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賃上げ促進税制2027(令和8年度改正)完全ガイド — 中小企業の税額控除は最大45%→35%へ。最低賃金1,176円時代に賃上げ原資を Lark で捻出する実装手順
「賃上げ促進税制が縮小されるらしい」という噂で不安になっていませんか。結論から言うと、中小企業向けの制度は”廃止”ではなく”再編”です。令和8年度改正で 教育訓練費の上乗せ(+10%)が廃止され、中小企業の最大控除率は 45% → 35% に縮小しました。ただし 賃上げ本体の控除(給与+2.5%で30%)と、赤字でも使える5年間の繰越しは維持されています。一方で 最低賃金は2025年に全国平均1,121円(+6.3%・過去最大)、2026年は目安で1,176円(+55円) へと上がり続け、人件費は否応なく増えます。本記事は、改正の中身を中小企業庁の一次情報で正確に整理したうえで、最大の壁である 「賃上げ原資をどう作るか」を、当社の自社EC実証(月240時間→24時間)を軸に具体化します。
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この記事でわかること
- 令和8年度改正で何が変わったか — 中小の最大控除率 45%→35%、中堅 35%→30%、制度は中堅・中小の2本立てに再編(before/after一覧)
- 誤解されがちな「廃止 or 縮小」の正体 — 廃止されたのは教育訓練費の上乗せで、賃上げ本体の控除と5年繰越しは残る
- 適用期間と「今のうちに取りにいく」判断軸 — 令和8年4月1日〜令和9年3月31日開始事業年度。赤字でも繰越控除で使える
- 最低賃金1,176円時代の人件費インパクトと、税制優遇が縮む中での立ち回り方
- 最大の壁である「賃上げ原資の作り方」 — 業務効率化で原資を生み、税制・補助金・助成金をセットで使う実装手順
目次
- 結論 — 中小企業向けは「廃止」ではなく「再編」。控除は縮むが、原資は自分で作れる
- そもそも賃上げ促進税制とは — 増やした給与の一部を法人税から差し引ける制度
- 【本題】令和8年度改正で何が変わったか — before/after 一覧
- 中小企業向けの新・控除率を正しく読む(+1.5%/+2.5%/上乗せ/5年繰越し)
- 適用期間と「今のうちに取りにいく」判断 — 赤字でも繰越控除で使える
- 最低賃金1,176円時代 — 優遇が縮む一方で人件費は上がり続ける
- 最大の壁は「賃上げ原資がない」 — 値上げできない中小がどう作るか
- 賃上げ原資を業務効率化で捻出する — 自社EC 240h→24h と Lark で束ねる手順
- 税制・補助金・助成金をセットで使う — 政府の最賃対応支援
- 賃上げ×税制対応でよくあるつまずきと回避策
- よくある質問(FAQ)
- まとめ
結論 — 中小企業向けは「廃止」ではなく「再編」。控除は縮むが、原資は自分で作れる
結論: 令和8年度改正で賃上げ促進税制は再編されましたが、中小企業向けの制度は続きます。変わったのは「上限」です。教育訓練費による上乗せ(+10%)が廃止され、中小企業の最大控除率は 45% → 35% に下がりました。一方で、賃上げ本体の控除(全雇用者の給与総額が前年度比+1.5%で15%、+2.5%で30%)と、赤字でも翌年度以降に使える5年間の繰越しは維持されています。やるべきことは3つ。①改正後の控除率を正しく把握する、②適用期間(令和8年4月1日〜令和9年3月31日開始事業年度)内に賃上げを実行して控除を取りにいく、③そもそもの賃上げ原資を業務効率化で作る————この順番です。
ネット上では「賃上げ促進税制が廃止される」「縮小で使えなくなる」といった断片的な情報が飛び交っています。正確には、大企業向けの一般措置が対象から外れ、制度が「中堅企業向け」と「中小企業向け」の2本立てに整理されたのが今回の改正の骨格です。中小企業庁自身は令和8年度の制度を「強化」と位置づけていますが、これは純粋な賃上げへの重点化という意味であり、教育訓練費の上乗せがなくなった分、理論上の上限(45%→35%)は下がっています。この両面を正直に理解しておくことが、過大な期待も過度な不安も避ける出発点です。
