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2026 年 7 月 M365 値上げで、中小企業の SaaS 年間コストは「いくら」増えるのか
Business Basic +16.7%、Standard +12.0%、Premium +7.6%。30 名規模で年間 +24 万円〜+76 万円の負担増を、Lark Suite 統合でどう吸収するか — 公式価格に基づく試算と移行 60 日プランを示します。
「Microsoft 365 の更新通知が来た。来年の更新から月額が上がるらしい」— 2025 年 12 月の日本マイクロソフト公式発表で、2026 年 7 月 1 日以降の更新分から法人向け Microsoft 365 の主要プランが一斉に値上げされることが確定しました。Business Basic は +16.7%、Business Standard は +12.0%、Business Premium も +7.6%。中小企業 30 名規模なら、Standard プラン単純更新だけで年間 +24 万円超のコスト増になります。
本記事では、値上げの公式数値を整理した上で、「M365 を更新する vs Lark Suite に統合する」の判断軸を提示します。アウフヘーベンジャパン株式会社は群馬・前橋を拠点に Lark 導入を支援しており、自社 EC 事業でも Slack・Notion・Excel など複数 SaaS を Lark に集約し、月 240 時間の業務時間を 24 時間まで圧縮した実証データを保有しています。値上げを単なる固定費増として飲むのではなく、「SaaS 分散構造を見直すきっかけ」として使う戦略を、実装ベースで解説します。
結論 — 値上げを「乗り換え判断のトリガー」に変えれば、固定費は逆に下がる
2026 年 7 月 1 日からの M365 値上げは、契約更新タイミングを起点にしか強制力が及びません。つまり「年契約の更新月までに乗り換え判断を済ませる」ことができれば、値上げ分を支払わずに済む可能性があります。そして単純な金額比較なら、Lark Pro プラン(¥1,420/ユーザー/月、税抜・年払い)は M365 Business Standard 新価格(¥2,099)の約 67%。30 名規模で年間 24 万円、100 名規模で年間 81 万円の差額になります。
ただし「安いから乗り換える」は危険です。M365 の Excel・PowerPoint・SharePoint・Teams 通話品質に強く依存している会社が安易に切り替えると業務が止まります。本記事では「値上げを機に乗り換える条件」「現状維持が合理的な条件」を切り分けた上で、移行する場合の具体ステップまで一気通貫で示します。広い SaaS 統合戦略の文脈はSaaS ポカリプス 2026 — 中小企業が統合型へ移行すべき 5 つの理由もご参照ください。
2026 年 7 月 M365 値上げの全容 — 公式発表に基づく新旧価格
日本マイクロソフト株式会社は 2025 年 12 月 5 日の公式ブログ(Windows Blog for Japan)で「Microsoft 365 の進化:新機能の追加と価格改定」と題する発表を行い、2026 年 7 月 1 日以降の新規契約および契約更新分から、法人向け主要プランの値上げが確定したことを明らかにしました(出典: Windows Blog for Japan 公式発表)。
Business 系プラン(中小企業向け)の新旧価格表(年契約・税抜・1 ユーザー月額)
| プラン | 改定前 | 改定後(2026/7/1〜) | 改定率 | 月差額 |
|---|---|---|---|---|
| Business Basic | ¥899 | ¥1,049 | +16.7% | +¥150 |
| Business Standard | ¥1,874 | ¥2,099 | +12.0% | +¥225 |
| Business Premium | ¥3,298 | ¥3,548 | +7.6% | +¥250 |
出典: 改定前価格は 日本マイクロソフト公式「Microsoft 365 Business プランと価格」(2026 年 6 月確認)。改定率は NTT ドコモビジネス「Microsoft 365 価格改定のお知らせ」に基づく。改定後価格は改定率から算出。
Enterprise 系プラン(中堅企業以上)の新旧価格
50 名超の規模では Microsoft 365 E3 や E5 を採用している企業も多く、こちらも値上げ対象です。NTT ドコモビジネスの公式案内では、Microsoft 365 E3 が +8.3%(税込 ¥6,233→¥6,752)、Microsoft 365 E5 が +5.3%(税込 ¥9,869→¥10,389)、Office 365 E3 が +13.1%(税込 ¥3,982→¥4,502)と発表されています(出典同上)。F1(2020 年)は +33.2%、F3 は +25.1% と、現場ユーザー向けプランほど値上げ率が高い構造になっています。
