カスハラ対策義務化2026年10月施行 — 全企業が講ずべき「4措置」を Lark で実装する中小企業の実装ガイド

法改正対応 / カスハラ対策義務化 / Lark実装ガイド

カスハラ対策義務化2026年10月施行 — 全企業が講ずべき「4措置」を Lark で実装する中小企業の実装ガイド

2026年10月からカスハラ対策が義務になると聞いたが、うちのような小さな会社も対象なのか」「相談窓口や規程を作れと言われても、専任の担当も予算もない」「何をどこまでやれば“措置を講じた”ことになるのか分からない」————この不安に、政府広報オンラインと厚生労働省の一次情報だけで答えます。結論から言うと、改正労働施策総合推進法によるカスタマーハラスメント防止措置は2026年10月1日から施行され、労働者を1人でも雇うすべての事業主が対象で、経過措置(猶予期間)はありません。そして企業が講ずべき措置は「①方針の明確化と周知・啓発」「②相談体制の整備」「③事後の迅速・適切な対応」「④抑止のための措置」の4本柱に整理されています。本記事は、この4措置をLark の承認・Base・フォーム・ドキュメントを使い、専用システムを買い足さずに低コストで実装する具体手順を、中小企業目線で正直に解説します。群馬・前橋で自社EC事業を Lark に集約し月240時間→24時間を実証した当社の運用知見も併記します。

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目次

この記事でわかること

  • カスハラ対策義務化の全体像 — 2026年10月1日施行・全事業主対象・経過措置なしという事実関係
  • 企業が講ずべき「4措置(4本柱)」の正式な内容と、あわせて講ずべきプライバシー保護・不利益取扱い禁止
  • 4措置を Lark の承認・Base・フォーム・ドキュメントで実装する具体的な組み方
  • 相談窓口・対応履歴台帳・エスカレーション・証拠保管を追加コストほぼゼロで内製する仕組み
  • 専任者のいない中小企業が「小さく始めて確実に義務を満たす」進め方と、正直な限界(規程・社労士の必要性)

目次

  1. 結論 — カスハラ4措置と Lark 実装の全体像
  2. なぜ今やるべきか — 2026年10月1日施行・全事業主対象・経過措置なし
  3. そもそもカスハラとは — 3要件と対象行為(正当なクレームとの線引き)
  4. 措置① 方針の明確化と周知・啓発 — Lark ドキュメント/Wikiで実装
  5. 措置② 相談体制の整備 — Lark フォーム×Baseで相談窓口を作る
  6. 措置③ 事後の迅速・適切な対応 — Base対応履歴×承認エスカレーション
  7. 措置④ 抑止のための措置 — 証拠の一元保管と研修
  8. 専任者のいない中小企業の現実的な進め方
  9. 料金 — 無料Starterで始める(30名で試算)
  10. 導入5ステップ(実装手順)
  11. よくある質問(FAQ)
  12. まとめ — カスハラ義務化は「仕組み」で乗り切る

結論 — カスハラ4措置と Lark 実装の全体像

結論を先に述べます。2026年10月1日から、すべての事業主にカスタマーハラスメント(カスハラ)防止のための雇用管理上の措置が義務づけられます(政府広報オンライン、2026年8月31日確認)。企業が講ずべき措置は、厚生労働省の指針で「①方針の明確化と周知・啓発」「②相談体制の整備」「③事後の迅速・適切な対応」「④抑止のための措置」の4本柱に整理され、あわせて相談者等のプライバシー保護相談したことを理由とする不利益取扱いの禁止が求められます。これらは「専用のカスハラ対策システム」を買わなくても、Lark の承認・Base・フォーム・ドキュメントを組み合わせて実装できる——というのが本記事の主張です。まず全体像を1枚の表にまとめます。