そして本質的な論点は、税制そのものより手前にあります。税額控除は「黒字で法人税を払っていて」「賃上げを実行して」はじめて効く後払いの優遇です。多くの中小企業にとっての本当の壁は、「そもそも賃上げの原資がない」こと。値上げできる商売ばかりではありません。当社は自社EC事業で、受注・在庫・問い合わせ対応などの定型業務を Lark に集約し、月240時間かかっていた作業を24時間(90%削減)にしました。浮いた人件費は、そのまま賃上げや採用の原資になります。この記事は、「改正の正確な理解」→「適用の判断」→「最低賃金という外圧」→「原資の作り方」の順で、経営判断に必要な材料を一つにまとめます。人件費上昇そのものの吸収策は最低賃金2026×Lark 労務コスト効率化で詳しく扱っています。
そもそも賃上げ促進税制とは — 増やした給与の一部を法人税から差し引ける制度
結論: 賃上げ促進税制は、青色申告の中小企業者等が前年度より給与等の支給額を増やした場合、その増加額の一定割合を法人税(個人事業主は所得税)から直接差し引ける制度です。控除できる上限は「その年の法人税額の20%」まで。所得控除(課税所得を減らす)ではなく税額控除(税額そのものを減らす)なので、効きは大きいのが特徴です。
仕組みはシンプルです。たとえば全雇用者の給与総額が前年度から100万円増え、控除率が30%なら、100万円 × 30% = 30万円を法人税額から直接差し引けます。ただし控除上限は法人税額の20%なので、法人税額が100万円なら最大20万円までが上限、といった具合です。対象となる「給与等」には、正社員だけでなくパート・アルバイト・日雇い労働者も含まれます(役員および役員の特殊関係者は除く)。最低賃金の引き上げでパートの時給を上げた分も、給与総額の増加として算入できるわけです。
ここで押さえるべき前提が2つあります。第一に、税額控除は黒字(=法人税を払っている)でないと直接は効かないこと。第二に、それを補うために中小企業には「5年間の繰越し」が用意されていることです。今年は赤字で控除しきれなくても、その控除枠を翌年度以降(最大5年)に繰り越し、黒字化した年に使えます(繰り越すには、未控除額が発生した年度の申告で明細書の提出が必要)。この繰越しは令和6年度改正で新設され、令和8年度改正でも維持されました。「うちは赤字だから関係ない」と切り捨てるのは早計で、賃上げの記録を残しておけば将来の黒字化時に効いてくるのが中小企業向けの強みです。
【本題】令和8年度改正で何が変わったか — before/after 一覧
結論: 令和8年度改正の最大の変更点は、教育訓練費による上乗せ(中小+10%、中堅+5%)の廃止です。これにより中小企業の最大控除率は 45%→35%、中堅企業は 35%→30% に下がりました。制度は「中堅企業向け(従業員2,000人以下)」と「中小企業向け」の2本立てに整理され、それより大きな企業向けの一般措置は対象から外れています。賃上げ本体の控除率と、中小の5年繰越しは据え置きです。
まず、中小企業向けの新旧を並べます。数値はすべて中小企業庁「賃上げ促進税制」パンフレット(令和8年6月時点版)および令和6年度改正版の一次情報に基づく確定値です。
| 中小企業向け | 令和6年度改正(現行) | 令和8年度改正(新) |
|---|---|---|
| 賃上げ本体:給与総額+1.5% | 控除率 15% | 控除率 15%(据え置き) |
| 賃上げ本体:給与総額+2.5% | 控除率 30% | 控除率 30%(据え置き) |
| 上乗せ①:教育訓練費(前年度比+5%) | +10% | 廃止 |
| 上乗せ②:くるみん以上 or えるぼし二段階目以上 | +5% | +5%(据え置き) |
| 最大控除率 | 45% | 35% |
| 控除上限 | 法人税額の20% | 法人税額の20%(据え置き) |