適用ルール — 「いつから新価格になるか」は契約更新月で決まる
適用タイミングは「新規契約は 2026 年 7 月 1 日以降の新規開通分から日割り」「既存契約はプランごとの契約更新日が 2026 年 7 月 1 日以降に到来したタイミングで切替」というルールです。たとえば 2025 年 12 月に年契約を更新した会社は 2026 年 11 月までは旧価格、2026 年 12 月の更新時に新価格適用となります。逆に 2026 年 6 月に更新を迎える会社は、6 月中に再契約すれば旧価格をもう 1 年延長できる可能性があります(契約形態により異なるため、販売代理店に要確認)。
中小企業 10 / 30 / 100 名規模での年間コスト増額シミュレーション
値上げ率だけ見ると「数百円なら飲めるか」と感じがちですが、ユーザー数 × 12 か月で年間総額に変換すると数字の重みが変わります。Business Standard(最も導入が多いプラン)を例に、規模別の年間コスト増を試算します。
| 規模 | 改定前 年間コスト | 改定後 年間コスト | 年間増額 |
|---|---|---|---|
| 10 名 | ¥224,880 | ¥251,880 | +¥27,000 |
| 30 名 | ¥674,640 | ¥755,640 | +¥81,000 |
| 50 名 | ¥1,124,400 | ¥1,259,400 | +¥135,000 |
| 100 名 | ¥2,248,800 | ¥2,518,800 | +¥270,000 |
Business Standard 年契約・税抜・改定前 ¥1,874 → 改定後 ¥2,099(¥1,874 × 1.12)で算出。Premium 採用の場合は規模 30 名で +¥90,000/年、100 名で +¥300,000/年。
値上げ分は「機能が増えるから」というのが日本マイクロソフトの説明で、Defender for Office Plan 1 が E3 に統合、Business Basic / Standard に URL チェック機能、Intune リモートヘルプ、Advanced Analytics が追加されます(出典同上)。ただし「追加機能を使うかどうか」は会社ごとに異なり、Defender や Intune を活用していない中小企業にとっては実質的なコスト増になります。
Lark Suite との TCO 比較 — 同等機能で「年間いくら違うのか」
Lark Suite は Lark Messenger(チャット)・Meetings(Web 会議)・Docs(ドキュメント)・Sheets(表計算)・Wiki(ナレッジ)・Base(業務 DB)・Drive(ストレージ)・Calendar・Mail を 1 アカウントで利用できる統合型 SaaS です。M365 Business Standard と機能カバレッジで比べると、「Word/Excel/PowerPoint のネイティブ互換」と「OneDrive 互換のフォルダ操作」を除けば、業務で使う領域はほぼ重複しています。価格比較は以下の通り(出典: Lark 公式料金プランページ)。
30 名規模での年間コスト比較(税抜・年払い、2026 年 7 月以降価格)
| プラン | 月額/ユーザー | 30 名 年額 | M365 Standard 比 |
|---|---|---|---|
| M365 Business Basic(新) | ¥1,049 | ¥377,640 | -50% |
| M365 Business Standard(新) | ¥2,099 | ¥755,640 | 基準 |
| M365 Business Premium(新) | ¥3,548 | ¥1,277,280 | +69% |
| Lark Pro | ¥1,420 | ¥511,200 | -32% |
| Lark Enterprise | ¥1,820 | ¥655,200 | -13% |
Lark Starter は 20 名上限のため 30 名規模では選択不可(2025/3/1 以降の制限)。Lark Pro は Lark Base 1 テーブル 20,000 行、Lark Enterprise は 50,000 行が上限。M365 Premium 採用企業が Lark Pro に切り替えると、30 名で年間 ¥766,080 の削減になります。
機能カバレッジの差 — 「乗り換えても困らないか」のチェックリスト
価格だけで判断すると失敗します。Lark と M365 で「同等カバー / Lark 優位 / M365 優位 / 注意点」を整理すると以下の通りです。
| 領域 | M365 | Lark Suite | 判定 |
|---|---|---|---|
| チャット・通話 | Teams | Messenger / Meetings | 同等(Lark は無料 1,000 分 / 会議 制限あり) |
| ドキュメント | Word / Excel / PowerPoint | Docs / Sheets / Slides | Office ファイル変換時の崩れが出ることあり(注意) |
