春闘2027完全ガイド — 連合「6%中心・5%以上」要求とスケジュール・相場の読み方を中小企業がLarkで原資捻出する実務ガイド

賃上げ / 春闘2027 / 中小企業の原資設計

春闘2027完全ガイド — 連合「6%中心・5%以上」要求とスケジュール・相場の読み方を中小企業がLarkで原資捻出する実務ガイド

2026年10月22日、労働組合の全国組織である連合(日本労働組合総連合会)が2027年春闘(春季生活闘争)の基本構想を決定しました。賃上げ要求は定期昇給込みで「6%中心・5%以上」、ベースアップ(ベア)相当で「4%中心・3%以上」。「5%以上」の要求は4年連続で、物価高の長期化を受けて今回新たに「6%中心」という上向きの指標が加わりました。ニュースでは数字だけが切り取られて報じられますが、中小企業の経営者にとって本当に大事なのは、この要求水準が「いつ・どんな順番で・自社の人件費にどう効いてくるのか」をスケジュールと相場の両面で理解し、追随ではなく自社で『払える賃上げ』を設計することです。

本記事は、連合の基本構想と2026春闘の最終実績という一次情報をもとに、①そもそも春闘とは何か(相場形成の仕組み)②春闘2027の全体スケジュール(基本構想→年内方針決定→要求提出→集中回答日)③2027相場の見通しを整理します。そのうえで、相場に押し流されずに賃上げ原資を自社で捻出するために、Larkで人時生産性を上げる実務手順まで解説します。社員10〜100名規模で、人件費の上昇に頭を悩ませている中小企業の経営者・総務/人事担当者を想定しています。

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目次

この記事でわかること

  • 連合の2027春闘基本構想(2026年10月22日決定)の全体像 — 定昇込み「6%中心・5%以上」、ベア「4%中心・3%以上」、中小別目安、2030年めど+15%の中期目標を一次情報で確認
  • そもそも春闘とは何か・なぜ中小企業も無関係でいられないのか — 相場形成の仕組みと、春闘相場が最低賃金・採用市場に波及するメカニズム
  • 春闘2027の全体スケジュール早見表 — 基本構想(10月)→年内方針決定→要求提出(2月)→集中回答日(3月)→中小・地場の後半戦まで
  • 2027相場の見通し — 2026春闘実績5.01%(中小4.69%)・2025年5.25%という実績と、経団連の姿勢から読む2027年の相場感
  • 中小企業が相場に追随せず『払える賃上げ』を設計する方法 — 賃上げ原資をLarkの業務効率化で捻出する実装と、社員30名での料金の一次情報

目次

  1. 結論 — 春闘2027の要求は「定昇込み6%中心・5%以上/ベア4%中心・3%以上」。中小は追随でなく設計で挑む
  2. そもそも春闘とは — 相場形成の仕組みと、中小企業が無関係でいられない理由
  3. 春闘2027の全体スケジュール — 基本構想(10月)から集中回答日(3月)までの早見表
  4. 連合の2027春闘基本構想を読み解く — 6%中心・5%以上/ベア/中小別目安/中期目標
  5. 2027相場の見通し — 2026実績5.01%・中小4.69%と経団連の姿勢から読む
  6. ベアと定期昇給の違い — 「賃上げ率◯%」の数字を正しく読む
  7. 中小企業が春闘相場にどう向き合うか — 「相場に追随」ではなく「払える原資の設計」
  8. 賃上げ原資をLarkで捻出する — 人時生産性を上げる実装(自社240h→24h)
  9. コスト — 社員30名で原資捻出の基盤を Lark に載せるといくらか(料金の一次情報)
  10. 中小企業がやりがちなつまずきと回避策
  11. よくある質問(FAQ)
  12. まとめ

