経営数字の可視化 / ノーコードBI / 売上・案件・在庫・KPIをスマホで
Lark Base ダッシュボードで経営数字を可視化する2026 — 売上・案件・在庫・KPI をリアルタイム集計し、スマホで毎朝見る中小企業のノーコードBI実装ガイド
「先月の売上や案件の進み具合を、いちいち Excel を開いて集計しないと分からない」「Lark ダッシュボードで経営数字をグラフにしたいが、何ができて何ができないのか分からない」「Power BI や Tableau は高そうだし、うちには専任の担当もいない」——本記事は、こうした中小企業の「数字が見えない」悩みに、専用BIツールを買わずに Lark Base の標準機能(ダッシュボード)だけで経営KPIを可視化する方法を、公式一次情報だけで解説します。結論を先に言えば、Lark Base で貯めたデータは、追加費用ゼロのダッシュボードで自動的にグラフ化でき、2026年3月のアップデート(V7.64)以降はスマホでもグラフを操作しながら確認できるようになりました。作れるグラフの全21ブロック → スマホ対応 → 実装手順 → 専用BIツールとの違い → 料金 → 権限設計まで一気通貫で整理します。機能・料金は Lark公式ヘルプ・Lark公式プランの一次情報のみを使用。自社EC事業を Lark に集約し月 240 時間 → 24 時間(90% 削減)を実証した当社の実装知見も併記します。
所要 15 分 / 10〜100名規模の経営者・情シス向け / 2026 年 8 月 12 日公開
「うちの経営数字を、どうダッシュボード化できるか」を60分で設計する無料相談
可視化でいちばん多い失敗は、「立派なBIツールを入れたのに、データを流し込む仕組みが続かず放置される」ことです。当社は群馬・前橋で自社 EC 事業を Lark に集約し定型業務を9割圧縮した実体験から、貴社の「毎月見たい数字(売上・粗利・案件・在庫・入金・KPI)」を棚卸しし、Lark Base のどのテーブルから、どのグラフで、誰がどの端末で見るかを1枚の設計マップ(Lark Docs)にして、60分の無料相談でお渡しします。高額BIツールありきではなく「まず標準機能で足りるか」から中立にご提案します。
この記事でわかること
- Lark Base ダッシュボードとは何か — 「Base に貯めたデータ」を追加費用ゼロで自動グラフ化するノーコードBIの正体
- ダッシュボードで作れるグラフ・ブロック全21種類(公式一覧)— 棒・折れ線・円・メトリックカード・ピボット・ファネル・目標達成チャートまで
- スマホで毎朝KPIを見る方法 — モバイル版のグラフ連携対応(2026年3月 V7.64)と、Lark Docs へのグラフ埋め込み(V7.68)
- 売上・案件・在庫・KPI を可視化する具体的な実装手順と、専用BIツール(Power BI/Tableau/Looker Studio)との決定的な違い
- 料金の一次情報(Starter 20名無料/Pro ¥1,420)と、権限設計(訪問者権限に応じて処理)、自社EC事例に見る「数字が毎朝見える」効果
目次
- 結論 — 高額BIツールを買う前に、Lark Base ダッシュボードで足りるか確かめよ
- なぜ中小企業の「経営数字」は見えないのか — Excel集計と月次会議の限界
- Lark Base ダッシュボードとは — Base集計を自動で可視化するノーコードBI
- 作れるグラフ・ブロック全21種類(公式一覧)
- スマホで毎朝KPIを見る — モバイル対応とグラフ連携(2026 V7.64)
- 経営数字を可視化する実装手順(売上・案件・在庫・KPI)
- 専用BIツール(Power BI/Tableau/Looker Studio)と何が違うか
- 料金の一次情報 — 追加費用ゼロで作れる理由
- 権限・共有の設計 — 「見せていい人にだけ、見せていい数字を」
- 自社EC事例 — 数字が「毎朝見える」だけで意思決定が速くなる(240h→24h)
- ダッシュボード導入の現実的3ステップ
- よくある質問(FAQ)