| 未控除額の繰越し | 5年間 | 5年間(維持) |
ポイントは明確です。賃上げ本体(+1.5%で15%、+2.5%で30%)は1ミリも変わっていません。縮小したのは「教育訓練費に一定額を投じれば控除率を10%上乗せできる」という上乗せ枠が消えた部分だけ。人材投資を積極的に行っていた企業には痛手ですが、多くの中小企業にとって主戦場だった「給与を上げて30%控除」という中心的な使い方は温存されています。中堅企業向けも同様に教育訓練費の上乗せ(+5%)が廃止され、最大35%→30%になりました。
なお、中小企業は要件を満たせば中堅企業向けの制度を選んで使うこともできます。中堅企業向けは「継続雇用者の給与」が+4%で10%、+5%で15%、+6%で25%、これにプラチナくるみん等で+5%(最大30%)という設計です。給与を大きく引き上げられる年は、どちらの枠が有利かを試算して選ぶ余地があります。この種の「どちらが得か」の比較は、業務システムの選定と同じ思考で、当社がLark vs kintone の比較記事で示している「自社の使い方から逆算する」姿勢がそのまま活きます。
中小企業向けの新・控除率を正しく読む(+1.5%/+2.5%/上乗せ/5年繰越し)
結論: 令和8年度改正後の中小企業向けは「全雇用者の給与総額が前年度比+2.5%増で控除率30%」が基本形。ここに、くるみん認定以上またはえるぼし認定二段階目以上を持っていれば+5%が乗り、最大35%になります。判定に使うのは”継続雇用者”ではなく”全雇用者”の給与総額である点が、中小企業向けの使いやすさの核心です。
中小企業向けと中堅企業向けの決定的な違いは、賃上げ判定の分母です。中小企業向けは「全雇用者の給与等支給額(前年度比)」で判定します。年度をまたいで在籍した人だけを追う「継続雇用者」ベースの中堅・大企業向けと違い、新規採用や退職があっても会社全体の給与総額の伸びで見ればよいため、集計が格段に楽です。人の出入りが多い中小企業ほど、この差はありがたい設計になっています。
控除額の計算は、(適用年度の給与総額 − 前年度の給与総額)× 控除率。上乗せの子育て・女性活躍支援は、くるみん認定(プラチナくるみん含む)以上、またはえるぼし認定の二段階目以上を、適用事業年度中に取得していれば対象になります(プラチナ認定は年度末時点で取得していればよい)。認定取得は数か月かかるため、上乗せを狙うなら早めの着手が必要です。
かんたん試算:控除額の目安
全雇用者の給与総額が前年度 6,000万円 → 今年度 6,180万円(+3.0%)の場合
増加額 180万円 × 控除率30%(+2.5%基準を達成)= 54万円を法人税額から控除(法人税額の20%が上限)。くるみん認定があれば控除率35%で 63万円。
この試算をパート・アルバイト込みで正確に出すには、賃金台帳のデータを前年度と今年度で突合する必要があります。勤怠・給与データがタイムカードや複数のExcelに分散していると、この集計だけで数時間〜数日かかります。逆に、給与前段の集計を1か所に束ねておけば、賃上げ促進税制の判定も、後述する最低賃金対応も、毎年の作業が数分で終わります。こうした集計自動化はLark Base が中小企業の業務効率を変える3つの理由の典型的な使いどころです。
適用期間と「今のうちに取りにいく」判断 — 赤字でも繰越控除で使える
結論: 令和8年度改正後の制度が対象とするのは、令和8年4月1日から令和9年3月31日までの間に開始する事業年度(個人事業主は令和9年)です。制度は年度ごとに見直される時限措置なので、「使える枠があるうちに賃上げを実行し、控除を取りにいく」判断が重要。赤字でも5年繰越しで将来使えるため、賃上げの事実と明細書の記録を必ず残しておきましょう。
賃上げ促進税制は恒久措置ではなく、数年ごとに内容が改正される時限的な制度です。今回の令和8年度改正版は令和8年4月1日〜令和9年3月31日開始事業年度が対象。3月決算の会社なら令和8年度(2026年4月〜2027年3月)の1事業年度、それ以外の決算月なら該当する1事業年度が入ります。その先はまた改正で内容が変わる可能性があるため、「今の枠(賃上げ本体30%+上乗せ5%=最大35%)を確実に使い切る」のが基本戦略になります。