結論 — 春闘2027の要求は「定昇込み6%中心・5%以上/ベア4%中心・3%以上」。中小は追随でなく設計で挑む

結論: 連合が2026年10月22日に決定した2027春闘の基本構想は、賃上げ要求を定期昇給込みで「6%中心・5%以上」、ベースアップ相当で「4%中心・3%以上」とし、中小組合には「20,000円以上(定昇込み)・6%以上」という別目安を掲げました。「5%以上」は4年連続で、物価高を背景に「6%中心」という上向きの指標が新たに加わっています。中小企業がとるべき対応は、この相場に機械的に追随することではなく、2026春闘で中小の賃上げ率が全体を下回った(4.69% 対 全体5.01%)現実を踏まえ、『自社がいくらまで払えるか』を人件費と業務効率の両面から設計することです。

春闘は大企業・労働組合のニュースだと思われがちですが、そこで形成される「賃上げ相場」は中小企業の採用市場と賃金水準に確実に波及します。相場が上がれば、求人で提示する初任給や時給の相場も上がり、既存社員の賃上げ圧力も強まります。さらに後述するとおり、春闘相場は最低賃金の引き上げ(2026年度は全国加重平均が過去2番目の上げ幅で1,177円に到達)とも連動しており、労働組合のない中小企業であっても、賃上げの波から逃れることはできません。

だからこそ、本記事が提案するのは「相場を予想して身構える」ことではなく、「払える賃上げ原資を自社で設計する」という発想の転換です。賃上げの原資は、売上を増やすか、コスト(とりわけ非付加価値な間接業務の時間)を減らすかでしか生まれません。春闘相場という外部要因に振り回される前に、自社の人時生産性を上げて原資を内製することが、持続的に賃上げを続ける唯一の道です。賃上げ予想の数値と原資捻出術そのものは2027年の賃上げ予想と中小企業の原資捻出術で、人件費シミュレーションの具体的な組み方は最低賃金2027に備える人件費シミュレーションで詳しく解説しています。本記事は、その前提となる「春闘2027そのもの(要求・スケジュール・相場形成の仕組み)」を一次情報で整理する位置づけです。

そもそも春闘とは — 相場形成の仕組みと、中小企業が無関係でいられない理由

結論: 春闘(春季生活闘争)とは、毎年春に労働組合が賃上げなどの労働条件を経営側と交渉する、日本独自の賃金決定の仕組みです。連合などの労働組合が要求の「相場観」を提示し、大企業・主要産業の交渉結果が中小企業や未組織企業の賃金水準に波及する「相場形成機能」を持ちます。労働組合のない中小企業であっても、この相場は採用市場・最低賃金を通じて必ず影響してくるため、無関係ではいられません。

春闘は、産業や企業ごとにバラバラに行われる賃金交渉を、毎年同じ時期(春)に一斉に行うことで、労働側の交渉力を高める仕組みとして定着してきました。流れとしては、まず連合が「賃上げ要求の方針(相場観)」を示し、それを受けて各産業別労働組合(金属・電機・自動車など)が要求を固め、2月ごろに各企業の労働組合が経営側に要求書を提出、3月に主要企業が一斉に回答する「集中回答日」を迎えます。この主要企業の回答が、その年の「賃上げ相場」として報道され、以降に交渉する中小企業や地場企業の交渉の基準になっていきます。

ここで中小企業の経営者が理解しておくべきは、「春闘相場は、労働組合のない会社にも波及する」という点です。波及の経路は主に3つあります。第一に採用市場。相場が上がれば求人票の初任給・時給の相場も上がり、相場並みに出さなければ応募が来なくなります。第二に既存社員の期待。「世間は◯%上がったらしい」という情報は社員にも届き、賃上げをしなければ離職やモチベーション低下につながります。第三に最低賃金への波及です。春闘相場と物価動向は、毎年夏に決まる地域別最低賃金の引き上げ幅の重要な判断材料になります。2026年度の地域別最低賃金は全国加重平均が前年の1,121円から56円引き上げの1,177円となり、目安制度が始まった1978年度以降で2番目に大きい上げ幅となりました(都道府県別の一覧と2027年予想は最低賃金2026 都道府県別一覧&2027予想にまとめています)。

つまり、春闘の賃上げ相場は「大企業だけの話」ではなく、採用・社員の期待・最低賃金という3つの経路を通じて、中小企業の人件費を押し上げる構造的な力です。この力を「来てから慌てる」のではなく、スケジュールと相場観を先に押さえて、自社の原資設計に織り込むことが本記事の狙いです。

