Lark で経費精算・立替精算を電子化する2026 — 承認ワークフロー×Baseで『紙の領収書・Excel精算』を止める実装ガイド

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Lark で経費精算・立替精算を電子化する2026 — 承認ワークフロー×Baseで「紙の領収書・Excel精算」を止める中小企業の実装ガイド

月末になると領収書の糊付けと Excel 精算書の集計で経理が丸2日つぶれる」「立替精算の申請がメール・紙・口頭でバラバラに来て、誰の分を払ったか分からなくなる」「経費精算のためだけに専用 SaaS を月数万円で契約するのは重い」————この悩みに、Lark公式ヘルプの一次情報だけで答えます。実は Lark には「承認(電子稟議システム)」が標準で内蔵されており、経費精算・立替精算の申請フォームと承認フローを自由に作れます。しかも 承認データは Lark Base に自動同期でき、領収書の蓄積・集計・分析までを追加料金ゼロで内製できます(Lark公式は承認とBaseの統合を明記)。本記事は、Lark の承認と Base で経費精算を電子化する具体手順を、領収書スマホ撮影 → 承認 → 会計SaaS(freee/マネーフォワード)連携まで、そしてインボイス制度・電子帳簿保存法の注意点と専用経費精算SaaS(楽楽精算など)との棲み分けまで含めて、正直に整理します。群馬・前橋で自社EC事業を Lark に集約し月240時間→24時間を実証した当社の実装知見も併記します。

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経費精算の難所は「申請できるか」ではなく、交通費・出張旅費・接待交際費・立替・仮払・稟議など、自社の勘定科目と承認ルートを正しくシステムに落とせるかです。当社は群馬・前橋で自社EC事業を Lark に集約し 月 240 時間 → 24 時間(90% 削減)を実証した実体験から、御社の経費フローを棚卸しし、「Lark 経費精算フロー設計(自社版)」を60分の無料相談でお渡しします。Lark ありきではなく、専用経費精算SaaSが向く場合はそう正直にお伝えします。

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目次

この記事でわかること

  • Lark の承認(電子稟議)機能で、経費精算・立替精算の申請フォームと承認フローを自由に作る方法
  • 領収書スマホ撮影 → 承認 → Base 蓄積までを追加料金ゼロで内製する仕組み(承認データのBase自動同期)
  • Lark の経費データを freee・マネーフォワードなどの会計SaaSへ渡す連携の考え方
  • インボイス制度・電子帳簿保存法(電子取引データ保存の義務化)に対応するうえでの注意点と、正直な限界
  • 専用経費精算SaaS(楽楽精算・マネーフォワード クラウド経費・freee経費精算)との料金・機能の違い(公式価格で比較)

目次

  1. 結論 — Larkの「承認×Base」で経費精算はここまでできる
  2. なぜ今「紙の領収書・Excel精算」を卒業すべきか(インボイス・電帳法という現実)
  3. Lark 承認で経費精算フローを組む — 電子稟議の作り方
  4. 領収書→Base蓄積 — 承認データの自動同期と集計・分析
  5. 会計SaaS連携 — freee / マネーフォワードへデータを渡す
  6. 専用経費精算SaaSとの違い — 楽楽精算 / マネフォ経費 / freee経費 比較
  7. インボイス・電子帳簿保存法対応の注意点(正直な限界)
  8. 料金 — 無料Starterで始める(30名で試算)
  9. 導入5ステップ(実装手順)
  10. よくある質問(FAQ)
  11. まとめ — 経費精算は「専用システム」でなくても始められる

結論 — Larkの「承認×Base」で経費精算はここまでできる

結論を先に述べます。Lark には「承認」という電子稟議システムが標準で内蔵されており、出張・休暇と並んで「経費精算」の申請・承認業務を Web 上で完結できます(Lark公式「はじめての Lark 承認」、2026年8月29日確認)。しかも申請フォームと承認フローは自由にカスタマイズでき、経理向けテンプレートも用意されています。さらに承認データを Lark Base に自動同期すれば、領収書付きの経費データを表計算やダッシュボードで集計・分析できます。まず全体像を1枚の表にまとめます。