- まとめ — 数字は「集計するもの」から「毎朝見えているもの」へ
結論 — 高額BIツールを買う前に、Lark Base ダッシュボードで足りるか確かめよ
結論を先に述べます。中小企業が「経営数字を可視化したい」と思ったとき、最初に検討すべきは高額な専用BIツールではなく、Lark Base に標準で付いている「ダッシュボード」機能です。理由は単純で、Lark Base はデータの入れ物(業務データベース)と、それを可視化するダッシュボードが同じ製品の中にあり、両者を「連携」する工程が要らないからです。売上や案件を Lark Base に入力すれば、その数字がそのままリアルタイムでグラフに反映される。専用BIツールにありがちな「データを別ツールから取り込む(ETL)仕組みを作り、それが壊れないよう保守し続ける」という重い工程が、そもそも発生しません。
まず本記事の立ち位置をはっきりさせます。世の中の「BI導入」記事の多くは、Power BI や Tableau のような“専用BIツール”を前提に、データ連携(コネクタ)や DAX 関数の書き方を解説します。それ自体は大企業には有効ですが、専任のデータ担当がいない中小企業にとっては、導入も維持も重すぎて放置されるのが実態です。本記事は「そもそも、いま使っている(あるいは使おうとしている)Lark Base の標準機能だけで、経営に必要な可視化はどこまでできるのか」という現実的な問いに答えます。判断の軸は次の3つです。
可視化ツールを選ぶ前の3つの問い
① 見たい数字の元データは、どこに貯まっているか?(Excel/会計ソフト/Lark Base…)
② そのデータをグラフに流し込む仕組みを、誰が作り、壊れたら誰が直すのか?
③ そもそもデータの入れ物と可視化が「同じ場所」にあれば、連携ごと消せないか?
この3問に答えていくと、「データの入れ物(Lark Base)と可視化(ダッシュボード)が最初から一体になっている」ことの価値が見えてきます。中小企業白書が繰り返し指摘するとおり、中小企業のDXが進まない二大要因は「人手不足」と「コスト負担」です。可視化を専用ツールで実現しようとするほど、この両方が重くなります。逆に、業務データを貯める土台としてすでに Lark Base を使っているなら、ダッシュボードは追加ライセンス費用なしで“ついてくる”——ここが本記事の起点です。Lark Base そのものの実力は姉妹記事 Lark Base が中小企業の業務効率を変える3つの理由 にまとめており、本記事はその中の「可視化(ダッシュボード/BI)」という論点を一段深掘りする位置づけです。
なぜ中小企業の「経営数字」は見えないのか — Excel集計と月次会議の限界
結論として、中小企業で経営数字が「見えない」のは、数字がないからではなく、数字が“集計されるまで見えない”構造になっているからです。多くの会社で、次のような状態が起きています。
| 見たい数字 | 今どうしているか | 起きている問題 |
|---|---|---|
| 今月の売上・粗利 | 担当者が月末にExcelで集計 | 月が終わるまで着地が分からない |
| 案件・商談の進捗 | 各営業の頭の中/個別のシート | 全体のパイプラインが見えない |
| 在庫・入出荷 | 倉庫のExcelを開いて確認 | 欠品・過剰在庫に気づくのが遅い |
| KPI(受注率・入金・目標対比) | 月次会議で報告用に作る | 見るのが月1回、手遅れになりがち |
この構造の問題は2つあります。第一に、数字が「誰かが集計するまで」存在しないこと。集計は手作業なので、月末や会議前にまとめて発生し、担当者の残業と属人化を生みます。第二に、見るタイミングが遅いこと。月次会議で先月の数字を振り返る頃には、打つべき手はとっくに過ぎている。IPA「DX動向」や中小企業白書が示すとおり、日本の中小企業のDX実施率は依然として低水準にとどまり、その一因は「データを活用できる状態にする」手前で止まっていることにあります。数字を貯める場所と、それを自動でグラフにする仕組みが分断している限り、経営はいつまでも“後追い”です。次章から、この分断を Lark Base ダッシュボードでどう解消するかを見ていきます。