重要なのは、経済産業省が最低賃金対応支援策の中で明言しているとおり、「赤字企業でも繰越控除により利用できる」点です(経済産業省 2025年9月9日 プレスリリース)。今年度が赤字でも、賃上げを実行して明細書を添付しておけば、控除枠を最大5年間持ち越して黒字化した年に使えます。ここで多くの会社がつまずくのが「明細書の添付漏れ」です。未控除額を繰り越す場合は、発生した年度だけでなく、翌年度以降に繰り越す年も、黒字になって繰越控除を使う年も、毎回明細書の添付が必要になります。この「毎年忘れずに書類を出す」という運用こそ、記録と期限管理を仕組みで担保すべき領域です。書類の版管理・提出履歴を残す運用は中小企業DXの90日ロードマップで扱う定着プロセスと相性が良い部分です。
最低賃金1,176円時代 — 優遇が縮む一方で人件費は上がり続ける
結論: 賃上げ促進税制の上限が縮む一方で、最低賃金という「強制的な賃上げ」は加速しています。2025年(令和7年度)は全国加重平均が1,121円(+66円・+6.3%)と過去最大の引き上げ。2026年(令和8年度)は目安ベースで1,176円(+55円・+4.9%)です。税制優遇が薄くなっても人件費は否応なく増える————だからこそ「原資を作る側」の努力が、これまで以上に効いてきます。
最低賃金は国の政策として明確に右肩上がりです。厚生労働省が2026年7月28日に公表した令和8年度の目安は、Aランク(埼玉・千葉・東京・神奈川・愛知・大阪の6都府県)54円、Bランク56円、Cランク56円。目安どおりなら全国加重平均は前年度の1,121円から1,176円(+55円・引き上げ率4.9%)になります。前年の+66円・6.3%に次ぐ大幅な引き上げで、しかも実際には多くの県が目安を上回る額を答申しています。都道府県別の確定額・発効日は最低賃金2026×Lark 労務コスト効率化および都道府県別一覧の記事で詳報しています。
人件費インパクトは想像以上です。引き上げ額+55円・フルタイム月160時間・対象10人なら、55円 × 160時間 × 12か月 × 10人 = 年間約105.6万円のコスト増。さらに最低賃金近傍で働く人が多い業種では、その少し上の層(リーダー・古参パート)の賃金も上げないと社内の納得感が保てず、実際の負担は試算より膨らみます。社会保険適用者には事業主負担の保険料(概ね15%前後)も上乗せされます。この外圧に対して、賃上げ促進税制は「賃上げした分の一部を税で戻す」後押しではありますが、上限が35%に縮み、かつ黒字が前提である以上、税制だけで人件費増を吸収しきることはできません。
「うちは賃上げの原資が作れるのか?」を60分で見立てます
賃上げ促進税制も助成金も、原資があってこそ効きます。御社の業務のどこに人時が滞留しているかを棚卸しし、賃上げに回せる余地を一緒に可視化します。
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最大の壁は「賃上げ原資がない」 — 値上げできない中小がどう作るか
結論: 賃上げの原資を作る道は3つ。①価格転嫁(値上げ)、②粗利改善(仕入れ・外注の見直し)、③生産性向上(同じ人数で多くを回す)。①は取引先との力関係で限界があり、②は一度で終わります。持続的に原資を生むのは③の生産性向上で、これはツール導入より前に「業務のムダを消す」ことから始まります。
政府も価格転嫁の環境整備を進めています。中小受託取引適正化法(取適法)の施行や、年2回の価格交渉促進月間など、「賃上げ原資の確保のために価格転嫁を後押しする」方向は明確です(中小企業庁 賃上げ・最低賃金対応支援)。ただし、下請け構造や競争環境によっては値上げが通りにくい業種も多く、価格転嫁だけに頼るのは危うい。粗利改善も重要ですが、仕入れ交渉や外注見直しは一度効かせると次の一手が細ります。