講ずべき措置(指針の4本柱) やるべきこと Lark での実装
① 方針の明確化と周知・啓発 カスハラを認めない方針を定め、従業員に周知 Lark ドキュメント/Wikiで方針・対応基準を文書化し、全社チャットで周知。既読・研修受講も記録
② 相談体制の整備 相談窓口を設け、労働者に周知 Lark Base のフォームで相談窓口を作成→相談台帳に自動蓄積。閲覧権限を担当者に限定
③ 事後の迅速・適切な対応 事案発生時に迅速・適切に対応し記録する Base の対応履歴カルテで一件ずつ記録。承認機能で上司・経営者へエスカレーション
④ 抑止のための措置 証拠の記録・保全、再発防止、研修 録音・録画・記録データを Lark Drive/Base に一元保管。要注意先リストと研修を管理
併せて講ずべき措置 相談者のプライバシー保護/不利益取扱いの禁止 相談用Baseの共有範囲で閲覧を担当者に限定(細かな権限ロール=高度な権限管理はPro以上)。無料Starterから着手可能

出典: 政府広報オンライン「カスタマーハラスメント」Lark公式「はじめての Lark 承認」Lark公式料金ページ(2026年8月31日確認)。制度の詳細は必ず厚生労働省の公表資料と社会保険労務士等の専門家にご確認ください。

ここで最初に、期待値を正直にそろえておきます。Lark は「カスハラ対策を仕組みとして回すための器(ツール基盤)」であって、法律が求める“措置を講じた状態”そのものを自動でつくってくれるわけではありません。方針の内容や規程の文言、どこまでを対応とするかの判断は、経営者と(必要に応じて)社労士・弁護士が決めるべき領域です。ただ、決めた方針を全社に周知し、相談を受け付け、対応を記録し、証拠を保全する——という“運用の器”を、追加コストほぼゼロで用意できるのが Lark の強みです。この線引きを踏まえたうえで、まずは「なぜ今やるべきか」から見ていきましょう。

なぜ今やるべきか — 2026年10月1日施行・全事業主対象・経過措置なし

結論として、カスハラ防止措置の義務化は2026年10月1日施行で、労働者を1人でも雇うすべての事業主が対象、そして中小企業向けの経過措置(猶予期間)はありません。だからこそ、規模の大小にかかわらず「施行までに体制を整える」ことが待ったなしのテーマになっています。

法的な根拠は、改正労働施策総合推進法です。同法にカスタマーハラスメント防止のための雇用管理上の措置義務が新設され、その具体的な内容を定めた指針(令和8年厚生労働省告示第51号)が2026年2月26日に公布されました。さらに厚生労働省は、実務上の疑問に答える解釈事項をまとめたQ&A(全41問)を2026年4月24日に公表しています。施行日は2026年10月1日で、これはパワハラ防止措置(いわゆるパワハラ防止法)が中小企業にも義務化された流れと同じく、企業規模を問わず一律に適用されます(政府広報オンライン、2026年8月31日確認)。

「罰則がないなら後回しでよいのでは」という声もありますが、これは危険な誤解です。措置義務に違反した場合、刑事罰こそないものの、厚生労働大臣(労働局)による助言・指導・勧告の対象となり、正当な理由なく勧告に従わないときは企業名が公表されるおそれがあります。人手不足で採用に苦しむ中小企業にとって、「カスハラ対策を怠った会社」として名前が出ることのダメージは、罰金以上に重いと言えます。

背景にある現実も深刻です。厚生労働省の「令和5年度 職場のハラスメントに関する実態調査」によれば、過去3年間に労働者から「顧客等からの著しい迷惑行為(カスハラ)」の相談があったと回答した企業は27.9%で、前回(令和2年度)調査から8.4ポイント増加しています。パワハラ・セクハラの相談件数が横ばい〜微減の中で、カスハラだけが明確に増えているのが特徴です。現場の接客・電話対応・クレーム処理を担うのは、多くの場合、特定の従業員に属人化しています。仕組みがないまま放置すれば、その従業員の離職・休職という形で、対策コストよりはるかに大きな損失として跳ね返ってきます。

そしてもう一つが、中小企業のバックオフィスDXの遅れです。2024年版中小企業白書(経済産業省・中小企業庁)は、中小企業のDX取組状況について、段階1〜2(未着手〜ツールを部分的に導入した程度)にとどまる企業が約66%と報告しています。相談窓口も対応記録も「紙とExcelと個人のメール」に散っている状態では、いざ労働局から「どのような措置を講じているか」を問われても示せません。義務化は、後回しにしてきたバックオフィスの仕組み化を、一気に前に進める好機でもあるのです。