春闘2027の全体スケジュール — 基本構想(10月)から集中回答日(3月)までの早見表

結論: 春闘のスケジュールは例年ほぼ同じ時系列で進みます。2026年10月に連合が基本構想を示し、年内(12月の中央委員会)に正式な闘争方針を決定、年明け1〜2月に経営側(経団連)との労使フォーラムや各社への要求書提出、そして3月中旬の「集中回答日(ヤマ場)」で主要企業が一斉回答し、その年の相場が固まります。中小企業や地場企業の交渉は、その相場を受けて3〜5月にかけて行われる「後半戦」になります。

春闘2027の主な時系列を、中小企業がウォッチすべきポイントとともに早見表にまとめます。日付は例年の通例に基づく見込みを含むため、確定日は連合・経団連の公表で確認してください。

時期 主な動き 中小企業のウォッチポイント
2026年10月22日
(済)
連合が2027春闘の基本構想を決定(要求「6%中心・5%以上」等) 相場観の方向性を把握。自社の原資試算に着手する号砲
2026年内(12月) 連合が中央委員会で正式な闘争方針を決定 最終的な要求水準の確定を確認(基本構想から大きく変わることは少ない)
2027年1〜2月 経団連が経営側の方針(経労委報告)を公表。労使フォーラム。各社労組が要求書を提出 経団連の姿勢(ベア継続のトーン)を確認。自社の回答方針の原案を固める
2027年3月中旬 集中回答日(ヤマ場) — 主要大手企業が一斉に回答。その年の相場が固まり大きく報道される 相場の確定値を把握。採用の提示額・既存社員への説明の基準にする
2027年3〜5月 中小・地場企業の交渉(後半戦)。連合は中小の結果を随時集計・公表 自社の賃上げを最終決定・実施。中小の集計値が出そろう
2027年7月ごろ 連合が春闘の最終集計を公表(全体・中小別の賃上げ率) 翌年度の相場観・最低賃金審議(夏)の判断材料に

このスケジュールで中小企業にとって重要なのは、「集中回答日(3月中旬)で相場が固まってから動くのでは遅い」ということです。相場が報じられてから自社の原資を慌てて探すと、根拠の薄い「防衛的賃上げ(人材流出を防ぐための、業績に裏付けのない賃上げ)」に陥りがちです。基本構想が出た今(2026年10月)から、集中回答日までの約5か月間で、自社がいくらまで払えるかを数字で詰めておく——これが相場に振り回されないための準備期間です。

連合の2027春闘基本構想を読み解く — 6%中心・5%以上/ベア/中小別目安/中期目標

結論: 連合の2027春闘基本構想(2026年10月22日決定)の要点は4つです。①定期昇給込みの賃上げ要求を「6%中心・5%以上」とし、物価高を背景に「6%中心」の指標を新設。②ベースアップ(ベア)相当は「4%中心・3%以上」。③中小組合には「20,000円以上(定昇込み)・6%以上」の別目安を設定し、大企業との格差是正を重視。④2030年をめどに賃金水準を現行から15%程度引き上げ、実質賃金の改善スピードを年1%以上で維持するという中期目標を新たに掲げました。正式な闘争方針は年内に確定します。

連合は2026年10月22日、2027年春季生活闘争(春闘)の基本構想を決定しました。報道各社が伝えた要点を、一次情報(連合の公表内容)に沿って整理します。要求水準は次のとおりです。

区分 2027春闘の要求水準 ポイント
全体(定期昇給込み) 6%中心・5%以上 「5%以上」は4年連続。「6%中心」は物価高を背景に今回新設した上向きの指標
ベースアップ(ベア)相当 4%中心・3%以上 定昇を除いた純粋な賃金水準の底上げ分。生活向上に直結する部分
中小組合の別目安 20,000円以上・6%以上(定昇込み) 大企業との格差是正のため、率だけでなく「額」でも目安を提示