結局、毎年数%上がり続ける人件費に耐えるには、時間あたり生産性を継続的に上げるしかありません。ここで多くの経営者が「うちには最新ツールを使いこなす人がいない」と足踏みします。しかし本当のボトルネックはツールではなく、同じ情報を何度も転記している、探し物に時間を溶かしている、二重入力でミスが出る————といった”見えないムダ”です。これらは特別なスキルがなくても、業務を1か所に束ねるだけで大きく減らせます。SaaSのコスト自体を見直したい場合は中小企業のSaaSコスト見直しガイドも参考になります。
賃上げ原資を業務効率化で捻出する — 自社EC 240h→24h と Lark で束ねる手順
結論: 当社は自社EC事業で、受注・在庫・問い合わせ対応などの定型業務を Lark に集約し、月240時間かかっていた作業を24時間(90%削減)にしました。浮いた約216時間分の人件費は、そのまま賃上げ・採用・新規事業の原資になります。ポイントは、チャット・表計算・タスク・承認・自動化を”別々のツール”ではなく”1つの土台”で回すことです。
内訳のイメージは、たとえば「受注データの転記(月80時間→2時間)」「在庫表の多重更新(月60時間→6時間)」「問い合わせ対応の記録・共有(月100時間→16時間)」のように、作業ごとに転記・確認・探し物の時間を圧縮した積み上げです(削減幅は業種・体制・繁忙度により差があります)。削減の中身を分解すると、大きく3つの効果があります。第一に転記・二重入力の消滅。受注データを表計算に手で写し、在庫表を別ファイルで更新し、問い合わせ内容をまたメモする————この多重管理を、Lark Baseという1つのデータベースに集約すると、入力は1回で済み、全員が同じ最新データを見られます。第二に探し物時間の消滅。「あのファイルどこ?」「最新はどれ?」が消え、検索一発で必要な情報にたどり着けます。第三に定型作業の自動化。「受注が入ったら担当に通知」「在庫が閾値を切ったら発注リマインド」といった処理を自動化ルールで回せば、人が張り付く必要がなくなります。
賃上げ促進税制との接続も具体的です。前述のとおり、控除額の判定には賃金台帳の前年度比較が必要で、最低賃金対応には時給改定・差額計算が必要です。これらを Lark Base に集約しておけば、「誰の給与をいくら上げ、給与総額が前年度比で何%増えたか」「その結果いくら控除できるか」が、毎年数分で出せるようになります。人事・給与前段のデータが散らばっている会社ほど、この一元化の効果は大きい。導入の進め方は中小企業DXを90日で軌道に乗せる実践ロードマップで、小さく始めて定着させる手順を解説しています。
コスト面でも中小企業に現実的です。Lark は20ユーザーまで無料の Starter プランがあり、それ以上でも Pro プランが1ユーザーあたり月1,420円(税抜・年払い、500ユーザーまで)です(Lark公式料金ページ・2026年9月時点)。チャット・ビデオ会議・ドキュメント・表計算・データベース・カレンダーが1つに含まれるため、複数のSaaSを束ねると結果的にツール費そのものも下がるケースが多くあります。業務システムの構築についてはLark Base 業務システム構築、導入支援全般はLark導入支援のサービスページをご覧ください。
税制・補助金・助成金をセットで使う — 政府の最賃対応支援
結論: 賃上げ促進税制(税額控除)に加えて、政府は最低賃金引き上げに対応する中小企業向けに、補助金と助成金を用意しています。設備・IT投資には「ものづくり補助金」「IT導入補助金」「省力化投資補助金」、賃上げと設備投資を両取りするなら「業務改善助成金」。税制・補助金・助成金は目的が違うため、重複して使える組み合わせが多くあります。
経済産業省は2025年9月の支援策公表で、最低賃金引き上げを受けてものづくり補助金・IT導入補助金・省力化投資補助金(一般型)について、要件の緩和や審査における優遇措置を新たに実施すると明言しています(経済産業省 2025年9月9日プレス)。つまり、賃上げに取り組む中小企業ほど、生産性投資の補助金が通りやすくなる設計です。整理すると次のようになります。
| 制度 | 性質 | 主な使いどころ |