💡 中間まとめ: カスハラ対策義務化は2026年10月1日施行・全事業主対象・経過措置なし。罰則はないが勧告違反で企業名公表のリスクがあり、カスハラ相談は3年で27.9%(+8.4pt)へ増加。「仕組みがない」状態こそ最大のリスクです。自社の体制の棚卸し(無料相談)はこちら →

そもそもカスハラとは — 3要件と対象行為(正当なクレームとの線引き)

結論として、カスハラは「①顧客等の言動」「②社会通念上許容される範囲を超えたもの」「③労働者の就業環境が害されるもの」という3要件を満たすものと定義され、正当なクレーム(改善要望)とは明確に区別されます。この線引きを社内で共有しておくことが、すべての措置の土台になります。

厚生労働省の指針は、カスタマーハラスメントを次の3要素で定義しています(政府広報オンライン)。

  • ① 顧客等の言動であること — 顧客・取引先など、業務に関して関わる相手からの言動。
  • ② 社会通念上許容される範囲を超えたものであること — 要求の内容・手段や態様が、社会常識に照らして相当な範囲を超えていること。
  • ③ 労働者の就業環境が害されるものであること — その言動によって、働く人の就業環境が害されること。

対象となる行為の典型例として、指針や関連資料では暴行・脅迫、ひどい暴言、著しく不当な要求(土下座の強要、長時間の拘束、金品の要求など)が挙げられています。一方で、商品やサービスに問題があった場合の「正当な指摘・改善要望」は、たとえ言葉が強くてもカスハラには当たりません。ここを取り違えると、正当なクレームまで「カスハラ」と処理してしまい、かえって顧客対応の質を落とします。

だからこそ大切なのは、「これはカスハラか、正当なクレームか」を現場が一人で抱え込まず、共通の基準で判断し、迷ったら相談・エスカレーションできる仕組みです。判断基準を文書化して全社に配り(措置①)、迷ったら相談でき(措置②)、対応を記録して振り返れる(措置③)——この一連の流れを回せる状態こそが、法律の求める「措置を講じた状態」に他なりません。次章から、その4措置を Lark で一つずつ実装していきます。

措置① 方針の明確化と周知・啓発 — Lark ドキュメント/Wikiで実装

結論として、措置①は「カスハラを認めないという会社の方針と対応基準を文書化し、全従業員に確実に届ける」ことであり、Lark ドキュメント(または Wiki)とチャットの組み合わせで、紙の掲示より確実かつ低コストに実装できます。

まず、カスハラ対策の基本方針・対応基準・カスハラの定義(前章の3要件)・してはいけない対応と推奨対応を、Lark ドキュメントにまとめます。就業規則にカスハラ禁止の条項を追加する作業は社労士と進めつつ、現場が日々参照する「対応マニュアル」を Lark 側に置くイメージです。Lark ドキュメントは常に最新版が一元管理され、改訂すれば全員が見る版が即座に切り替わるため、「古い紙のマニュアルが現場に残る」という問題が起きません。複数の店舗・拠点がある会社は、Lark のWiki(ナレッジベース)に「カスハラ対応」スペースを作り、方針・FAQ・エスカレーション先を体系立てて整理すると、新人でも迷わず参照できます。

周知の「確実性」も重要です。指針は方針の周知・啓発を求めていますが、掲示や回覧では「見ていない」従業員が必ず出ます。Lark なら、方針ドキュメントのリンクを全社チャットや対象グループに配信し、リアクションや既読で周知状況を可視化できます。さらに、簡単な確認テストや誓約を Lark Base のフォームで受け付け、「全員が方針を読み、理解した」記録を残せば、いざというとき「周知・啓発を行った」証跡になります。周知と教育をチャット・ドキュメント・フォームで一体運用できるのは、コミュニケーション基盤ごと統合された Lark ならではの強みです。承認や業務DBを含む Lark 全体の活用像は Lark DX 完全ロードマップ2026 にまとめています。