注目すべきは、連合が「5%以上」を最低限の目標として4年連続で掲げつつ、新たに「6%中心」という一段高い指標を併記した点です。これは、物価上昇が長引くなかで「5%では実質賃金の改善が十分に進まない」という判断を反映しています。実際、名目賃金が上がっても物価の上昇がそれを上回れば、働く人の購買力(実質賃金)はむしろ目減りします。連合はこの実質賃金の改善を強く意識し、要求のトーンを前年より一段引き上げた格好です。

もう一つの重要点が、中小組合向けの「20,000円以上・6%以上」という別目安です。2026春闘の最終結果を見ると、全体の賃上げ率5.01%に対し、中小(300人未満)は4.69%にとどまり、依然として大企業との格差が残りました。連合はこの格差是正を優先課題と位置づけ、率(%)だけでは企業規模による差が開きやすいことを踏まえて、「額(円)」での目安も併せて示すことで、中小の底上げを促そうとしています。

さらに連合は、単年度の要求に加えて中期目標も新たに設定しました。「2030年をめどに賃金水準を現行から15%程度引き上げる」こと、そして「日本全体の実質賃金の改善スピードを少なくとも年1%以上で維持する」ことです。これは、春闘を単年度の労使交渉で終わらせず、数年がかりで賃金の持続的上昇を定着させるという連合の意思を示しています。中小企業にとっては、「賃上げは2027年だけの一過性のイベントではなく、少なくとも2030年まで続く構造的な流れだ」という前提で経営計画を立てる必要がある、というメッセージと読めます。なお、これらの基本構想は連合の正式な闘争方針の「たたき台」であり、最終的な方針は年内(12月の中央委員会)に確定します。最新の内容は連合(日本労働組合総連合会)公式サイトで確認してください。

「賃上げは2030年まで続く」前提で、自社の原資は足りていますか?

連合は2030年めどに現行比15%程度の引き上げという中期目標を掲げました。単年度ではなく数年続く賃上げを前提にすると、「毎年どこから原資を出すか」の設計が経営の生命線になります。60分の無料相談で、御社の人件費と間接業務を棚卸しし、賃上げ原資を業務効率化で捻出する道筋を一緒に描きます。

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2027相場の見通し — 2026実績5.01%・中小4.69%と経団連の姿勢から読む

結論: 2027春闘の相場は、2026春闘の実績(全体5.01%・中小4.69%、いずれも3年連続5%台)と、経営側(経団連)が「ベースアップ実施の検討をスタンダードに位置づける」という前向きな姿勢を維持していることから、2027年も高水準の賃上げが続く公算が大きいと見られます。ただし中小企業では、価格転嫁の遅れから相場に届かないケースも残るため、相場の数字をそのまま自社の目標にするのではなく、自社の収益力に見合った水準を設計することが現実的です。

相場を読むうえで出発点になるのが、直近の実績です。連合の最終集計によれば、賃上げ率は次のように推移しています。

年(春闘) 全体の賃上げ率(定昇込み) 中小(300人未満)
2025年 5.25% —
2026年(最終集計) 5.01%(月16,400円) 4.69%(月12,866円)
2027年(要求) 6%中心・5%以上(連合要求) 20,000円以上・6%以上(別目安)

2026春闘は、全体で5.01%(月額16,400円)と3年連続で5%台を維持しました。前年の5.25%からはわずかに鈍化したものの、依然として歴史的に見て高い水準です。一方で中小は4.69%(月額12,866円)と全体を0.3ポイント強下回り、連合が中小向けに掲げた「6%以上」の目標には届きませんでした。「相場は高いが、中小は相場どおりには上げられていない」のが実態です。

経営側の姿勢も相場を左右します。経団連は賃上げモメンタムの「浸透・定着」を掲げ、ベースアップの実施検討を引き続き「スタンダード(標準)」と位置づける前向きな態度を維持しています。労働側・経営側ともに前年からのトーンダウンは見られず、物価上昇が続くかぎり、2027年も高水準の賃上げ基調は続くと見るのが自然です。