Lark Base ダッシュボードとは — Base集計を自動で可視化するノーコードBI
結論として、Lark Base ダッシュボードは「Base(業務データベース)に貯めたデータを、そのままリアルタイムでグラフ・数値に可視化する、Base 標準搭載の機能」です。Lark 公式ヘルプは、ダッシュボードを「データやプロジェクトの状況を一目で確認できる便利なツール。リアルタイムで更新される統計や進捗状況をグラフや数値で視覚的に表示し、チーム全体のパフォーマンスを把握できる」と説明しています(Lark公式ヘルプ「Base でダッシュボードを使用する」、2026年8月確認)。ポイントは「Base のテーブルがそのままデータソースになる」こと。売上テーブルに1件入力すれば、その瞬間に売上グラフが更新されます。
専用BIツールとの決定的な違いはここにあります。一般的なBIは「①データを別のどこかから取り込む → ②整形する → ③グラフにする」という3工程が必要ですが、Lark Base では①②が要らず、③(グラフの設定)だけで完結します。データの入力・蓄積(Base のテーブル)と可視化(ダッシュボード)が同じ製品の中で地続きだからです。操作も、コードを書かず「ブロックを追加 → データソースのテーブルを選ぶ → 縦軸・横軸・集計方法を選ぶ」だけのノーコード。Lark 公式の使用例でも「営業チームの売上高を集計し、折れ線グラフで月単位の推移を可視化」「棒グラフで在庫と入荷・出荷データをリアルタイムで把握」といった、まさに中小企業が見たい数字が挙げられています。
Lark Base ダッシュボードの3つの本質
① データ連携が要らない: Base のテーブルが直接データソース。ETLもコネクタ保守も不要。
② リアルタイム: 入力した瞬間にグラフが更新。「集計待ち」がなくなる。
③ ノーコード: ブロックを選んで軸を指定するだけ。関数もSQLも不要で、現場が自分で作れる。
なお、Lark Base を「業務の入れ物」として設計する段階の話は Lark Base 脱Excel 30日チャレンジ や IT人材ゼロでも業務システムは内製できる にまとめています。ダッシュボードは「貯まったデータを見せる」層なので、まず土台となるテーブル設計があってこそ活きます。
作れるグラフ・ブロック全21種類(公式一覧)
結論として、Lark Base ダッシュボードで追加できるブロックは、グラフ系から数値カード・ピボット・進捗管理まで20種類超あり、中小企業の経営可視化に必要なものはほぼ揃っています。Lark 公式ヘルプが列挙する主要ブロックを、用途とともに整理します(すべて Lark公式ヘルプ「Base でダッシュボードを使用する」 記載、2026年8月確認)。
| ブロック | バリエーション | 経営での主な使いどころ |
|---|---|---|
| 縦棒グラフ | ベーシック/積み上げ/100%積み上げ | 月別売上、部門別実績の比較 |
| 折れ線グラフ | ベーシック/平滑線/階段状 | 売上・受注の推移トレンド |
| 円グラフ | 円/ドーナツ | 商品構成比、チャネル別割合 |
| 横棒グラフ | ベーシック/積み上げ/100% | 得意先別売上ランキング |
| 面グラフ | 面/積み上げ面/100%積み上げ面 | 累計・構成の推移 |
| メトリックカード | 合計/最大/最小/平均・前期比 | 今月売上・粗利など重要KPIを大きく表示 |
| ピボットテーブル | 合計/カウント/平均+多軸集計 | Excelのピボット代替、多角的な集計 |
| 目標達成チャート | 数値/日付 | 売上目標に対する進捗率、月の消化率 |
| ファネル | — | 商談ステージ別のコンバージョン |
| ランキング | — | 営業別・商品別のパフォーマンス評価 |
| ビューブロック | グリッド/かんばん/カレンダー/ガント/ギャラリー | 案件一覧・工程・予定を埋め込み表示 |
| スライサー | — | 期間・部門でグラフ全体を絞り込み |