|---|---|---|
| 賃上げ促進税制 | 税額控除(後払い) | 賃上げを実行した年の法人税を軽減(最大35%・上限20%・5年繰越し) |
| 業務改善助成金 | 助成金(設備投資の一部を助成) | 最低賃金近傍の賃上げ+生産性向上設備の同時実施 |
| 省力化投資補助金 | 補助金(省力化投資) | 人手不足解消の省力化・自動化投資 |
| IT導入補助金 | 補助金(ITツール導入) | 業務効率化ツールの導入費用の一部補助 |
王道の組み立ては、「補助金・助成金で生産性向上の設備・ITを入れて原資を作り、その原資で賃上げを実行し、賃上げ促進税制で法人税を軽減する」という循環です。補助金は業務効率化ツールの導入に、税制は賃上げそのものに効くため、狙いが重なりません。ただし各制度は公募時期・要件・申請書類が異なり、併用の可否も個別確認が必要です。制度の詳細と最新の公募状況は、各補助金の解説記事および中小企業庁の賃上げ・最低賃金対応支援で必ず一次情報を確認してください。
賃上げ×税制対応でよくあるつまずきと回避策
結論: 最も多い失敗は「教育訓練費の上乗せがまだある前提で最大45%を見込む」「赤字だから関係ないと繰越しを放棄する」「明細書の添付を毎年忘れる」の3つ。いずれも改正内容と手続きを正確に押さえ、記録を仕組みで残すことで防げます。
- 「最大45%」で試算してしまう。 令和8年度改正後の中小企業向けは最大35%です。教育訓練費に投資しても、もう上乗せ(+10%)はありません。古い情報のまま資金計画を組むと、見込んだ控除額と実際が10ポイント分ずれます。控除率は必ず中小企業庁の最新パンフレットで確認してください。
- 赤字だからと繰越しを放棄する。 中小企業は控除しきれない分を5年繰り越せます。今年赤字でも、賃上げを実行して明細書を添付しておけば、黒字化した年に控除できます。「今使えないから記録しない」は将来の節税機会を捨てる行為です。
- 明細書の添付を忘れる。 繰越しは、発生年度・繰り越す各年度・実際に控除する年度のすべてで明細書の添付が必要です。1年でも漏れると繰越しが使えなくなるおそれがあります。決算・申告のたびに確認する運用を、期限管理の仕組みに組み込みましょう。
- 賃金台帳の集計に毎年数日かける。 給与データが複数のExcel・紙に分散していると、給与総額の前年度比較や時給改定の差額計算に膨大な時間がかかります。データを1か所に束ねれば、税制判定も最低賃金対応も毎年数分で終わります。判断に迷う制度比較は主要ツールの使い分け判断基準も参考にしてください。
なお、税額控除の適用可否や併用の判断は個別事情に強く依存します。本記事は制度の全体像を一次情報で整理したものであり、具体的な適用判断は必ず顧問税理士・社会保険労務士等の専門家、および中小企業税制サポートセンター(中小企業庁)にご確認ください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 賃上げ促進税制は2027年に廃止されるのですか?
中小企業向けは廃止されていません。令和8年度改正で制度は再編され、「中堅企業向け(従業員2,000人以下)」と「中小企業向け」の2本立てに整理されました。中小企業向けは、賃上げ本体の控除(給与総額+1.5%で15%、+2.5%で30%)と5年繰越しが維持されています。廃止されたのは教育訓練費による上乗せ(+10%)で、その結果、最大控除率は45%から35%に下がりました。適用対象は令和8年4月1日〜令和9年3月31日開始事業年度です。
Q2. 令和8年度改正で中小企業の控除率はどう変わりましたか?
最大控除率が45%から35%に下がりました。内訳は、賃上げ本体が最大30%(給与総額+2.5%)で据え置き、くるみん認定以上またはえるぼし認定二段階目以上による上乗せ+5%も据え置き。廃止されたのは教育訓練費による上乗せ+10%です。控除上限(法人税額の20%)と5年繰越しは変わりません。数値は中小企業庁「賃上げ促進税制」パンフレット(令和8年6月時点版)に基づきます。
Q3. 赤字でも賃上げ促進税制は使えますか?