領域 Lark(承認×Base)でできること
申請 スマホ/PCで経費・立替・仮払・稟議を申請。金額・勘定科目・領収書画像を添付。申請フォームは自由設計、経理テンプレートも利用可
承認 金額や部署に応じた多段階の承認フローを設定。上司→経理といったルート、条件分岐(金額しきい値)も設計可能
蓄積 承認済みの経費データを Lark Base に自動同期(1時間ごと等)。領収書画像・金額・科目・申請者を1つの台帳に集約
集計/分析 Base の表計算・ダッシュボードで、部門別・科目別・月次のコスト分析。承認とチャットが同じアプリなので差し戻しも即時
連携 集計データをエクスポートし、freee・マネーフォワードなどの会計SaaSへ取り込み。仕訳・支払は会計側で確定
料金 無料の Starter プラン(20名まで)でも承認・Baseを利用可能。21名以上は Pro プラン(1人月額1,420円・税抜・年払い)に内包

出典: Lark公式「はじめての Lark 承認」「Base に Lark 承認のデータを同期する」Lark公式料金ページ(2026年8月29日確認)。料金・仕様は改定される場合があるため最新は公式ページをご確認ください。

ここで最初に、期待値を正直にそろえておきます。Lark には「経費精算」という独立した専用アプリ(勤怠管理アプリのようなもの)はありません。経費精算は「承認」アプリのワークフローとして作り、集計は Base で行う——という“部品を組み合わせて内製する”アプローチです。だからこそ追加料金ゼロで自社の運用に合わせて柔軟に作れる一方、後述するインボイス・電子帳簿保存法の要件充足は、専用経費精算SaaSのように「ボタン一つで完璧」とはいかず、運用ルールの設計が要ります。この線引きを踏まえたうえで、まずは「なぜ今やるべきか」から見ていきましょう。

なぜ今「紙の領収書・Excel精算」を卒業すべきか(インボイス・電帳法という現実)

結論として、経費精算の電子化は「集計時間の削減」だけでなく、インボイス制度と電子帳簿保存法という2つの制度対応の“待ったなし”に直結するため、中小企業でこそ先送りできないテーマになっています。

1つ目はインボイス制度(適格請求書等保存方式)です。国税庁によれば、インボイス制度は令和5年(2023年)10月1日から開始されています。仕入税額控除を受けるには適格請求書(インボイス)の保存が必要になり、経費精算でも「その領収書が適格請求書か」「登録番号があるか」を1件ずつ確認・記録する手間が増えました。紙とExcelの運用では、この確認作業が属人化し、月末にまとめて泣きながらチェックする——という現場が少なくありません。

2つ目は電子帳簿保存法です。国税庁の解説のとおり、令和6年(2024年)1月1日以後にやり取りする電子取引データ(メール添付のPDF請求書、Web発行の領収書など)は、原則として一定の要件を満たして電子のまま保存することが必要になりました。従来の「印刷して紙で保存すればよい」という宥恕(ゆうじょ)措置は2023年末で終了しています(一定の要件を満たす場合の猶予措置は残るものの、電子データのダウンロード対応などが前提)。つまり、もはや「電子で受け取った経費証憑を電子のまま管理する」こと自体が実務の前提になっているのです。

そして3つ目が、そもそもの中小企業のバックオフィスDXの遅れです。2024年版中小企業白書(経済産業省・中小企業庁)は、中小企業のDX取組状況について、段階1〜2(未着手〜ツールを部分的に導入した程度)にとどまる企業が約66%、業務効率化やデータ活用まで進んだ段階3は約27%と報告しています。経費精算のように毎月必ず発生し、全社員が関わり、証憑と金額の正確性が税務に直結する業務ほど、電子化の投資対効果は大きくなります。当社の自社EC事業でも、受注・在庫・勤怠と並んで「領収書の整理と精算集計」が地味に工数を圧迫していました。これらを Lark に集約した結果、手作業の集計・転記だけで溶けていた月240時間を月24時間(90%削減)まで圧縮できています。