ただし中小企業にとっての実感は、この相場の数字とは距離があります。相場どおりの賃上げができない最大の理由は、原資を生む「価格転嫁」が十分に進んでいないことです。原材料費やエネルギー費、人件費の上昇分を取引価格に反映できなければ、賃上げの原資は出ません。だからこそ、相場という外部の数字を追いかける前に、自社の収益構造と業務効率に目を向ける必要があります。相場予想の詳細な数値と原資の捻出術は2027年の賃上げ予想と中小企業の原資捻出術に、賃上げ促進税制など税制面での後押しの活用は賃上げ促進税制2027改正と中小企業の実務にまとめています。

ベアと定期昇給の違い — 「賃上げ率◯%」の数字を正しく読む

結論: 春闘で報じられる「賃上げ率◯%」は、多くの場合「ベースアップ(ベア)+定期昇給(定昇)」を合わせた数字です。定昇は年齢・勤続に応じて毎年自動的に上がる分(賃金カーブ内の移動)で、企業の人件費総額は原則変わりません。一方ベアは賃金表そのものを書き換えて全体を底上げする分で、人件費総額が純増します。連合の2027要求「定昇込み6%中心・ベア4%中心」を正しく読むと、純粋な底上げ(ベア)で4%程度を求めている、という意味になります。この違いを理解しないと、自社の人件費負担を読み違えます。

中小企業の経営者が賃上げの数字を読むときに最も混乱しやすいのが、この「ベア」と「定昇」の違いです。両者はまったく性質が異なります。

  • 定期昇給(定昇) — 年齢や勤続年数、評価に応じて、あらかじめ定めた賃金表(賃金カーブ)の中で毎年自動的に上がる仕組み。一人ひとりの賃金は上がりますが、若手の新規採用と高給者の退職が釣り合えば、会社全体の人件費総額は理論上は変わりません。いわば「社内での昇給」です。
  • ベースアップ(ベア) — 賃金表そのものを書き換えて、全従業員の基準額を一律に引き上げること。これは会社の人件費総額が純粋に増えるため、原資が必要です。物価上昇に対して生活水準を守る、というときに効くのはこのベアの部分です。

つまり、連合の2027要求「定昇込み6%中心・5%以上/ベア4%中心・3%以上」を分解すると、おおむね「定昇で2%程度+ベアで4%程度=合計6%程度」という構成を想定していることになります。中小企業にとって本当に負担が増えるのは、人件費総額が純増するベアの部分です。報道の「賃上げ率◯%」という大きな数字だけを見て身構えるのではなく、「そのうちベアが何%なのか」を分けて捉えることで、自社に必要な原資を正確に見積もれます。賃金制度や賃金表の設計そのものは社会保険労務士・人事コンサルタントの専門領域なので、具体の制度設計は専門家と連携してください。本記事とLarkが担うのは、その判断の土台となる「人件費データを正確に・一元的に把握する」部分です。

中小企業が春闘相場にどう向き合うか — 「相場に追随」ではなく「払える原資の設計」

結論: 中小企業が春闘相場に向き合う正しい姿勢は、「相場が6%なら自社も6%」と機械的に追随することではありません。相場に届かない賃上げは人材流出を招き、収益を無視した賃上げは経営を危うくします。とるべきは、①自社の収益力で払える上限を把握し、②不足分の原資を業務効率化(人時生産性の向上)と価格転嫁で生み出し、③限られた原資を評価・配分で最大限に効かせる、という「設計」のアプローチです。

春闘相場という外部の数字に対して、中小企業がとりうる姿勢は3つに整理できます。

姿勢 内容 リスク/評価
追随型 相場に合わせて賃上げ率を決める 収益の裏付けがなければ「防衛的賃上げ」になり、利益を圧迫し続ける
見送り型 原資がないので賃上げを抑える 採用難・人材流出が加速。人手不足で事業が回らなくなる最大のリスク
設計型(推奨) 払える上限を把握し、原資を効率化と価格転嫁で生み、配分を最適化 持続可能。賃上げを「コスト」でなく「投資」に変えられる