| その他 | レーダー/散布図/複合グラフ/ワードクラウド/NPS/テキスト/ボタン/レイアウト/カウントダウン | 満足度、注釈、レポート体裁の調整 |
出典: Lark公式ヘルプ「Base でダッシュボードを使用する」(2026-04-28 更新、2026年8月確認)。上記のほか、棒・折れ線・散布・複合・面・レーダーの各グラフでは「グループ化」により製品別・部門別などの内訳表示が可能です。
中小企業の経営可視化で特に使い勝手が良いのは、次の3つです。第一にメトリックカード。「今月の売上」「粗利率」「新規商談数」といった重要KPIを1つの大きな数字で表示でき、しかも合計・平均だけでなく“前期比・前期間比”も出せるため、「先月より良いか悪いか」が一目で分かります。第二に目標達成チャート。売上目標100に対して現在10なら進捗10%、というように目標に対する到達度をゲージで表示できます。日付ベースなら「今月がどれだけ消化されたか」も出せるので、目標対比のペース管理に向きます。第三にピボットテーブル。合計・カウント・平均に加え、視点を切り替えた多軸集計ができるため、Excelのピボットテーブルをそのままダッシュボードに置き換えられます。案件管理をガントで見たい場合は Lark Base のガントチャートで案件・工程管理を一元化する完全手順、営業パイプラインの設計は Lark Base で営業SFAを内製する と合わせて読むと具体像がつかめます。
💡 中間 CTA: 「うちなら、どの数字をどのブロックで見せるべきか」を貴社のデータで具体化します。無料相談で、見たいKPIの一覧から「メトリックカードに置く数字/グラフで見る推移/ピボットで掘る集計」を仕分けし、ダッシュボードの下書きレイアウトを Lark Docs でお渡しします。
スマホで毎朝KPIを見る — モバイル対応とグラフ連携(2026 V7.64)
結論として、2026年3月のアップデート(V7.64)以降、モバイル版 Lark でもダッシュボードの「グラフ連携」機能が使えるようになり、経営者がスマホで数字を“操作しながら”確認できるようになりました。Lark 公式の更新ログには「V7.64 モバイル版でダッシュボードのグラフ連携機能に対応。データの分析がよりスムーズに」と明記されています(Lark公式 更新ログ V7.64、2026年3月23日更新、2026年8月確認)。
ここで言う「グラフ連携」とは、同じダッシュボード上の複数のグラフを関連づけ、1つのグラフでデータを選ぶと、連携した他のグラフも自動的にそのデータで絞り込まれて表示される機能です(Lark公式ヘルプ「ダッシュボードのグラフ連携機能を使用する」)。たとえば「部門別売上の棒グラフ」で“営業2課”をタップすると、隣の「商品別内訳グラフ」や「担当者別ランキング」が営業2課のデータだけに切り替わる。これがスマホでもできるようになったことで、経営者が朝の移動中にスマホで全社の数字を見て、気になった部門をタップして深掘りする、という使い方が現実になりました。
関連して、2026年に入ってからダッシュボード周りは着実に強化されています。中小企業の実務で効くアップデートを、公式更新ログから拾って整理します。
| 時期・バージョン | アップデート内容 | 経営での効果 |
|---|---|---|
| 2026.02 V7.62 | スライサーに「検索ボックス」スタイルを追加 | 得意先名などをキーワード入力で絞り込み |
| 2026.03 V7.64 | モバイル版でグラフ連携に対応 | スマホで数字を操作しながら深掘り |
| 2026.05 V7.68 | ダッシュボードのグラフを Lark Docs にコピー可能 | レポートに“常に最新の”グラフを埋め込める |
出典: Lark公式 更新ログ(各バージョンの更新日、2026年8月確認)。V7.68 では、ダッシュボードのグラフを Lark Docs に貼り付けると、Docs 上でリアルタイムに更新される可視化データを確認でき、スクリーンショットを取り直す手間なく常に最新の情報を共有できます。