| ストレージ | OneDrive 1TB/人 | Drive Pro:組織 15TB | M365 優位(個人 1TB)。Lark は組織全体 15TB |
| 業務 DB / ノーコード | Lists / Power Apps(別途) | Lark Base 標準搭載 | Lark 優位 |
| ナレッジ Wiki | SharePoint | Lark Wiki 標準 | Lark 優位(設定が軽い) |
| 承認ワークフロー | Power Automate(別途) | Approval 標準搭載 | Lark 優位 |
| AI(議事録・要約) | Copilot Business ¥3,148/月(追加) | Lark Minutes(基本機能 + AI 一部無料) | Lark 優位(追加料金が小さい) |
| エンタープライズ統制 | Defender / Intune / Purview | Enterprise プランで提供 | 大企業は M365 優位、中小は Lark で十分 |
注目すべきは「業務 DB(Lark Base)」「ナレッジ Wiki」「承認ワークフロー」が Lark では標準搭載なのに対し、M365 では Power Apps / Power Automate / SharePoint といった別契約・別ライセンスが必要になる点です。これら 3 つを真面目に M365 で組むと、ライセンス料は Business Standard の倍以上に膨らみがちで、Lark との実質コスト差はさらに広がります。詳細はLark vs Microsoft Teams 比較【中小企業の現実解】とLark Base が中小企業の業務効率を変える 3 つの理由も併読ください。
M365 継続 vs Lark 移行 — 判断を分ける 5 つの基準
値上げをきっかけに乗り換えるべき会社と、継続が合理的な会社は明確に分かれます。判断を間違えると業務が止まるため、以下 5 つの基準でセルフチェックしてください。
基準 1: Excel マクロ・PowerPoint テンプレへの依存度
VBA マクロ付き Excel ブックや、ブランドガイドに従った PowerPoint テンプレを日常業務で使っている会社は、Lark Docs / Sheets への完全移行は難しく、Lark + M365 Apps for business(¥1,236/月、Office アプリのみ)の併用が現実解になります。逆に「Excel は表計算と簡単な集計のみ」「PowerPoint は提案書を作るときだけ、テンプレ依存はない」会社は Lark に完全移行しても支障は出にくいです。
基準 2: SharePoint / Teams チャネルでのファイル共有依存度
大量の社内サイトを SharePoint で運用し、部門ポータルとして根付いている場合、移行コストが膨大です。一方、Teams のチャネルに添付ファイルを置く程度の使い方なら、Lark Wiki + Drive で 1〜2 週間で代替可能です。SharePoint 利用範囲が「掲示板的に使っている」程度かどうかが分岐点になります。
基準 3: Microsoft Entra ID(旧 Azure AD) と SSO 統合の深さ
外部 SaaS の SSO ハブを Entra ID に集約し、Conditional Access や MFA ポリシーを細かく組んでいる会社は、ID 基盤の移行が大工事になります。Lark にも SAML SSO や SCIM プロビジョニングはありますが、Entra ID のエコシステムにロックインされている場合は無理に剥がすより継続が合理的です。逆に「ID 管理は M365 アカウントを社員に配っているだけ」レベルなら、Lark に移しても影響は小さく済みます。
基準 4: 業務 DB / ノーコード自動化のニーズの強さ
「Excel で管理している案件・在庫・顧客リストを Web 化したい」「申請承認をペーパーレスにしたい」「経理・営業・人事のデータを 1 か所で串刺し集計したい」というニーズがある会社は、Lark に移行することで Base と Workflow が標準で使えるため、別途 Power Apps や kintone を契約しなくて済みます。M365 のままだと Power Apps 単体で月 ¥730/ユーザー(2026 年 6 月時点、Microsoft Japan 公式)から追加課金が発生し、コストメリットが消えます。
基準 5: 契約更新月までの猶予期間
これは判断軸というよりタイミングの問題です。契約更新が 2026 年 9 月など近い場合、3 か月程度では検証も移行も難しく、いったん旧価格で 1 年延長して 2027 年に向けて準備するのが安全です。逆に契約更新が 2026 年 12 月以降の会社は、本格検証 → 並行運用 → 移行までを十分こなせるため、値上げを完全に回避できる可能性が高くなります。本記事の次セクションで示す 60 日プランは、この「契約更新まで 60 日以上ある会社」を前提にしています。
5 つの基準のうち、何個 Yes か?