この全社削減の中でも、経費精算まわりに絞った当社の体感(参考値)を正直にお伝えします。以前は紙とWeb発行が混在した領収書を月末にまとめて突合し、Excelの精算書へ転記して集計する作業に、経理担当が毎月まとまった時間を取られていました。さらに立替精算の申請がチャット・メール・口頭でバラバラに来るため、「誰の何をいつ精算したか」が追いにくく、未精算の立替が翌月まで滞留することもありました。承認フローで申請の入口を1本化し、承認済みデータを Base の経費台帳に自動で積み上げるようにしてからは、月末の“転記そのもの”が原則不要になり、締め作業は台帳の確認とエクスポート中心に変わりました。定量値は業種・件数で大きく変わるため断定はしませんが、「申請の散在をなくし、転記を消す」だけでも経理の月次負荷は目に見えて軽くなる——これが自社で経費精算を Lark に寄せて得た一番の実感です。

💡 中間まとめ: 経費精算の電子化は「時短」であると同時に、インボイス(2023年10月〜)と電子帳簿保存法の電子取引データ保存義務化(2024年1月〜)への対応という“守り”の投資でもあります。制度は待ってくれません。自社の経費フローの棚卸し(無料相談)はこちら →

Lark 承認で経費精算フローを組む — 電子稟議の作り方

結論として、Lark 承認は「申請フォーム」と「承認ワークフロー」を自由に設計できる電子稟議システムで、経費精算・立替精算はこの承認アプリの中に作るのが基本形です。公式も「出張・休暇・経費精算などの社内稟議・決済業務を Web 上で完結できる」と明記しています(Lark公式「はじめての Lark 承認」)。

承認に登場する3つの役割

Lark 承認は、主に次の3つの役割で回ります(同公式ページ)。

  • 管理者 — 承認の管理コンソールで承認フローを作成・管理し、申請フォームやワークフローをカスタマイズします。通常は総務・経理・人事の担当者。
  • 申請者 — 承認アプリから経費精算・立替・出張などの申請を送信します。通常は全メンバー。
  • 承認者 — 送信された申請を承認・差し戻しします。通常は上司や部門責任者、経理。

経費精算フローで効く承認の3つの強み

経費精算フローを組むうえで押さえるべき Lark 承認の強みは、公式が挙げる次の3点です。

  • 自由にカスタマイズ可能なフォームとワークフロー — 申請フォームの項目(金額・勘定科目・日付・取引先・領収書画像・登録番号の有無など)から、承認ルートまで自由に設計できます。「5万円以上は部長→役員」「交際費は経理を必ず経由」といった条件分岐も組めます。
  • ワンクリックで使い始められるテンプレート集 — 人事・総務・経理をはじめとするテンプレートが用意され、経費精算の申請フローをゼロから作らずに始められます。
  • Lark と統合された直感的な操作性 — メッセージや Base との高度な統合により、承認専用のグループチャットをすぐ開始したり、承認データを自動的に Base へ同期したりできます。差し戻しの理由確認がチャットで完結するのは、紙やメール運用にはない速さです。

実務では、「経費精算(交通費・消耗品)」「立替精算」「仮払申請」「出張旅費」など目的別に承認フローを用意し、金額しきい値で承認者を切り替えるのが定石です。申請者はスマホで領収書を撮って金額と科目を入れて送るだけ。承認者はプッシュ通知から中身と領収書画像を確認して1タップで承認。この「申請→承認」が Lark アプリの中で完結し、しかもチャット・会議・ドキュメントと同じアプリなので、経費のためだけに別システムへログインする必要がない——これが Lark で経費精算を回す最大の体験的メリットです。経費に限らない承認ワークフロー全般の作り込み方は Lark 承認ワークフロー実装ガイド、承認と Base の組み合わせ方は Lark Base が中小企業の業務効率を変える3つの理由 も併せてご覧ください。