この「Docs にリアルタイム更新されるグラフを埋め込める」(V7.68)点は、月次報告の作り方を変えます。報告書の中のグラフが自動で最新に保たれるので、会議のたびにExcelからグラフを貼り直す作業が消えます。数字を「作って見せる」から「置いておけば常に最新」へ——この差が、経営会議の準備時間を大きく削ります。
経営数字を可視化する実装手順(売上・案件・在庫・KPI)
結論として、Lark Base ダッシュボードの作成は「Base を開く → ダッシュボードを追加 → ブロックを追加してデータソースと軸を選ぶ」の3ステップで、コードは一切書きません。公式手順に沿って、中小企業がまず作るべき「経営ダッシュボード」の作り方を具体化します。
手順1:土台となるテーブルを用意する
可視化の前に、元データが Lark Base に入っている必要があります。最低限「売上(または受注)」「案件(商談)」「在庫」あたりのテーブルがあれば、経営ダッシュボードは組めます。すでにExcelで管理しているなら、それを Lark Base に移すところから。移行の進め方は Lark Base 脱Excel 30日チャレンジ が参考になります。
手順2:ダッシュボードを追加し、ブロックを置く
Base ファイルの左下の「ダッシュボード」をクリックし、「ブロックを追加」から必要なブロックを選びます。公式手順どおり、ブロックごとに「データソースのテーブル」「データ範囲」「グラフの種類」「集計したい数値」を選ぶだけです。たとえば月別売上の棒グラフなら、データソースに「売上」テーブルを選び、横軸に「月」、縦軸に「金額の合計」を指定します。「グループ化」にチェックを入れて「商品カテゴリ」を選べば、月別×カテゴリ別の内訳が積み上げ棒グラフになります。
手順3:経営者が毎朝見る「トップKPI」を上部に固定する
ダッシュボードの一番上には、メトリックカードで「今月売上」「今月粗利」「新規商談数」「入金予定」などの重要KPIを大きく並べ、前期比を添えるのがおすすめです。その下に推移の折れ線、構成比の円グラフ、目標達成チャートを配置すれば、「まず結論(KPI)→ 詳細(グラフ)」の順で目が流れる、経営会議にそのまま使えるダッシュボードになります。スライサーを1つ置いて「期間」や「部門」で全体を絞れるようにすると、1つのダッシュボードで多角的に見られます。
中小企業の「経営ダッシュボード」構成例(そのまま真似できる雛形)
最上段(メトリックカード): 今月売上/今月粗利/新規商談数/今月入金(各カードに前期比)
中段(推移・構成): 月別売上の折れ線/商品構成比の円グラフ/得意先別売上の横棒ランキング
下段(進捗・詳細): 売上目標の達成チャート/商談ステージのファネル/案件一覧のビューブロック(ガント)
上部に配置: 期間・部門で全体を絞るスライサー1つ
承認や自動化と組み合わせれば、「在庫が一定数を下回ったら通知」「受注が入ったら関係者に自動連絡」といった運用も同じ Base 内で完結します。承認フローの作り方は Lark Base × Workflow で承認フローを自動化する実装ガイド に、API連携で数字を外部から自動投入する高度な使い方は Lark Base API × MCP で自社業務を自動化する にまとめています。
専用BIツール(Power BI/Tableau/Looker Studio)と何が違うか
結論として、専用BIツールと Lark Base ダッシュボードの最大の違いは「データをどこから持ってくるか」です。Power BI・Tableau・Google Looker Studio といった専用BIツールは、それ自体はデータを持たず、外部(Excel・データベース・各種SaaS)からデータを取り込んで可視化する設計です。つまり「データ連携(コネクタ/ETL)」の設計と保守が前提になります。一方 Lark Base ダッシュボードは、可視化するデータが同じ Base の中にあるため、その連携工程が丸ごと不要です。
| 論点 | 専用BIツール(Power BI/Tableau/Looker Studio 等) | Lark Base ダッシュボード |
|---|---|---|
| データの持ち方 | 外部から取り込む(自前でデータ源が必要) | Base のテーブルがそのままデータ源 |