措置② 相談体制の整備 — Lark フォーム×Baseで相談窓口を作る

結論として、措置②は「カスハラを受けた/目撃した従業員が相談できる窓口を設け、周知する」ことであり、Lark Base のフォームと相談台帳で、専任者がいなくても運用できる相談窓口を作れます。

実装の中心は、Lark Base のフォーム機能で作る「カスハラ相談フォーム」です。従業員はスマホの Lark アプリから、発生日時・場所(店舗/電話/メール等)・相手・具体的な言動・困っていること・対応の希望を入力して送信するだけ。送信内容はBase の「相談台帳」テーブルに自動で1件ずつ蓄積され、担当者(総務・人事・経営者など)が一覧で把握できます。メールや口頭のように「相談が個人の受信箱に埋もれて放置される」ことがなくなり、相談の受付から対応までを1本の線でつなげられるのが最大の利点です。

ここで「併せて講ずべき措置」であるプライバシー保護が効いてきます。相談内容は極めてセンシティブなので、相談台帳を独立した Base として作り、共有範囲(コラボレーター)を相談担当者だけに絞ることで、一般従業員からは見えない状態にできます。無料の Starter プランでもこの「相談用 Base を担当者だけに共有する」形での閲覧制限は可能です。さらに1つの Base の中でレコードやフィールド単位に閲覧・編集を細かく分ける「高度な権限管理(権限ロール)」は Pro プラン以上の機能で、部署ごとに担当者を分けるような複雑な運用ではこちらが有効です(Lark公式料金ページ、2026年8月31日確認)。あわせて、相談したことを理由とする不利益取扱いの禁止を方針(措置①)に明記し、「相談しても大丈夫」という安心感をつくることで、初めて窓口は機能します。相談窓口は形だけ作っても使われません。「Lark アプリからいつでも・匿名性に配慮した形で・確実に担当へ届く」という導線こそが、使われる窓口の条件です。Base の権限設計や台帳づくりの考え方は Lark Base が中小企業の業務効率を変える3つの理由 が参考になります。

相談フォーム・対応台帳・権限設計を、御社の体制に合わせて60分で設計します

「相談担当を誰にするか」「店舗ごとに窓口を分けるか」「経営者だけが見られる項目をどう作るか」——実際の体制を見ながら、無料相談で相談フォームの項目と Base 台帳・権限ロールの設計をその場でご提案します。規程の整備が必要な部分は、社労士との連携も含めて正直にお伝えします。

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措置③ 事後の迅速・適切な対応 — Base対応履歴×承認エスカレーション

結論として、措置③は「カスハラ事案が起きたら、迅速かつ適切に対応し、その内容を記録する」ことであり、Lark Base の対応履歴カルテと承認機能によるエスカレーションで、属人化を防ぎながら記録を残せます。

相談フォーム(措置②)で受け付けた案件は、Base の「対応履歴カルテ」で一件ずつ管理します。1レコードに相談内容・初動対応・対応者・対応日時・現在のステータス(受付/対応中/完了)・再発防止メモをひも付け、時系列で「いつ・誰が・何をしたか」を残す——これがそのまま「迅速・適切に対応した」証跡になります。紙やメールでは散逸する対応履歴が、1つの台帳に整然と積み上がります。

迅速さを担保するのが、Lark の承認(電子稟議システム)によるエスカレーションです。公式も、承認はメッセージや Base との高度な統合により、承認専用のグループチャットをすぐ開始したり、承認データを自動的に Base へ同期したりできると説明しています(Lark公式「はじめての Lark 承認」、2026年8月31日確認)。たとえば「一定以上の悪質な事案は、現場判断で対応せず、承認フローで上長・経営者にエスカレーションして方針を仰ぐ」ルートを組めば、現場の従業員が一人で危険な相手と対峙し続ける事態を防げます。承認が下りればチャットで即座に方針が共有され、対応内容は Base に同期されて記録に残る。「現場を守る意思決定」と「記録」を、同じアプリの中でシームレスにつなげられるのが Lark の承認×Base の価値です。承認ワークフローの作り込み方は Lark 承認ワークフロー実装ガイド を、記録台帳の可視化は Lark BaseへExcel業務を30日で移行する手順 を併せてご覧ください。