基準 1〜3 のうち 2 個以上 Yes(強い依存) → M365 継続が合理的(Lark との部分併用は検討余地)
基準 4 が Yes(業務 DB ニーズあり) かつ 基準 1〜3 が低依存 → Lark 移行で大きな効果
基準 5 で猶予期間が 60 日以下 → いったん旧価格で 1 年延長、2027 年に向けて準備
M365 から Lark への移行 60 日プラン — 週次ロードマップ
「Lark に移行する」と決めた後、実際に何をどの順番でやるか。アウフヘーベンジャパンが顧客の伴走支援および自社実証で標準化している 60 日(8 週間)プランを公開します。30〜50 名規模を想定。
週 1〜週 2: 現状棚卸しと並行運用の準備
最初の 2 週間は「移行作業」ではなく「棚卸し」に費やします。具体的には(a) M365 で誰がどの機能を使っているか(Teams 通話、SharePoint サイト、Excel マクロ、OneDrive 個人ストレージ)を社員アンケートで可視化、(b) 「絶対に Lark で代替できない機能」をリスト化(Excel マクロ、特定の SharePoint ワークフローなど)、(c) Lark Pro の無料トライアル(30 日)を開始し情シス + 部門代表 5 名で操作感を検証します。並行運用のための Lark アカウント発行は週 2 の終わりに完了させます。
週 3〜週 4: チャット・会議の移行(Teams → Lark Messenger / Meetings)
移行の本丸はチャットと会議です。週 3 に「3 月末以降、社内連絡はすべて Lark Messenger で行う」と全社告知し、週 3〜週 4 で Teams のチャネル構成を Lark のグループチャットに再現します。重要な過去ログは Teams からエクスポートして Lark Wiki に保存。Web 会議は週 4 から Lark Meetings に完全切替します。アウフヘーベン自社では、この 2 週間で社内連絡量の 90% が Lark 側に移り、Teams は外部企業との会議受け入れ用に限定されました。
週 5〜週 6: ドキュメント・ナレッジの移行(SharePoint / OneDrive → Lark Docs / Wiki / Drive)
SharePoint の社内サイトと OneDrive の個人ファイルを Lark に移します。SharePoint サイトは Lark Wiki にスペースを切って手動再構築するのが現実的(Wiki インポート機能は構造移行に向くため小規模なら自動でも可)。OneDrive のファイルは公式コネクタや一括ダウンロード → Drive アップロードで対応。週 5 で部門ごとの Wiki スペースを作り、週 6 で全社員に「以後のドキュメント作成は Lark Docs / Wiki で」と運用ルールを徹底します。並行して経理・営業の業務 DB を Lark Base に構築し始めます。
週 7〜週 8: 業務 DB / ワークフローの構築と M365 解約準備
週 7 で Lark Base での業務 DB(顧客・案件・在庫・経費精算)を 3〜5 件構築し、週 8 で承認ワークフロー(稟議・経費・有給申請)を Lark Approval に移します。同時に M365 を「Excel / PowerPoint のみ必要な社員」用に M365 Apps for business(¥1,236/月)へダウングレード、または完全解約を申請します。契約更新月までに新価格適用を回避する申請手続きは、販売代理店経由で前月までに行うのが安全です。
移行後 KPI(月次モニタリング項目)
移行効果は「コスト削減額」と「業務効率」の 2 軸で測ります。最低限以下を月次で見ます。
- SaaS 月額コスト: M365 解約分 + Lark 課金額(目標: 30%↓)
- 社員 1 人あたりツール切替時間: 「メールに戻る → Teams → Excel → SharePoint」の往復削減(目標: 20%↓)
- 業務 DB 化された業務件数: 月次新規 Base アプリ数(目標: 月 2 件以上)