領収書→Base蓄積 — 承認データの自動同期と集計・分析

結論として、Lark 承認で処理した経費データは、Lark Base に自動同期して“経費台帳”として蓄積・集計できます。公式は「経費精算や予算申請など、承認フロー内のすべてのデータを Base に同期して集計・確認できる」「経費精算の承認データを Base に同期すると、承認後に表計算やダッシュボードで簡単なコスト分析ができる」と説明しています(Lark公式「Base に Lark 承認のデータを同期する」、2026年8月29日確認)。

設定の流れはシンプルです。Base の連携ツールセンターから「Lark 承認」を選び、同期したい承認ワークフロー・対象期間・取り込むフィールドを指定すれば、承認済みデータが Base のテーブルに流れ込みます。1時間ごとの自動同期を有効にしておけば、承認が下りた経費が随時テーブルに積み上がっていきます。これにより、次のような“経理の見える化”がノーコードで実現します。

  • 経費台帳の自動生成 — 申請者・日付・金額・勘定科目・領収書画像・承認ステータスが1つのテーブルに集約。月末の転記作業が消えます。
  • 部門別・科目別の集計 — Base の集計フィールドやダッシュボードで、部門ごと・勘定科目ごとの経費をリアルタイム可視化。予算超過の早期発見に。
  • アラートの自動化 — Base のオートメーション(自動化)で「交際費が月予算を超えたら経理に通知」「未精算の立替が30日を超えたら申請者にリマインド」といった通知も組めます。

領収書などの画像は、Base の添付ファイル項目として1レコードにひも付けて保管できます。「金額・科目・取引先・登録番号・領収書画像」が1行にそろった状態で残るため、後から「あの経費の証憑は?」と探す時間もなくなります。データ量の目安として、Base のテーブル行数上限はStarter が1テーブル2,000行、Pro が2万行、Enterprise が5万行です(Lark公式料金ページ、2026年8月29日確認)。月あたりの経費明細が数百件規模の中小企業なら、年度ごとにテーブルを分ける運用で Pro プランの2万行でも十分に回ります。Excel台帳からの移行手順は Lark BaseへExcel業務を30日で移行する手順 が参考になります。

御社の勘定科目と承認ルートを、Lark 承認×Base にどう落とすか60分で設計します

「交際費は役員承認」「拠点ごとに経理担当が違う」「立替と仮払を分けたい」——実際の経費ルールを見ながら、無料相談で承認フローの分け方と Base 台帳の設計をその場でご提案します。Lark では複雑すぎると判断すれば、専用経費精算SaaSを正直にお勧めします。

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会計SaaS連携 — freee / マネーフォワードへデータを渡す

結論として、Lark(承認×Base)は「申請〜承認〜経費台帳の可視化」までを担い、仕訳や支払・税務申告は会計SaaS側で確定させる——という役割分担が、多くの中小企業にとって現実的な形です。

Lark 承認と Base で集約した経費データは、Base からエクスポートしてfreee会計・マネーフォワード クラウド会計といった会計SaaSに取り込むのが最もシンプルな連携です。会計SaaS側では、取り込んだ経費データをもとに仕訳を起こし、振込データの作成や消費税計算を行います。「経費の申請と証憑の一次管理は Lark、会計処理と税務は専用の会計SaaS」と役割を分ければ、それぞれの得意分野を活かせます。

ここは正直に線を引いておきます。Lark 承認×Base は“経費精算のフロントエンドと台帳”としては非常に優秀ですが、仕訳の自動生成・銀行振込連携・税区分の自動判定・税務申告といった“会計の中枢”は Lark の守備範囲外です。会計処理まで一気通貫で自動化したいなら、後述する専用の経費精算SaaS(会計SaaSと密結合しているもの)のほうがはるかにスムーズです。逆に言えば、「すでにチャットや業務DBを Lark に集約していて、経費の申請と一次管理だけを紙・Excelから脱却したい」という段階なら、追加コストゼロで始められる Lark の承認×Base が最短ルートになります。