措置④ 抑止のための措置 — 証拠の一元保管と研修

結論として、措置④は「カスハラを抑止・再発防止するための措置(証拠の記録・保全、悪質な相手への対応、従業員研修など)」であり、Lark Drive/Base への証拠の一元保管と、研修の受講管理で実装できます。

抑止の要は「証拠を確実に残す」ことです。悪質なカスハラに対しては、録音・録画・メールのスクリーンショット・やり取りの記録などが、後の対応(出入禁止、警察・弁護士への相談など)の根拠になります。ここで一点、正直に線を引きます。Lark 自体が顧客との電話を自動録音する装置ではありません——電話録音は電話システム側で行うものです。Lark の役割は、そうして得た録音ファイル・録画・画像・記録を、Lark Drive や Base の添付ファイルとして案件ごとに一元保管し、権限を限定したうえで、必要なときに即座に検索・共有できる状態にしておくことです。「証拠はあるはずだが、どこにあるか分からない」を防ぎ、案件レコードに証拠がひも付いた状態で残せるのが、Base で管理する意義です。

再発防止の観点では、Base に「要注意先リスト」を作り、繰り返し問題を起こす相手の情報(対応方針つき)を担当者間で共有しておくと、次に同じ相手が来たときに現場が適切に身構えられます。もちろん、この情報もBase の共有範囲・権限設定で閲覧範囲を厳格に制限し、プライバシーと個人情報保護に十分配慮する必要があります。

そして従業員研修です。カスハラの定義(3要件)、してはいけない対応・推奨される対応、相談窓口の使い方、エスカレーションの手順を、Lark ドキュメントの研修資料+フォームの理解度チェックで定期的に回します。「誰が・いつ研修を受けたか」を Base で記録しておけば、周知・啓発と教育を継続的に実施している証跡になります。証拠保全・要注意先共有・研修管理という抑止の3点を、すべて同じ Lark 基盤の中で回せるのは、ツールが分断された環境にはない強みです。現場スタッフ主体の運用設計は 現場DXガイド が参考になります。

専任者のいない中小企業の現実的な進め方

結論として、中小企業は「既存の相談窓口の拡張」と「小さく始める」の2原則で、無理なく義務を満たすのが現実的です。ゼロから完璧な体制を作ろうとすると、専任者のいない会社ほど頓挫します。

最も手早いのは、すでにパワハラ・セクハラ相談窓口がある会社なら、そこに「カスハラ」を対象として加えることです。窓口を新設せず、Lark Base の相談フォームに「相談の種類(パワハラ/セクハラ/カスハラ/その他)」の選択項目を足すだけで、一つの窓口で一元的に受けられます。相談台帳・対応カルテ・権限設計も、ハラスメント対応全般で共通化できるため、1つの仕組みが3つの義務(パワハラ・セクハラ・カスハラ)をまとめてカバーします。

進め方は「小さく始める」が鉄則です。まず①方針ドキュメントと相談フォームを用意し(措置①②)、②対応カルテとエスカレーションのルートを決め(措置③)、③証拠保管の置き場所と研修を整える(措置④)——という順で、施行日(2026年10月1日)に間に合わせます。中小企業のDXが「導入したのに使われない」で失敗する最大の原因は、最初から複雑にしすぎて現場が付いてこられないことです(中小企業DXの失敗を防ぐ5ステップ)。カスハラ対策も同じで、まず「相談できて、記録が残る」最小構成を動かし、運用しながら磨くのが確実です。

当社自身、群馬・前橋の自社EC事業で、問い合わせ・クレーム対応を含む業務を Lark に集約してきました。以前はクレームや強い要求への対応が担当者個人のメール・記憶に依存し、「言った・言わない」や対応漏れ、そして担当者の精神的負担が課題でした。相談と対応記録を Base の台帳に一本化し、重い案件は承認で経営者にエスカレーションする形にしてからは、「一人で抱え込ませない」体制が仕組みとして回るようになりました。全社では、こうした集約の積み重ねで手作業に溶けていた月240時間を月24時間(90%削減)まで圧縮しています。カスハラ対策は「守り」の投資に見えますが、対応の属人化を解き、記録を資産に変えるという意味で、実は攻めのバックオフィス改善でもあるのです。