- 会議録の自動議事録化率: Lark Minutes で文字起こし → AI 要約済の会議割合(目標: 80%超)
- 承認待ち平均日数: 紙稟議 → Lark Approval で削減(目標: 50%↓)
アウフヘーベンジャパンの自社 EC 事業では、Slack + Notion + Excel + Chatwork の分散構造を Lark に集約し、月 240 時間の業務時間を 24 時間まで圧縮しました(詳細: 中小 EC 事業者の Lark 活用 240h→24h の現実)。M365 → Lark 移行でも、同様の集約効果が期待できます。
移行で陥る 3 つの失敗パターンと回避策
Lark 移行が中途半端に終わる会社にはパターンがあります。アウフヘーベンが伴走支援する中で繰り返し見る 3 つを共有します。
失敗 1: 「並行運用期間」を切れずに M365 と Lark の両方を払い続ける
移行検証中に両方契約することは必要ですが、3 か月以上両方払い続ける会社が一定数あります。原因は「いつ M365 を切るか」のデッドラインを決めていないこと。移行プロジェクトの最初に「2026 年 X 月 X 日に M365 解約」と社内コミットを取り、社長名で全社通達することで切替が進みます。曖昧にすると Lark が育たず M365 にも戻れない宙ぶらりんになります。
失敗 2: Excel マクロ依存業務を Lark Sheets に移そうとして破綻する
VBA で組まれた請求書発行マクロや在庫管理マクロを「Lark Sheets で再現しよう」とすると、関数仕様の違いと自動化の制約で必ず破綻します。正しい対応は「マクロが組み込まれた業務は Lark Base + Workflow で作り直す」「どうしても Excel が必要な業務は M365 Apps for business(¥1,236/月)を該当者のみ残す」のハイブリッド運用です。マクロを Sheets に移植するアプローチは捨ててください。
失敗 3: 「経営者は Lark、現場は Teams」のハイブリッドが固定化する
経営層が Lark を使いこなしている一方、現場が「やはり Teams の方が慣れている」と Teams を使い続けるとハイブリッドが固定化します。これは現場の感情的な抵抗より、現場の業務フローを Lark で再設計できていないことが原因です。週 5〜6 でドキュメント移行をする際に、部門代表 1 名ずつを「Lark スペース運用担当」として任命し、現場の業務手順を Wiki に書き出してもらうことで、現場が「Lark を使う理由」を自分の言葉で持てるようになります。導入失敗の構造論はLark 導入失敗パターン 3 つに詳細を整理しています。
自社事例 — Slack + Notion + Excel から Lark 統合への移行効果
アウフヘーベンジャパンは EC 事業(楽天市場・Yahoo!ショッピング・Amazon・自社 EC)を運営しており、2025 年中盤までは Slack(社内連絡)・Notion(マニュアル)・Excel(売上集計)・Chatwork(取引先連絡)・Gmail(顧客対応)が分散していました。月 240 時間が「ツール間の往復・コピペ・転記・通知の見落とし対応」に消えており、本業の商品企画や仕入れ判断が圧迫されていました。
2025 年後半に Lark Suite に集約し、Messenger・Docs・Sheets・Wiki・Base・Approval・Minutes をすべて 1 アカウントで運用する形に切替。結果として、月 240 時間が月 24 時間まで圧縮されました(-90%)。M365 を使っていたわけではない実証ですが、「複数 SaaS の分散構造を統合型 1 サービスに集約する」効果サイズとしては M365 → Lark の場合と同等です。アウフヘーベンが顧客に提示できるのは「ベンダーロックインからの解放」ではなく「分散による業務摩擦の解消」という現実解です。
よくある質問
Q1. M365 を完全解約せず、一部だけ残すことはできますか?