専用経費精算SaaSとの違い — 楽楽精算 / マネフォ経費 / freee経費 比較

結論として、「経費精算だけを高度に自動化したい」なら専用経費精算SaaSが強く、「コミュニケーション基盤ごと1本化したい」なら Lark が有利——というのが両者の本質的な住み分けです。ここは公式価格で正直に比較します。

項目 Lark(承認×Base) 楽楽精算 マネーフォワード クラウド経費 freee経費精算
位置づけ 統合グループウェアの承認+DBで内製 経費精算の専用SaaS 会計SaaS群の経費モジュール 会計SaaS群の経費モジュール
料金の目安 無料(Starter・20名まで)〜。21名以上はPro 1,420円/人に内包 初期100,000円+月額30,000円〜(いずれも税抜) 50名以下は年払い2,480円/月〜(税抜)。1ヶ月無料あり 基本料金+申請ユーザー1人あたり300円/月〜(税抜)
領収書撮影/OCR スマホ撮影→画像添付(自動読取は標準機能ではない) ◯(OCR・自動入力) ◯(OCR・自動入力) ◯(AIで申請内容を自動作成)
会計/仕訳連携 エクスポートして会計SaaSへ取り込み 主要会計ソフトへ連携 MFクラウド会計と密連携 freee会計と密連携
チャット/会議/DB ◯(同一アプリに統合) ×(経費特化) ×(会計特化) ×(会計特化)

出典: Lark公式料金ページ楽楽精算 料金(初期10万円+月額3万円〜・税抜)マネーフォワード クラウド経費(50名以下 年払い2,480円/月〜・税抜・1ヶ月無料)freee経費精算(基本料金+従量課金)。いずれも2026年8月29日確認。各社とも料金体系・改定が頻繁なため、最新かつ正確な金額・条件は必ず各社公式ページでご確認ください。

数字を素直に読めば、経費精算そのものの完成度(OCRによる領収書自動読取、会計への仕訳自動連携、インボイス・電帳法の要件充足)では、専用経費精算SaaSが明確に上です。特に領収書のOCR自動入力や会計仕訳の自動生成は、経費件数が多い会社ほど効いてきます。ここを Lark が機能で上回るわけではありません。Lark の価値は「経費精算が単体で高機能」なことではなく、「チャット・会議・ドキュメント・業務DB・AIを1本化した基盤の“中に”承認とBaseが無料で含まれ、そこに経費精算フローを追加コストゼロで足せる」ことにあります。すでに複数のSaaSに月額を払っている会社なら、Larkへの統合でツールの本数と月額を減らしつつ、経費の申請・一次管理も巻き取れる。この総額と一元管理の観点で選ぶのが、Lark 経費精算の正しい使いどころです。Larkと他ツールの比較は Lark vs kintoneLark vs Microsoft Teams も併せてご覧ください。

インボイス・電子帳簿保存法対応の注意点(正直な限界)

結論として、Lark(承認×Base)で経費証憑を電子的に扱うこと自体はできますが、電子帳簿保存法の保存要件を“システムの機能だけで自動的に満たす”わけではありません。ここは顧客の信用に直結するため、正直に整理します。

電子帳簿保存法で電子取引データを保存する際は、「真実性の確保(改ざん防止)」と「可視性の確保(検索・表示できること)」という要件が求められます。専用の経費精算SaaSや文書管理サービスの多くは、タイムスタンプ付与や訂正・削除履歴の保持、日付・金額・取引先での検索機能などを備え、これらの要件を製品側で満たしやすい設計になっています(第三者認証としてJIIMA認証を取得している製品もあります)。

Larkで満たすべき「真実性」と「可視性」

一方、Lark の承認×Base で経費証憑を管理する場合は、要件を満たすための“運用ルール”を自社で設計する必要があります。具体的には、たとえば次のような対応が考えられます。

  • 真実性 — 承認後のレコードは編集権限を経理・管理者に限定し、Base の権限設定と変更履歴で改ざんを抑止する。あわせて「訂正・削除の防止に関する事務処理規程」を定めて運用する(規程の整備は電子取引データ保存で認められる方法の一つ)。
  • 可視性 — Base のフィールドに取引年月日・取引金額・取引先を必ず入れ、これらで検索・絞り込みできる状態にしておく。