| 連携(ETL) | コネクタ設計・保守が前提 | 不要(同一製品内で完結) |
| 習熟のハードル | 高機能な反面、関数・データモデリングの学習が必要 | ブロックを選び軸を指定するだけのノーコード |
| 運用の担い手 | 専任のデータ担当が望ましい | 入力する現場自身が作れる |
| 追加費用 | BIツール分のライセンスが別途必要 | Base 契約に標準搭載(可視化に追加課金なし) |
誤解のないように言えば、専用BIツールが劣っているわけではありません。全社に散らばる多数のデータ源を横断し、高度な統計分析や大規模なデータモデリングを行うなら、Power BI や Tableau のような専用ツールに分があります。しかし中小企業が経営会議で見たい「売上・粗利・案件・在庫・KPI」の可視化は、そのほとんどが Lark Base ダッシュボードの標準機能で足りる。そして何より、データの入力から可視化までが一続きなので“止まらない”。専用BIで最も多い失敗は「立派なダッシュボードを作ったが、データを流し込む連携が壊れて誰も直さず放置」です。連携がそもそも無い Lark Base では、この失敗が起きようがありません。各ツールの正確な機能・料金は各社公式(Power BI/Tableau/Looker Studio)をご確認ください。ツール選定を「役割」で考える全体像は Salesforce・Notion・kintone・Lark 使い分け判断基準2026 にまとめています。
料金の一次情報 — 追加費用ゼロで作れる理由
結論として、Lark Base ダッシュボードは Lark の契約に標準で含まれ、「可視化のための追加ライセンス」は不要です。かかるのは Lark 本体のプラン料金だけ。現行の料金(1ユーザー月額・税抜)を公式一次情報で押さえます。
| プラン | 月額(1名) | 人数 | Base 1テーブルの行上限(目安) | ダッシュボード |
|---|---|---|---|---|
| Starter | ¥0(無料) | 20名まで | 2,000 行 | 利用可 |
| Pro | ¥1,420 | 最大500名 | 20,000 行 | 利用可 |
| Enterprise | 要問い合わせ | 無制限 | 50,000 行 | 利用可 |
出典: Lark公式プラン(税抜・年払い。Starter は 2025/3/1 改定で無料上限が20名。Enterprise は公開価格なし=要問い合わせ)。Base の行数上限はプラン別の目安値。2026年8月確認。ダッシュボードは各プランで利用でき、可視化のための追加課金はありません。
ここで重要なのは、「20名以下の会社なら、Starter プラン(無料)でもダッシュボードが使える」という点です。まず無料で試し、経営ダッシュボードの価値を体感してから有料の Pro に上げる、という段階導入ができます。30名規模なら Starter の20名上限を超えるため Pro(¥1,420×30=月¥42,600)が現実解ですが、それでもチャット・会議・ドキュメント・カレンダー・承認・業務DB(Base)・そしてダッシュボードまで含んで1人あたり¥1,420。可視化のためだけに別のBIライセンスを積む必要がありません。値上げ局面での他ツールとの棚卸しは 2026年 中小企業 SaaS コスト見直しガイド、kintone との比較は Lark vs kintone 徹底比較 を参考にしてください。
「まず無料で、うちの数字をダッシュボードにできるか」を60分で見極めます。見たいKPIの棚卸しから、無料 Starter で作る雛形の設計まで。
権限・共有の設計 — 「見せていい人にだけ、見せていい数字を」
結論として、Lark Base ダッシュボードは「訪問者権限に応じて処理」機能により、同じダッシュボードでも見る人の権限に応じて表示するデータを制限できるため、「役員は全社、部長は自部門だけ」といった見せ分けが可能です。経営数字の可視化では、この“見せ分け”の設計が実務上とても重要です。