最後に、正直な限界も明記します。Lark は「運用の器」であって、就業規則の改定・カスハラ対策規程の作成・個別事案の法的判断は、社会保険労務士や弁護士の領域です。Lark で仕組みを作りつつ、規程と法判断は専門家と進める——この役割分担が、中小企業にとって最も堅実で費用対効果の高い進め方です。他ツールとの比較検討は Lark vs kintoneLark vs Microsoft Teams も参考にしてください。

料金 — 無料Starterで始める(30名で試算)

結論として、20名以下なら Lark でのカスハラ対策実装は完全無料で始められ、30名規模でもカスハラ対策のための追加費用は発生しません(Pro プランに内包)。専用のハラスメント対策システムを別途契約する必要がありません。

プラン 人数上限 料金(1人/月) 承認/Base/フォーム
Starter(無料) 20人 0円 利用可(Base 2,000行/テーブル・自動化1,000回/月・共通ストレージ100GB)
Pro(有料) 500人 1,420円(税抜・年払い) 内包(Base 2万行/テーブル・自動化5万回/月・ストレージ15TB)
Enterprise(有料) 無制限 要問い合わせ(個別見積) 内包(Base 5万行/テーブル・自動化50万回/月)

出典: Lark公式料金ページLark公式「料金プランの紹介」(2026年8月31日確認)。Enterprise価格は公式上は要問い合わせのため断定を避けています。料金・仕様は改定される場合があるため最新は公式ページをご確認ください。

30名規模で考えると、Lark Pro は 1,420円×30名×12か月 = 年約51万円。ただしこれはカスハラ対策(承認・Base・フォーム・ドキュメント)だけでなく、チャット・ビデオ会議・メール・共同編集ドキュメント・Lark Base・AIまで全部込みの金額です。カスハラ対策のためだけに専用システムを別契約するのではなく、すでに使う(または使い始める)グループウェアの標準機能で義務対応まで賄える——これが Lark で実装する最大のコストメリットです。まずは20名以下のチームや一部門で、無料の Starter で相談フォームと対応台帳を試すのがリスクゼロの第一歩です。なお、カスハラ対策を含む雇用環境整備には、国や自治体の助成金・奨励金が用意されている場合があります。最新の要件・金額は必ず各制度の公式情報でご確認ください。

導入5ステップ(実装手順)

結論として、Lark でのカスハラ対策実装は「方針文書化→相談フォーム→対応台帳・エスカレーション→証拠保管・研修→運用改善」の5ステップで、施行日までに無理なく整えられます。

  1. 方針を文書化して周知する(措置①) — Lark ドキュメント/Wikiにカスハラ対策方針・定義(3要件)・対応基準・エスカレーション先をまとめ、全社チャットで配信。理解度チェックをフォームで受けて周知記録を残す。就業規則・規程は社労士と並行整備。
  2. 相談フォームと台帳を作る(措置②) — Lark Base のフォームで相談窓口を作成し、相談台帳テーブルへ自動蓄積。権限ロールで閲覧を相談担当者に限定。既存のパワハラ・セクハラ窓口があれば「相談の種類」項目を足して統合。
  3. 対応カルテとエスカレーションを決める(措置③) — Base の対応履歴カルテで案件ごとにステータス管理。悪質事案は承認フローで上長・経営者へエスカレーションするルートを設定。
  4. 証拠保管と研修を整える(措置④) — 録音・録画・記録の保管先を Lark Drive/Base に定め、案件レコードに添付。要注意先リストを権限限定で共有し、研修受講を Base で記録。
  5. 運用開始と改善 — まず1部門・1窓口から開始し、施行日(2026年10月1日)に最小構成を稼働。運用しながら項目・ルート・研修内容を磨き、Base オートメーションで未対応案件のリマインドを追加。

重要なのは、最初から全項目を完璧に作り込もうとしないことです。まず「相談を受けられて、対応が記録に残る」状態を作れば、義務化対応の骨格はできます。あとは運用しながら磨けばよい。当社の支援内容は Lark導入支援サービス、業種別の実装例は 業種別Lark導入事例 にまとめています。

よくある質問(FAQ)

Q1. カスハラ対策の義務化はいつから、どの企業が対象ですか?