設計型のアプローチは、次の3ステップで進めます。第一に、自社がいくらまで払えるかを数字で把握すること。労働分配率(付加価値に占める人件費の割合)や一人あたり付加価値を見て、賃上げに回せる原資の上限を試算します。これはExcelでも可能ですが、人件費データや業績データが散らばっていると試算のたびに手間がかかるため、データの一元化が前提になります。

第二に、不足する原資を生み出すこと。原資の源泉は、売上を増やす「価格転嫁・付加価値向上」と、コストを減らす「業務効率化(人時生産性の向上)」の2つです。とりわけ中小企業がすぐに着手できて効果が大きいのが後者です。「探す・聞く・転記する・督促する」といった非付加価値な間接業務に費やしている時間を削れば、その分を本業(売上を生む業務)に振り向けられ、同じ人数でより多くの付加価値を生めるようになります。これが賃上げ原資の内製です。

第三に、限られた原資を最大限効かせる配分です。一律のベアだけでなく、評価や役割に応じた配分、最低賃金引き上げの影響が大きいパート層への重点配分などを組み合わせ、同じ原資でも定着・採用への効果を高めます。最低賃金引き上げ分を業務改善で吸収しながら設備投資も両取りする方法は業務改善助成金2026 完全ガイド、最低賃金上昇分をそのまま吸収する実務は最低賃金2026 増える人件費をLarkで吸収する実装ガイドで解説しています。

賃上げ原資をLarkで捻出する — 人時生産性を上げる実装(自社240h→24h)

結論: 賃上げ原資を業務効率化で生み出すには、「非付加価値な間接業務の時間」を削るのが最短ルートです。Lark なら、チャット・業務DB(Base)・承認・ビデオ会議・ドキュメントを1つに統合し、情報の探し回り・転記・督促といったムダ時間を構造的に減らせます。当社は自社EC事業の間接業務を Lark に集約し、月240時間→24時間(90%削減・自社比)を実証しました。この削減時間こそが、賃上げに回せる原資の源泉です。

賃上げ原資を「業務効率化で生む」とは、具体的にどういうことか。中小企業の間接業務の多くは、付加価値(売上)を直接生まない「探す・聞く・転記する・督促する」に費やされています。たとえば、在庫や顧客情報が複数のExcelとメールに散らばっていれば、必要な情報を探すだけで時間が消え、担当者間で「あの件どうなった?」と聞き合い、同じ数字を複数の表に転記し、締め切りが近づくたびに督促の連絡を入れる——こうした作業は、一つひとつは小さくても、積み上げると膨大な時間になります。この時間を削れば、同じ人数でより多くの付加価値を生めるようになり、賃上げの原資が生まれます。

Lark でこのムダ時間を削る設計は、次のような役割分担になります。

  • ① 情報を1か所に集める(Lark Base) — 受注・在庫・顧客・案件などの業務データを Base に集約し、「探す」時間をゼロに近づける。複数のExcelをまたいだ転記も、Base上で自動計算・連携すれば不要になります
  • ② 連絡と確認をチャットに寄せる(Lark Chat) — 「あの件どうなった?」の聞き合いを、案件ごとのチャットやBaseのコメントに集約し、探し回りと行き違いをなくす
  • ③ 督促を自動化する(Base の自動化) — 期日が近づいたら担当に自動でリマインドが飛ぶようにし、「督促の連絡」という人手の作業自体をなくす
  • ④ 承認を電子化する(承認ワークフロー) — 稟議・申請の紙とハンコ・メールの往復を、Lark の承認フローに置き換え、待ち時間と差し戻しの手間を削減
  • ⑤ 会議とドキュメントも同じ場所に(VC/Docs) — ツールを行き来する切り替えコスト(スイッチングコスト)をなくし、1つのアプリで業務が完結する