その年に直接は控除できませんが、中小企業は控除しきれなかった額を最大5年間繰り越せます。賃上げを実行して申告時に明細書を添付しておけば、黒字化した年に控除できます。経済産業省も最低賃金対応支援策の中で「赤字企業でも繰越控除により利用できる」と明言しています。繰り越す各年度で明細書の添付が必要な点に注意してください。
Q4. 2026年(令和8年度)の最低賃金は全国平均でいくらですか?
中央最低賃金審議会が2026年7月に示した目安どおりなら、全国加重平均で前年度の1,121円から1,176円へ、+55円(引き上げ率4.9%)となります。前年の令和7年度は+66円・6.3%と過去最大でした。実際の金額・発効日は各都道府県の地方最低賃金審議会の答申を経て各労働局が決定し、例年10月以降に順次適用されます。
Q5. 賃上げの原資がありません。税制以外にどう作ればよいですか?
持続的に原資を生むのは生産性向上です。複数のツール・紙・Excelに分散した定型業務を1つに束ね、転記・二重入力・探し物の時間を消すと、同じ人数で処理できる仕事量が増え、浮いた人件費が賃上げ原資になります。当社は自社ECで定型業務をLarkに集約し月240時間→24時間(90%削減)を実証しました。さらに業務改善助成金・省力化投資補助金・IT導入補助金など、生産性投資を後押しする公的制度も併用できます。
Q6. 税制・補助金・助成金は併用できますか?
目的が異なるため併用できる組み合わせが多くあります。補助金・助成金は生産性向上の設備・IT投資に、賃上げ促進税制は賃上げそのものに効くため、狙いが重なりません。王道は「補助金・助成金で原資を作り、賃上げを実行し、税制で法人税を軽減する」循環です。ただし各制度で公募時期・要件・併用可否が異なるため、申請前に必ず一次情報と専門家に確認してください。
→ FAQで解消しきれない疑問は、無料相談でその場でお答えします(フォームは1分ほどで送信できます)
まとめ — 「優遇は縮む・人件費は上がる」時代に、原資を作る側へ回る
令和8年度改正で、賃上げ促進税制の中小企業向けは最大控除率が45%→35%に縮みました(教育訓練費上乗せの廃止)。とはいえ賃上げ本体の控除(+2.5%で30%)と赤字でも使える5年繰越しは健在で、制度は依然として賃上げの強力な後押しです。一方、最低賃金は2025年に1,121円(+6.3%)、2026年は目安で1,176円(+55円)へと上がり続け、人件費は否応なく増えます。優遇が縮み、外圧が強まる————この構図で勝つのは、原資を自分で作れる会社です。
当社は自社ECで定型業務を240時間→24時間に圧縮した実体験から、御社の「人が張り付いている作業」を洗い出し、賃上げに回せる原資の作り方を無料でご提案します。業務改善助成金・省力化投資補助金・IT導入補助金など公的支援との組み合わせ、そして賃上げ促進税制での税軽減まで含め、負担を投資に変える設計を一緒に描きましょう。
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Lark は ByteDance Ltd. の登録商標です。当社は Lark の導入を支援する独立した第三者コンサルティング事業者であり、ByteDance 社の公式機関ではありません。kintone はサイボウズ株式会社の商標です。本記事中の賃上げ促進税制の控除率・要件・適用期間は、中小企業庁「賃上げ促進税制」パンフレット(令和8年6月時点版・令和6年3月時点版)および同庁ウェブサイトに基づく引用です。最低賃金の金額・引き上げ額・目安は、中央最低賃金審議会の答申(厚生労働省 2026年7月28日公表)および経済産業省2025年9月9日プレスリリースに基づきます(いずれも2026年9月7日時点で当社確認)。最低賃金の実額・発効日は各都道府県の地方最低賃金審議会の答申と各労働局の公表が最終確定です。税額控除の具体的な適用可否・併用判断・申告手続きは、必ず顧問税理士・社会保険労務士等の専門家および中小企業税制サポートセンター(中小企業庁)にご確認ください。Lark の料金・機能は2026年9月時点の公式公開情報に基づいています。