記録の保存・共有レイヤー」として活用できます。ただし、対面点呼・IT 点呼・遠隔点呼・業務後自動点呼といった点呼そのものの実施方法や、アルコール検知器による酒気帯び確認、国土交通省が認定する自動点呼機器の要件は法令・告示で定められており、Lark はそれらの認定機器や点呼の代替にはなりません。Lark はあくまで点呼結果を記録・保存・営業所横断で検索するための管理基盤として位置づけ、点呼の実施自体は法令に沿った方法で行う設計が正解です。
Q3. 配車管理を Lark Base で運用できますか? 専用の配車システムでないと無理ではないですか?
車両台数が数台〜数十台規模で、荷主・運行案件が手作業の Excel や電話・FAX で回っている中小運送会社なら、Lark Base で十分に配車表を運用できます。車両マスタ・ドライバーマスタ・運行案件の 3 テーブルを関連付ければ、日別の車両稼働・ドライバーの拘束時間・荷主別の運行実績をリアルタイムに集計でき、カレンダービューやガントビューで空き車両と重複を一目で把握できます。一方、動態管理(GPS 車両位置のリアルタイム追跡)やデジタコ連携、求貨求車マッチングといった専門機能は専用システムの領域です。その場合も、専用システムの出力を Lark Base に集約して労務・請求・配車計画と串刺しにするハブ運用が現実的です。
Q4. Lark の料金はいくらですか? 中小運送会社が導入するとどのくらいのコストになりますか?
Lark には無料の Starter プラン(20 名まで)と、有料の Pro プラン(1 ユーザー月額 1,420 円・税抜・年払い、2025 年 3 月改定後)があります。事務所スタッフと管理者だけの小規模なら Starter の無料枠で試験導入が可能で、ドライバーを含めて全社で使う場合は Pro が基本になります。たとえば 30 名規模なら Pro で月額 42,600 円(1,420 円×30 名)で、チャット・勤怠・Base・Docs・承認・ビデオ会議まで全部入りです。Enterprise プランは公式プランページ上では公開価格がなく個別見積もりとなります。ドライバー 1 人あたり複数の業務システムを別々に契約するより、汎用の Lark に集約したほうがトータルコストを抑えやすい価格帯です。
Q5. ドライバーがスマホ操作や IT に不慣れですが、本当に Lark を使えますか?
使えます。Lark のチャット(Messenger)は LINE と非常に近い操作感で、写真送信・スタンプ・既読確認・通話まで LINE 感覚で使えます。勤怠打刻や日報入力もモバイル UI が用意されており、乗務前後に「出勤/退勤」ボタンを押す、点呼記録フォームで選択肢をタップするだけの設計にすれば数タップで完結します。当社が中小企業の現場で確認している定着カーブは「最初の 1 週間は事務員が代理入力 → 2 週目からドライバーが自分で入力 → 3 週目以降は自走」で、3 週間程度の伴走で年配のドライバーでも定着するケースが多いです。まずは勤怠打刻という「押すだけ」の動作から始めるのが失敗しないコツです。
Q6. 多重下請け・傭車が多いのですが、荷主や協力会社とも Lark でやり取りできますか?
はい、Lark は社外の関係者をゲストとして招待でき、運行案件ごとのグループチャットや特定の Docs / Base を共有できます。傭車先・協力会社の担当者ごとに見える範囲を絞り、案件終了後は権限を切れるため、LINE グループで起こりがちな「退職者や取引終了先が残り続ける」「過去案件のやり取りが混ざる」問題を構造的に解決できます。配車依頼・請書・運賃の合意を承認機能で記録に残せば、多重下請け構造で曖昧になりがちな「言った言わない」も証跡化できます。招待時には「運賃や粗利は社外に見せない」など社内側のガバナンスを先に決めておくことが重要です。
Q7. Lark 導入に補助金は使えますか? 運送業向けの補助金はどれが対象ですか?
2026 年度『デジタル化・AI 導入補助金』(旧 IT 導入補助金)は SaaS 導入を含む業務効率化が対象になり得ます。運送業の中小事業者は加えて『中小企業省力化投資補助金』や、物流効率化・2024 年問題対応を目的とした国や自治体・業界団体の支援スキームも候補です。いずれも年度ごとに公募要領・補助対象・採択条件・補助率が更新されるため、必ず事務局の公募要領を一次情報として確認したうえで、自社が補助対象・採択条件・期日を満たすか判断してください。当社では『Lark 導入と補助金申請を並行で組み立てる』相談も受けており、申請ストーリーの設計から伴走しています。
Q8. 90 日で本当に Lark への切り替えが完了しますか?
車両数十台・ドライバー数十名規模で、労働時間管理・配車・点呼記録の 3 領域に絞って進める設計なら、90 日は現実的なレンジです。Phase 1(Day 1-30)で勤怠の可視化、Phase 2(Day 31-60)で配車・点呼記録の Base 化、Phase 3(Day 61-90)で荷主・協力会社連携と定着、という順序が失敗しにくい設計です。当社の自社 EC 事業では受発注・在庫・経費・案件管理を Lark Base に集約し、月 240 時間の業務工数を 24 時間(-90%)に圧縮した実績があります。一方、複数営業所・デジタコや動態管理システムとの密結合が必要な環境では、90 日はあくまで中核業務の切替期間と捉え、周辺連携は運用が安定してから追加する順序が安全です。
まとめ — いま着手すべき 3 つの行動
本記事では、中小運送・物流業の労働時間管理・配車・点呼記録・荷主/協力会社連携を Lark で一元化する全体像を、2024 年問題の公的データ・DX が止まる 3 つの壁・4 領域の実装パターン・専用システムとの使い分け・90 日導入ロードマップまで順に提示しました。
年 960 時間の上限規制と拘束時間 3,300 時間、そして輸送力 14〜34% 不足という構造の中で、削れるのは運行時間ではなく事務・確認・転記の時間です。まず勤怠で年 960 時間の残枠を見える化し、次に配車と点呼記録を Lark Base に集約する——この順序が、最小コストで最大の経営効果を生む着手ルートです。読了後の行動として、以下の 3 つをおすすめします。
- 自社の現状棚卸し: 動いている配車表・点呼記録・運転日報・請求根拠を 1 枚にリスト化し、最も時間を奪う上位 3 領域を特定する
- Lark の無料枠で試作: Lark 公式 の Starter(無料)で、勤怠打刻と配車 Base だけ作って動作感を確認する
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※ 本記事は アウフヘーベンジャパン株式会社 が運営しています。Lark は ByteDance Ltd. の登録商標です。当社は Lark の導入を支援する独立した第三者コンサルティング事業者であり、ByteDance 社の公式機関ではありません。Lark の料金・機能・プラン構成は変更される可能性があるため、最新の情報は Lark 公式プラン一覧 をご確認ください。点呼・アルコールチェック・労働時間規制などの法令・告示の要件は改正される可能性があるため、実務対応にあたっては国土交通省・厚生労働省の公表情報および所轄運輸支局・労働基準監督署の指示を必ずご確認ください。本記事の数値・引用は 2026 年 7 月 30 日時点の公開情報に基づきます。