「Lark を入れれば電帳法対応が完了する」という理解は誤りです。正しくは「Lark は電子証憑を扱う“器”になり得るが、法対応は運用ルールと規程の設計とセット」です。要件充足を製品機能に任せてラクをしたいなら専用SaaS、コストを抑えて自社運用でカバーするなら Lark、という判断になります。証憑の保存要件を厳格に満たしたい会社は、経費の一次申請だけ Lark で行い、確定した証憑の長期保存は電帳法対応の会計SaaS/文書管理側に寄せる——というハイブリッドが安全です。制度の詳細は必ず国税庁の公表資料と顧問税理士の助言を確認してください。年末調整など労務の電子化と合わせて整えたい場合は 年末調整を Lark で電子化するガイド も参考になります。

料金 — 無料Starterで始める(30名で試算)

結論として、20名以下なら Lark の承認×Base は完全無料で始められ、30名規模でも経費精算のために追加費用は発生しません(Pro プランに内包)。ここが専用経費精算SaaSと決定的に違う点です。

プラン 人数上限 料金(1人/月) 承認/Base
Starter(無料) 20人 0円 利用可(Base 2,000行/テーブル・自動化1,000回/月)
Pro(有料) 500人 1,420円(税抜・年払い) 内包(Base 2万行/テーブル・自動化5万回/月)
Enterprise(有料) 無制限 要問い合わせ(個別見積) 内包(Base 5万行/テーブル・自動化50万回/月)

出典: Lark公式料金ページLark公式「料金プランの紹介」(2026年8月29日確認)。Starterは共通ストレージ100GB、Proは15TB。Enterprise価格は公式上は要問い合わせのため断定を避けています。

30名規模で考えると、Lark Pro は 1,420円×30名×12か月 = 年約51万円。ただしこれは経費精算(承認×Base)だけでなく、チャット・ビデオ会議・メール・共同編集ドキュメント・Lark Base・AIまで全部込みの金額です。一方、経費精算だけを専用SaaSで揃えると、たとえば楽楽精算なら初期10万円+月額3万円〜(年約36万円+初期)、マネーフォワード クラウド経費なら小規模で年約3万円〜と、製品や人数・機能で大きく変わります「経費精算“単体”の安さ」で選ぶなら小規模向けの会計SaaS系が有利、「基盤ごと1本化して総額を下げる」なら Lark——という構図です。まずは20名以下のチームや一部門で、無料の Starter で承認フローと経費台帳を試すのがリスクゼロの第一歩です。

導入5ステップ(実装手順)

結論として、Lark 経費精算の立ち上げは「承認フロー作成→Base同期→権限・規程→会計連携→運用改善」の5ステップで進めます。

  1. 承認フローを作成する — 承認の管理コンソールで「経費精算」「立替精算」「仮払申請」などのフローを作成。経理テンプレートを土台に、フォーム項目(金額・勘定科目・取引先・登録番号・領収書画像)と承認ルート(金額しきい値での分岐)を設計。
  2. Base に同期する — Base の連携ツールセンターから「Lark 承認」を選び、対象ワークフロー・期間・フィールドを指定して自動同期(1時間ごと)を有効化。経費台帳テーブルとダッシュボードを用意。
  3. 権限と規程を整える — 承認後レコードの編集権限を経理・管理者に限定。電子帳簿保存法に備え「訂正・削除防止の事務処理規程」を定め、検索用に取引年月日・金額・取引先フィールドを必須化。
  4. 会計SaaSと連携する — 集計データのエクスポート運用を決め、freee/マネーフォワード等への取り込み手順を確立。仕訳・支払・税務は会計側で確定。
  5. 運用開始と改善 — 1部門・1フローから開始し、最初の1か月はデータを見ながら承認ルートや科目を微調整。未精算リマインドや予算超過通知を Base オートメーションで追加。