Lark 公式ヘルプによれば、ダッシュボードの権限は Base ファイルの権限設定と連動し、閲覧権限を持つユーザーはダッシュボードを閲覧できます。さらに「訪問者権限に応じて処理」機能を有効にすると、Base ファイルの管理者以外のユーザーは、自分の権限範囲内のデータのみをダッシュボードで表示できます(Lark公式ヘルプ)。これにより、「全社の売上ダッシュボードを1つ作れば、営業2課の課長がスマホで開いたときは営業2課の数字だけが表示される」といった運用が、ダッシュボードを人数分作らずに実現できます。
加えて、V7.68 以降はダッシュボードのグラフを Lark Docs にコピーして、月次報告書などに“リアルタイム更新されるグラフ”として埋め込めるため、報告のたびに画像を貼り直す必要がありません。数字の共有が「静的なスクショの配布」から「常に最新が見える状態の共有」へ変わります。権限まわりを含む Lark 全体の設計は Lark Base 業務システム構築サービス でご支援しています。
自社EC事例 — 数字が「毎朝見える」だけで意思決定が速くなる(240h→24h)
結論として、当社自身が「Excelで月末に集計する運用」から「Lark Base に貯めてダッシュボードで毎朝見る運用」へ切り替えたことで、月240時間かかっていた定型業務を24時間(90%削減)まで圧縮できました。これは机上論ではなく、群馬・前橋で運営する自社EC事業での実測値です(削減の内訳は 自社EC事業の240時間→24時間 削減の詳細 にまとめています)。
切り替え前は、受発注・在庫・売上が別々のExcelに散らばり、「月末に各シートを開いて集計し、会議用のグラフを作る」という作業に時間が溶けていました。しかも見るのは月1回。欠品や売れ筋の変化に気づくのが遅れ、後追いの対応ばかりになっていました。これを Lark Base に集約し、受発注・在庫・売上を同じ Base で管理してダッシュボードに常時グラフ表示した結果、「集計する」という作業そのものが消え、数字は毎朝スマホで見えている状態になりました。
この事例の教訓は明確です。可視化の価値は「きれいなグラフ」ではなく「意思決定のタイミングが早まること」にあります。月末にまとめて振り返るのではなく、毎朝その日の数字を見て「今日は在庫が薄いこの商品を補充しよう」「この案件が止まっているから今日連絡しよう」と動ける。数字が見えるまでのタイムラグがゼロになると、経営判断の回転数が上がるのです。中小企業のDXを段階的に進める全体像は 中小企業の DX を 90 日で軌道に乗せる実践ロードマップ をご覧ください。
ダッシュボード導入の現実的3ステップ
結論として、経営ダッシュボードの導入は「最初から完璧な全社版を作る」ことではなく、1つの数字から始めて育てていく段階作業です。次の順番が現実的です。
ステップ1:見たい数字を3つに絞る
あれもこれもと欲張らず、まず「毎朝これだけは見たい」という数字を3つ選びます。多くの会社では「今月売上」「案件パイプライン」「在庫(または入金)」あたり。この3つをメトリックカードとグラフにするだけで、経営の体感は大きく変わります。
ステップ2:元データを Lark Base に集める
選んだ3つの数字の元データを Lark Base のテーブルに入れます。Excelからの移行でも、フォームでの新規入力でも構いません。ここが土台で、データさえ Base に入れば、可視化はノーコードで後からいくらでも足せます。
ステップ3:無料 Starter で雛形を作り、価値を確認してから広げる
20名以下なら無料の Starter でダッシュボードを試作し、「毎朝見える」価値を経営者・現場が体感してから、人数や機能に応じて Pro へ広げます。最初から作り込まず、使いながらブロックを足していくのがノーコードの強みです。
💡 中間 CTA: 「まず見たい3つの数字」を一緒に決め、Lark Base のテーブル設計からダッシュボードの雛形まで60分で道筋をつけます。無料相談へどうぞ。DX全体の進め方は DXコンサルティング、Lark の導入支援は Lark 導入支援サービス もご覧ください。
よくある質問(FAQ)