A. 改正労働施策総合推進法によるカスタマーハラスメント防止措置は2026年10月1日から施行され、労働者を1人でも雇うすべての事業主が対象です。中小企業向けの経過措置(猶予期間)はありません。指針(令和8年厚生労働省告示第51号)は2026年2月26日に公布されています(政府広報オンライン、2026年8月31日確認)。

Q2. 具体的に何を「講ずべき措置」として実施すればよいですか?

A. 厚生労働省の指針は、①方針の明確化と周知・啓発、②相談体制の整備、③事後の迅速・適切な対応、④抑止のための措置の4本柱を示し、あわせて相談者のプライバシー保護相談を理由とする不利益取扱いの禁止を求めています。本記事では、これらを Lark の承認・Base・フォーム・ドキュメントで実装する方法を解説しています。

Q3. 対応しないと罰則はありますか?

A. 直接の刑事罰はありませんが、措置義務違反は労働局による助言・指導・勧告の対象となり、正当な理由なく勧告に従わない場合は企業名が公表されるおそれがあります。採用や取引への影響を考えると、罰金以上に重いリスクと言えます。

Q4. Lark を入れればカスハラ対策の義務は自動的に満たせますか?

A. 「入れれば自動で完了」ではありません。Lark は方針の周知・相談受付・対応記録・証拠保管を回す“運用の器”であり、方針や規程の内容、個別事案の法的判断は経営者と社会保険労務士・弁護士が決める領域です。仕組みは Lark で作り、規程と法判断は専門家と進める役割分担が現実的です。

Q5. 専任の担当者がいない小さな会社でも実装できますか?

A. できます。既存のパワハラ・セクハラ相談窓口にカスハラを加える形にすれば、1つの仕組みで3つの義務をまとめてカバーできます。無料の Starter プラン(20名まで)から相談フォームと対応台帳を作れるため、追加コストもほぼかかりません。当社の無料相談(60分)では、御社の体制を棚卸しし、最小構成の実装マップを中立にご提案します。こちらからお申し込みいただけます

まとめ — カスハラ義務化は「仕組み」で乗り切る

カスタマーハラスメント防止措置は2026年10月1日施行・全事業主対象・経過措置なし。企業は①方針の明確化と周知、②相談体制の整備、③事後の迅速・適切な対応、④抑止のための措置の4本柱を講じ、相談者のプライバシー保護と不利益取扱いの禁止を担保する必要があります。これらは専用システムを買わなくても、Lark の承認・Base・フォーム・ドキュメントを組み合わせ、無料の Starter から実装できます。大切なのは、完璧を目指さず「相談できて、記録が残る」最小構成を施行日までに動かし、運用しながら磨くこと。当社は群馬・前橋で自社EC の業務を Lark に統合し月240時間→24時間を実証した実装知見から、御社の体制に合うカスハラ4措置の実装マップを中立にご提案します。規程や法判断が必要な部分は、社労士との連携も含めて正直にお伝えします。

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関連: 承認ワークフロー実装ガイド / Lark Base 3つの理由 / 現場DXガイド / Lark DXロードマップ2026


本サイトは アウフヘーベンジャパン株式会社 が運営しています。Lark は ByteDance Ltd. の登録商標です。当社は Lark の導入を支援する独立した第三者コンサルティング事業者であり、ByteDance 社の公式機関ではありません。本記事のカスタマーハラスメント対策義務化に関する記述は、政府広報オンラインおよび厚生労働省の公表情報に基づく2026年8月31日時点の参考情報であり、法令・指針の解釈や個別事案への適用については、必ず厚生労働省の公表資料および社会保険労務士・弁護士等の専門家にご確認ください。Lark の料金・仕様は同日時点の公式情報に基づく参考値であり、最新の正確な情報は Lark 公式ページをご確認ください。

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