当社(アウフヘーベンジャパン)は、もともと自社EC事業を営んでおり、受注・在庫・仕入・顧客対応の情報が複数のExcelとメール、チャットに散らばっていました。これを Lark Base を中心に集約し、入力はフォーム、連絡はChat、確認は承認、通知は自動化という役割分担に整理した結果、「探す・聞く・転記する・督促する」間接業務を月240時間から24時間へ、90%削減(自社比)できました。この圧縮で生まれた時間は、本業や新しい取り組みに振り向けられます。賃上げの原資は、こうして生み出した時間(=人時生産性の向上)から出てくるのです。Lark Base の基礎と中小企業に効く理由はLark Base が中小企業の業務効率を変える3つの理由、効率化を90日で軌道に乗せる進め方は中小企業 DX を90日で軌道に乗せる実践ロードマップで詳しく解説しています。

コスト — 社員30名で原資捻出の基盤を Lark に載せるといくらか(料金の一次情報)

結論: 社員30名で業務効率化・人件費管理・社内連絡の基盤を Lark に載せる場合、Lark Pro プランで月額約42,600円(¥1,420×30名・税抜・年払い)が目安です。賃上げ原資の捻出で削減できる時間(自社では月240時間→24時間)の人件費換算を考えれば、投資回収は十分に見込めます。チャット・業務DB・承認・ビデオ会議まで1つに集約できるのが Lark の強みです。

Lark の料金は公式に公開されています。Lark公式プランページ(2026年10月時点)によれば、主なプランは次のとおりです。

プラン 料金(1ユーザーあたり月額) 主な上限
Starter 無料 20名まで / ストレージ100GB / Base 1テーブル2,000行
Pro ¥1,420(税抜・年払い) 500名まで / ストレージ15TB / Base 1テーブル2万行
Enterprise 要お問い合わせ(個別見積) 人数無制限 / Base 1テーブル5万行

20名までは Starter プランが無料で使えるため、まず少人数のチームで業務効率化を試し、全社展開のタイミングで Pro(社員30名なら月額¥1,420×30=約42,600円・税抜・年払い)へ移行するのが現実的です。ここで費用対効果を考えてみましょう。仮に時給2,000円換算で月200時間の間接業務を削減できれば、それだけで月40万円分の工数が浮く計算になります。Pro の月額約42,600円は、その一部にすぎません。浮いた工数を賃上げ原資に回すという発想が、Lark 導入を「コスト」ではなく「原資づくりの投資」に変えます。ツール選定で kintone や Notion と迷う場合はLark vs kintone 中小企業向け徹底比較も参考にしてください。なお、2026年以降は年金制度改正による社会保険料負担の増加も重なります。賃上げと社保コスト増を同じ人件費計画で見通したい場合は年金制度改正法2025 施行スケジュールも合わせてご覧ください。

中小企業がやりがちなつまずきと回避策

結論: 春闘相場への対応でよくある失敗は、「相場の数字だけを見て身構える」「ベアと定昇を区別せず人件費を読み違える」「原資の裏付けなく防衛的に賃上げする」「原資づくり(効率化)を後回しにする」の4つです。いずれも、一次情報の正確な理解と、人件費データの一元化・業務効率化で回避できます。

つまずき 回避策
「相場6%」の数字だけで身構える 相場は要求水準であり妥結ではない。2026実績(全体5.01%・中小4.69%)という現実値で冷静に捉える
ベアと定昇を区別しない 人件費総額が純増するのはベア。「賃上げ率◯%のうちベアは何%か」を分けて原資を見積もる
原資の裏付けなく防衛的に賃上げ 払える上限を労働分配率・付加価値で試算してから決める。データの一元化が前提
原資づくり(効率化)を後回し 集中回答日(3月)で相場が固まる前に、今(基本構想が出た10月)から業務効率化で原資を生み始める
賃金制度設計まで自前でやろうとする 賃金表・評価制度の設計は社会保険労務士・人事の専門領域。Larkは人件費データの一元把握と効率化に徹し、専門家と連携する

よくある質問(FAQ)

Q1. 連合の2027春闘の賃上げ要求は何%ですか?