ここで重要なのは、最初から全部門・全経費区分を完璧に作り込もうとしないことです。まず「交通費と消耗品の経費精算」だけをシンプルな承認フローで回し、定着したら立替・仮払・出張旅費へ広げる。中小企業のDXが「導入したのに使われない」で失敗する最大の原因は、最初から複雑にしすぎて現場が付いてこられないことにあります(中小企業DXの失敗を防ぐ5ステップ)。経費精算は毎月全員が触れるからこそ、小さく始めて確実に定着させるのが成功の鉄則です。Lark導入の全体像は Lark DX 完全ロードマップ2026、当社の支援内容は Lark導入支援サービスにまとめています。

よくある質問(FAQ)

Q1. Lark に経費精算の専用アプリはありますか?

A. 経費精算という独立した専用アプリはありません。Lark では「承認(電子稟議システム)」で経費精算・立替精算の申請フォームと承認フローを作り、承認データを Lark Base に同期して台帳・集計を行う構成になります。公式も「出張・休暇・経費精算などの社内稟議・決済業務を Web 上で完結できる」と案内しています(Lark公式・はじめての Lark 承認、2026年8月29日確認)。

Q2. Lark の経費精算は無料で使えますか?

A. はい。承認も Base も Lark の標準機能で、無料の Starter プラン(20名まで)でも利用できます。21名以上になると Pro プラン(1人月額1,420円・税抜・年払い)が必要ですが、承認・Base はそのプランに内包され、経費精算のための追加費用は発生しません(Lark公式料金ページ、2026年8月29日確認)。

Q3. 領収書のOCR自動読み取りはできますか?

A. Lark の承認では領収書をスマホで撮影して画像添付できますが、金額や取引先を自動で読み取って入力する OCR は標準機能ではありません。OCRによる自動入力を重視するなら、楽楽精算・マネーフォワード クラウド経費・freee経費精算などの専用経費精算SaaSのほうが得意です。件数が多い会社は、この点を選定基準に含めてください。

Q4. Lark を使えば電子帳簿保存法・インボイスに自動対応できますか?

A. 「入れれば自動で対応完了」ではありません。電子帳簿保存法の電子取引データ保存には真実性(改ざん防止)と可視性(検索性)の要件があり、Lark で満たすには権限設定・変更履歴・事務処理規程の整備・検索用フィールドの設計といった運用ルールが必要です。インボイス制度は2023年10月開始、電子取引データの電子保存義務化は2024年1月から始まっています(国税庁・インボイス制度電子帳簿保存法の改正)。詳細は必ず国税庁の資料と顧問税理士にご確認ください。

Q5. 専用の経費精算SaaSと Lark、どちらを選ぶべきですか?

A. 経費精算“単体”の完成度(OCR・会計仕訳の自動連携・電帳法要件の充足)を最優先するなら、専用経費精算SaaS(楽楽精算・マネーフォワード クラウド経費・freee経費精算)が有利です。一方、チャット・会議・ドキュメント・業務DBもまとめて1本化したい会社なら、承認×Base で経費精算を追加コストゼロで内製できる Lark が向きます。当社の無料相談(60分)では、御社の経費件数・勘定科目・承認ルートを棚卸しし、どちらが合うかを中立に診断します。こちらからお申し込みいただけます

まとめ — 経費精算は「専用システム」でなくても始められる

Lark には承認(電子稟議)が標準で内蔵され、経費精算・立替精算の申請フォームと承認フローを自由に作り、承認データを Base に自動同期して経費台帳として集計できます。20名以下なら無料。OCRや会計仕訳の自動連携、電帳法要件の充足では専用経費精算SaaSに軍配が上がりますが、チャット・会議・ドキュメント・業務DBを1本化した基盤の中に承認とBaseが無料で含まれ、そこに経費精算を追加コストゼロで足せるのが Lark の強みです。まずは一部門・無料Starterで「交通費と消耗品の経費精算」から小さく始めるのが失敗しない第一歩。当社は群馬・前橋で自社EC の業務を Lark に統合し月240時間→24時間を実証した実装知見から、御社の経費フローに合う設計を中立にご提案します。

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