Q. Lark Base のダッシュボードは、追加料金なしで使えますか?
はい。ダッシュボードは Lark Base の標準機能で、可視化のための追加ライセンスは不要です。かかるのは Lark 本体のプラン料金(Starter は20名まで無料、Pro は1名あたり月¥1,420・税抜/年払い)だけです。20名以下なら無料の Starter プランでもダッシュボードを作成できます(出典: Lark公式プラン、2026年8月確認)。
Q. スマホでダッシュボードのグラフは見られますか?
見られます。モバイル版 Lark でダッシュボードを閲覧でき、2026年3月のアップデート(V7.64)以降は「グラフ連携」機能にも対応しました。1つのグラフでデータを選ぶと、連携した他のグラフも自動で絞り込まれるため、スマホで数字を操作しながら深掘りできます(出典: Lark公式 更新ログ V7.64)。
Q. どんなグラフが作れますか?Excelのピボットの代わりになりますか?
縦棒・折れ線・円・横棒・面・レーダー・散布図・複合グラフに加え、メトリックカード(合計・平均・前期比)、ピボットテーブル、目標達成チャート、ファネル、ランキング、ビューブロック(ガント等)など20種類超のブロックがあります。ピボットテーブルは合計・カウント・平均に多軸集計を加えられるため、Excelのピボットの代替として使えます(出典: Lark公式ヘルプ「Base でダッシュボードを使用する」)。
Q. Power BI や Tableau のような専用BIツールと、どちらを選ぶべきですか?
全社の多数のデータ源を横断し高度な分析をするなら専用BIツールに分があります。一方、中小企業が経営会議で見たい「売上・粗利・案件・在庫・KPI」の可視化は、Lark Base ダッシュボードの標準機能でほぼ足ります。最大の違いは、専用BIが外部からデータを取り込む「連携(ETL)」を前提とするのに対し、Lark Base は可視化するデータが同じ Base 内にあるため連携が要らず“止まりにくい”点です。まず標準機能で足りるかを確かめるのが得策です。
Q. 部署ごとに見せる数字を変えられますか?
変えられます。ダッシュボードの権限は Base ファイルの権限と連動し、「訪問者権限に応じて処理」機能を有効にすると、管理者以外のユーザーは自分の権限範囲内のデータだけをダッシュボードで表示できます。全社ダッシュボードを1つ作れば、各部署の担当者が開いたときには自部署の数字だけが見える、といった運用が可能です(出典: Lark公式ヘルプ)。
まとめ — 数字は「集計するもの」から「毎朝見えているもの」へ
Lark Base ダッシュボードは、経営数字の可視化を「専用BIツールの導入プロジェクト」から「Base に貯めたデータをノーコードでグラフにするだけの日常作業」へと変えます。判断の原則は3つ。①データの入れ物(Lark Base)と可視化(ダッシュボード)が一体なので、連携(ETL)が要らず止まらない、②メトリックカード・目標達成チャート・ピボットなど中小企業に必要なブロックは標準で揃っている、③2026年のアップデートでスマホでのグラフ操作(V7.64)や Docs へのリアルタイム埋め込み(V7.68)まで対応した。専用BIを買う前に、まず標準機能で足りるかを確かめる——これが多くの中小企業にとっての現実解です。
当社は自社EC事業で「月末に集計する運用」から「毎朝ダッシュボードで見る運用」へ切り替え、月240時間→24時間(90%削減)を実証しました。高額BIツールありきではなく、まず無料の Starter で雛形を作る段階導入を中立にご提案します。まずは「毎朝これだけは見たい数字を3つ」書き出すところから始めてください。
貴社の経営数字を「毎朝スマホで見える」ダッシュボードにする設計を60分で
「毎月見たい数字(売上・粗利・案件・在庫・入金・KPI)」を棚卸しし、Lark Base のどのテーブルから、どのブロックで、誰がどの端末で見るかを1枚の設計マップ(Lark Docs)にして無料でお渡しします。まずは20名まで無料の Starter で作る雛形の設計まで、その場で道筋をつけます。高額BIツールありきではなく、標準機能で足りるかから中立にご提案します(その場での売り込みはしません)。
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- アウフヘーベンジャパン株式会社 会社案内 — 群馬・前橋拠点。Lark 導入を支援する独立系コンサルティング事業者。
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