連合が2026年10月22日に決定した2027春闘の基本構想では、定期昇給込みの賃上げ要求を「6%中心・5%以上」、ベースアップ(ベア)相当を「4%中心・3%以上」としています。「5%以上」の要求は4年連続で、物価高を背景に今回「6%中心」という一段高い指標が新たに加わりました。中小組合には「20,000円以上・6%以上(定昇込み)」の別目安も掲げられています。正式な闘争方針は年内(12月)に確定します。

Q2. 春闘2027の相場(妥結額)はいつ決まりますか?

主要大手企業が一斉に回答する「集中回答日(ヤマ場)」が2027年3月中旬ごろにあり、ここでその年の相場が固まって大きく報道されます。中小・地場企業の交渉はその相場を受けて3〜5月に行われ(後半戦)、連合の最終集計は例年7月ごろに公表されます。相場が固まってから動くと準備が間に合わないため、基本構想が出た今(2026年10月)から自社の原資試算を始めるのが得策です。

Q3. 労働組合のない中小企業も春闘に関係ありますか?

はい、関係あります。春闘で形成される賃上げ相場は、①採用市場(求人の初任給・時給の相場が上がる)②既存社員の賃上げ期待③最低賃金への波及、という3つの経路を通じて、労働組合のない会社にも影響します。2026年度の地域別最低賃金は全国加重平均が前年比56円増の1,177円まで上がっており、春闘相場と無関係ではいられません。

Q4. 2026年春闘の実績はどのくらいでしたか?

連合の最終集計によれば、2026春闘の賃上げ率は全体で5.01%(月額16,400円)と3年連続で5%台を維持しました。一方、中小企業(300人未満)は4.69%(月額12,866円)で全体を0.3ポイント強下回り、連合が中小向けに掲げた「6%以上」の目標には届きませんでした。前年の2025年は5.25%でした。相場は高水準でも、中小は相場どおりには上げられていないのが実態です。

Q5. 中小企業が賃上げの原資をつくるにはどうすればいいですか?

賃上げ原資の源泉は「売上を増やす(価格転嫁・付加価値向上)」か「コストを減らす(業務効率化・人時生産性の向上)」の2つです。とくに中小企業がすぐ着手できて効果が大きいのが後者で、「探す・聞く・転記する・督促する」といった非付加価値な間接業務の時間を削れば、同じ人数でより多くの付加価値を生めるようになります。当社は Lark で自社の間接業務を月240時間→24時間(90%削減・自社比)に圧縮しており、この削減時間が賃上げ原資の源泉になります。社員30名なら Lark Pro で月額約42,600円(税抜・年払い)が目安です。

まとめ — 賃上げは「相場の予想」ではなく「自社の設計」で決める

連合は2026年10月22日、2027春闘の基本構想で賃上げ要求を定昇込み「6%中心・5%以上」、ベア「4%中心・3%以上」とし、中小別目安「20,000円以上・6%以上」、2030年めど現行比+15%の中期目標も掲げました。春闘相場は採用市場・社員の期待・最低賃金を通じて、労働組合のない中小企業にも必ず波及します。しかし2026実績では中小の賃上げ率(4.69%)は相場(全体5.01%)に届いておらず、相場への機械的な追随は防衛的賃上げを招きます。

とるべきは、自社がいくらまで払えるかを数字で把握し、不足分の原資を業務効率化と価格転嫁で生み出す「設計」のアプローチです。当社は自社EC事業の間接業務を Lark で月240時間→24時間(90%削減・自社比)に圧縮した実体験をもとに、御社の人件費と業務を棚卸しし、「払える賃上げ原資の捻出マップ」を無料相談でお渡しします。

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出典・参考(一次情報・報道)

・連合(日本労働組合総連合会)公式サイト https://www.jtuc-rengo.or.jp/

・「連合が27年春闘の基本構想、賃上げ『5%以上・6%中心』要求」(Newsweek日本版・共同通信、2026年10月22日) https://www.newsweekjapan.jp/articles/-/337716

・「2026年春闘 賃上げ5.01%で3年連続5%超、中小4.69%(連合最終集計)」(時事通信、2026年7月3日) https://www.jiji.com/jc/article?k=2026070300852&g=eco

・厚生労働省「令和8年度地域別最低賃金改定(全国加重平均1,177円)」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/minimumichiran/


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