はい、可能です。多くの中小企業で実例があるのは「経理・営業の Excel ヘビーユーザー(5〜10 名)のみ M365 Apps for business を残し、残りの社員は Lark のみ」というハイブリッド構成です。Apps for business は月 ¥1,236/ユーザー(2026 年 6 月時点、税抜・年払い)で、Word / Excel / PowerPoint のデスクトップ版が使えます。Teams / SharePoint / OneDrive は含まれませんが、Lark で代替されるため業務に支障はありません。
Q2. Lark Starter(無料)で M365 を完全に置き換えられますか?
20 名以下なら可能性があります。Lark Starter は 2025 年 3 月 1 日以降、ユーザー上限が 20 名(改定前は 50 名)に縮小されました。21 名以上は Pro プランが必須で、Pro は ¥1,420/ユーザー/月(年払い・税抜)です。10 名規模の会社なら Starter のままで M365 Business Standard(値上げ後 ¥2,099)を完全に置き換えられ、年間 ¥251,880 のコスト削減が可能です。
Q3. 移行期間中、外部企業との Teams 会議はどうしますか?
並行運用期間中は M365 を残しておき、外部企業との会議は Teams、社内会議は Lark Meetings、と用途で使い分けます。移行完了後は、Lark Meetings のゲスト招待機能で外部参加者を招くことができ、参加者はブラウザでアクセス可能(アプリインストール不要)です。ただし Microsoft Entra ID 連携が必要な大企業との会議は Teams のまま継続することも多く、M365 Apps for business + Teams 単体(Teams Essentials ¥599/月、税抜・年払い)を併用するパターンが現実的です。
Q4. SharePoint のドキュメントを Lark Wiki に移行する具体的な手順は?
(1) SharePoint サイト構造を棚卸し → (2) Lark Wiki にスペースとカテゴリを再現 → (3) SharePoint ページを HTML / PDF エクスポート → (4) Lark Docs に再作成(コピペ + 構造調整)、の 4 ステップです。サイト数が 20 以上ある場合は、一括移行ツールではなく「使用頻度が高い上位 10 サイトのみ移行 → 残りはアーカイブ」とトリアージするのが現実的です。Lark Docs のインポート機能は Markdown / Word に対応しているため、PDF より Word エクスポート経由のほうが構造を保ちやすいです。
Q5. M365 Copilot を使っていますが、Lark にも同等の AI 機能はありますか?
あります。Lark には Lark Minutes(会議録の文字起こし・要約)、Lark Docs の AI アシスタント、Lark AnyCross(社内データに基づく RAG 検索)などが組み込まれています。M365 Copilot Business が ¥3,148/ユーザー/月(キャンペーン期間 2025/12/1〜2026/6/30 は ¥2,698、税抜・年払い)の追加料金になるのに対し、Lark の AI 機能は Pro プラン以上で基本機能が含まれます。詳しい比較はMicrosoft 365 Copilot vs Lark AI — 中小企業の AI ツール選定基準を参照ください。
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本記事は アウフヘーベンジャパン株式会社 が運営しています。
Lark は ByteDance Ltd. の登録商標です。Microsoft 365、Microsoft Teams、Microsoft Entra ID、SharePoint、OneDrive、Power Apps、Power Automate は Microsoft Corporation の登録商標です。当社は Lark の導入を支援する独立した第三者コンサルティング事業者であり、ByteDance 社および Microsoft 社の公式機関ではありません。本記事の価格情報は 2026 年 6 月時点の公式発表に基づきます。最新情報は各社公式ページでご確認ください。